11.1 アウトオブプレースおよびローリング・アップグレードの理解

ローリング・アップグレードまたはアウトオブプレース・アップグレードを使用して、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアをアップグレードできます。

既存のOracle Grid Infrastructureインストールがある場合は、アウトオブプレース・アップグレードを行うことにより、既存のクラスタをアップグレードします。Oracle Grid Infrastructureのインプレース・アップグレードはサポートされません。すべてのアップグレードはアウトオブプレース・アップグレードですが、これは、以前のリリースで使用されたGridホームとは異なるGridホームにソフトウェア・バイナリが配置されることを意味します。アップグレードをローリング方式で実行することもでき、これはアップグレード中に少なくとも1つのクラスタ・ノードを常に使用できることを意味します。

ローリング・アップグレード

Oracle Grid Infrastructureをアップグレードするときに、クラスタ内の他のノードのOracle Grid Infrastructureを停止せずに個々のノードをアップグレードできます(これはローリング・アップグレードの実行と呼ばれます)。ローリング・アップグレードは、ソフトウェアの新リリースへのアップグレード中、停止時間をなくし、可用性の継続を保証します。

注意:

Oracle Clusterware 11gリリース2より前のリリースとは対照的に、すべてのノードをアップグレード対象に選択したとしても、Oracle Universal Installer (OUI)によって常にローリング・アップグレードが実行されます。

アウトオブプレース・アップグレード

アウトオブプレース・アップグレードでは、インストーラは新しいリリースを別のGridホームにインストールします。Oracle Grid Infrastructureの古いリリースと新しいリリースの両方が各クラスタ・メンバー・ノードに存在しますが、1つのリリースのみがアクティブになります。対照的に、インプレース・アップグレードでは、現行のOracle Grid Infrastructureホームのソフトウェアが上書きされます。

アウトオブプレース・アップグレードを実行するには、各ノードで新しいOracle Grid Infrastructureホームを作成する必要があります。その後、あるノードでは元のGridホームからOracle Grid Infrastructureを実行し、別のノードでは新しいGridホームからOracle Grid Infrastructureを実行するように、アウトオブプレース・ローリング・アップグレードを実行できます。