10.2.3.1 高速リカバリ領域および高速リカバリ領域ディスク・グループについて

高速リカバリ領域は、リカバリに関連するすべてのOracle Databaseファイルの統合的な記憶域の場所です。

データベース管理者は、DB_RECOVERY_FILE_DESTパラメータを高速リカバリ領域のパスに定義して、ディスク上のバックアップおよびデータの高速リカバリを有効にできます。最近のデータを迅速にバックアップできれば、リカバリ作業のためにバックアップ・テープを探さなければならないシステム管理者の負担を軽減できます。

データベース初期化パラメータ・ファイルで高速リカバリ領域を有効にすると、すべてのRMANバックアップ、アーカイブ・ログ、制御ファイルの自動バックアップ、およびデータベースのコピーが高速リカバリ領域に書き込まれます。RMANは、リカバリに必要でなくなった古いバックアップおよびアーカイブ・ファイルを削除することで、高速リカバリ領域のファイルを自動的に管理します。

Oracle RACで高速リカバリ領域を使用するには、Oracle ASMディスク・グループ、クラスタ・ファイル・システムまたは各Oracle RACインスタンスのDirectネットワーク・ファイル・システム(NFS)で構成される共有ディレクトリに配置する必要があります。つまり、高速リカバリ領域はOracle RACデータベースのすべてのインスタンス間で共有される必要があります。Oracle ClusterwareファイルおよびOracle Databaseファイルは、高速リカバリ領域ファイルと同じディスク・グループに配置できます。ただし、ストレージ・デバイスの競合を減らすため、別の高速リカバリ領域ディスク・グループを作成することをお薦めします。

高速リカバリ領域を有効にするには、すべてのインスタンスに対してDB_RECOVERY_FILE_DESTパラメータに同じ値を設定します。高速リカバリ領域のサイズは、パラメータDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEで設定します。原則として、高速リカバリ領域が大きいほど、利便性は高くなります。使用しやすくするため、高速リカバリ領域ディスク・グループを、3日以上のリカバリ情報を格納できるストレージ・デバイス上に作成することをお薦めします。理想的には、高速リカバリ領域は、保存ポリシーに基づいて保存されたデータ・ファイルのバックアップを使用してデータベースをリカバリする際に必要な、すべてのデータ・ファイルと制御ファイル、オンラインREDOログ、およびアーカイブREDOログ・ファイルのコピーを格納できるサイズであることが求められます。

複数のデータベースで同じ高速リカバリ領域を使用できます。たとえば、150GBの記憶域を持つディスク上に1つの高速リカバリ領域ディスク・グループを作成し、それを3つの異なるデータベースで共有するとします。各データベースの高速リカバリ領域のサイズを、そのデータベースの重要度によって設定することができます。たとえば、test1が最も重要ではないデータベースである場合は、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEに30 GBを設定できます。より重要なproductsデータベースの場合は、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEに50 GBを設定できます。最も重要なordersデータベースの場合は、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEに70 GBを設定できます。

関連項目:

データ用ディスク・グループと高速リカバリ領域用ディスク・グループの作成方法については、Oracle Automatic Storage Management管理者ガイドを参照してください。