5.4.1.2 GridユーザーのOracleベース・ディレクトリ

インストール時に、Oracleベースの場所を指定するように求められます。Oracleベースは、インストールを実行するユーザーが所有します。

Oracle Grid InfrastructureインストールのOracleベース・ディレクトリは、Oracle ASMおよびOracle Clusterwareに関する診断ログ、管理ログおよびその他のログが格納される場所です。クラスタのOracle Grid Infrastructureを除くOracleインストールの場合、Oracleホームが配置される場所でもあります。ただし、Oracle Grid Infrastructureインストールの場合は、Gridホーム用に別のパスを作成し、Oracleベースのパスをその他のOracleインストールが使用できるようにする必要があります。

複数のOracle Databaseインストールで、同じOracleベース・ディレクトリを使用できます。Oracle Grid Infrastructureインストールは、異なるディレクトリ・パス(Oracleベース以外のパス)を使用します。異なるオペレーティング・システム・ユーザーでOracleソフトウェアをインストールする場合は、各ユーザーが異なるデフォルトのOracleベースの場所を持つことになります。

注意:

Oracleホーム・ユーザーのWindowsユーザー・アカウントを使用してOracle Database 12cリリース1 (12.1) (またはそれ以上)のリリースをインストールした後は、同じOracleベース・ディレクトリを共有するOracle Databaseの旧リリースをインストールしないでください。ACLは、古いリリースのソフトウェアのインストール時にリセットされるので、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以上のサービスはOracleベース・ディレクトリとファイルにアクセスできない場合があります。

Windowsのデフォルトのインストールの場合、Oracleベース・ディレクトリは次のようになります。Xはディスク・ドライブ、usernameは現在ログインしているユーザーの名前であり、ソフトウェア・インストール所有者の名前でもあります。

X:\app\username

クラスタに存在できるOracle Grid Infrastructureインストールは1つのみであり、すべてのアップグレードがアウトオブプレース・アップグレードであるため、Oracle Grid InfrastructureのOracleインストール・ユーザー用のOracleベース(たとえば、C:\app\grid)を使用することをお薦めします。また、そのインストールのリリース番号を使用したOracle Grid InfrastructureバイナリのGridホームを使用してください(たとえば、C:\app\12.2.0\grid)。

インストール中に、Gridホームへのパスの所有権がLocalSystemユーザーまたはOracleホーム・ユーザー(指定した場合)に変更されます。gridユーザーのOracleベース・ディレクトリとGridホーム・ディレクトリに別々のパスを使用することは、gridユーザーが他のOracleソフトウェア・インストール環境にそのOracleベースのパスを使用できることを意味します。Gridホームへの一意のパスを作成しない場合は、Oracle Grid Infrastructureのインストール後に、同じパスにある既存のインストールを含むその他のインストールの権限エラーが発生する可能性があります。

注意:

(クラスタ用) Oracle Grid Infrastructureインストールの場合は、Oracle Grid Infrastructureホーム(Oracle Grid InfrastructureのGridホーム・ディレクトリ)の次の制限事項に注意してください。

  • Oracle Grid Infrastructureインストール所有者のOracleベース・ディレクトリを含む、どのOracleベース・ディレクトリの下にも配置できません。

  • インストール所有者のホーム・ディレクトリには配置できません。

これらの要件は、クラスタ・インストールのOracle Grid Infrastructureに固有です。スタンドアロン・サーバー(Oracle Restart)のOracle Grid Infrastructureは、Oracle DatabaseインストールのOracleベースにインストールできます。

注意:

クラスタ用Oracle Grid Infrastructureバイナリをクラスタ・ファイル・システムに配置することはサポートされていません。

各クラスタ・メンバー・ノードで、Oracle Grid Infrastructureをローカルにインストールすることをお薦めします。共有Gridホームを使用すると、ローリング・アップグレードを実行できなくなり、クラスタの単一障害点となります。