4.4.1 Oracle Grid Infrastructureの名前解決オプションについて

インストールを開始する前に、各ノードにインタフェースが2つ以上構成されている必要があります。1つはプライベートIPアドレス用、もう1つはパブリックIPアドレス用です。

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのIPアドレスは、次のいずれかのオプションを指定して構成できます。

  • マルチクラスタまたは標準のOracle Grid Naming Service (GNS)を使用した動的IPアドレスの割当て。このオプションを選択した場合、ネットワーク管理者は、GNS (標準またはマルチクラスタ)によって解決されるようにサブドメインを委任します。GNSの要件は、GNSの構成に、ゾーン委任あり(ドメインの解決をGNSに委任)またはゾーン委任なし(ドメインを委任しないGNS仮想IPアドレス)のどちらを選択するかによって異なります。

  • ゾーン委任を使用するGNSの場合:

    • IPv4の場合は、クラスタが使用するパブリック・ネットワーク上で実行されているDHCPサービス

    • IPv6の場合、クラスタが使用するパブリック・ネットワーク上で実行されている自動構成サービス。

    • 各ノードのIPアドレスを1つずつ、そしてクラスタの単一クライアント・アクセス名(SCAN)によって使用される、クラスタのIPアドレスを3つ提供するのに十分なDHCPアドレス

  • 既存のGNS構成を使用します。Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)以上では、1つのGNSインスタンスを複数のクラスタで使用できます。複数のクラスタでGNSを使用するには、GNSで使用するゾーンをDNS管理者が委任する必要があります。また、GNSのインスタンスがネットワーク上のどこかで稼働しており、そのGNSインスタンスにアクセスできる(ファイアウォールでブロックされていない)必要があります。GNSインスタンスに登録されるすべてのノード名は一意である必要があります。

  • DNSまたはホスト・ファイルの解決を使用した静的IPアドレスの割当て。このオプションを選択すると、ネットワーク管理者は固定IPアドレスをクラスタの各物理ホスト名とOracle Clusterware管理VIPのIPに割り当てます。また、各ノードにドメイン・ネーム・システム(DNS)に基づいた静的名前解決が使用されるか、クラスタとクライアントの両方のホスト・ファイルを更新する必要があり、SCAN機能は限定されます。このオプションを選択する場合は、クラスタの変更時にネットワーク管理の更新を依頼する必要があります。

注意:

  • 静的ホスト名をVIP以外のすべてのサーバー・ノード・パブリック・ホスト名に使用することをお薦めします。

  • パブリックIPアドレスと仮想IPアドレスは、同じサブネット内にある必要があります。

  • DHCP割当てのネットワークは、デフォルトのネットワークでのみサポートされ、その後のネットワークではサポートされません。

プライベート・ネットワークに単一のインタフェースを使用するクラスタの場合、各ノードのインターコネクト用のプライベート・インタフェースは同じサブネット上にある必要があり、そのサブネットはクラスタのすべてのノードに接続する必要があります。たとえば、プライベート・インタフェースのサブネット・マスクが255.255.255.0の場合、プライベート・ネットワークの範囲は192.168.0.0から192.168.0.255になり、プライベート・アドレスの範囲は192.168.0.[0-255]である必要があります。プライベート・インタフェースのサブネット・マスクが255.255.0.0の場合、プライベート・アドレスの範囲は192.168.[0-255].[0-255]になります。