4.1 Entity Frameworkの概要
ODP.NET 11.2.0.3.0以上には、ADO.NET Entity FrameworkおよびLINQ to Entitiesのサポートが含まれています。ODP.NETでは、Entity SQLもサポートされています。
Entity Frameworkは、データ・モデルでのオブジェクト・リレーショナル・マッピング・サービスを提供するフレームワークです。Entity Frameworkでは、リレーショナル・データベース形式とクライアント優先オブジェクト形式とのインピーダンス・ミスマッチが解決されます。
Entity FrameworkおよびLINQを使用すると、.NET開発者の生産性が向上します。ここでは、アプリケーションのデータ・モデルからデータベースのデータ・モデルが抽出されます。Entity Frameworkのツールを使用すると、オブジェクト・リレーショナル・データの処理が容易になります。Oracle .NET開発者は、Entity FrameworkおよびLINQにOracleを統合することで、生産性に関するこれらのすべての利点を活用できます。
注意:
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Entity FrameworkおよびLINQ to Entitiesのサポートは、ODP.NET for .NET Framework 4に含まれています。ODP.NET for .NET Framework 2.0では、ADO.NET Entity FrameworkおよびLINQ to Entitiesがサポートされていません。
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Code Firstがサポートされているのは、Entity Framework 6以上です。
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ODP.NETおよびEntity Frameworkでは、スカラー・パラメータのバインドがサポートされています。Entity Frameworkでは、名前指定によるパラメータのバインドがサポートされています。位置指定によるバインドはサポートされていません。
エンティティ・データ・モデルは、Oracle Databaseスキーマから生成できます。スキーマは、エンティティ・データ・モデルから生成できます。Oracleエンティティ・データ・モデルは、Visual StudioおよびODP.NETを使用してクエリおよび操作できます。Oracleでは、Code First、Database FirstおよびModel Firstモデリング・アプローチがサポートされています。Visual StudioのServer Explorerによるデータ接続にフィルタ処理を指定すると、Entity Data Modelウィザードでも、フェッチおよび表示されるOracle Databaseオブジェクトに対してフィルタ処理を行うことができます。
LINQ to Entitiesでは、ODP.NET(LINQ to Entitiesの組込み関数を含む)を使用してOracle Databaseでクエリを実行できます。INSERT
、UPDATE
およびDELETE
は、Oracleストアド・プロシージャまたはObjectContext
SaveChanges
メソッドを使用して実行できます。
ODP.NETでは、Entity Frameworkで実行可能なOracleストアド・プロシージャの関数インポートがサポートされています。Oracle関数インポートは、エンティティ型としてのOracleの暗黙的な結果セットを含め、スカラー型、複合型およびエンティティ型の集合を返すことができます。Oracle REF CURSOR
を使用した暗黙的な結果セットのバインドがサポートされています。
関連項目:
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Entity Frameworkと統合言語クエリ(LINQ)の使用方法、およびModel Firstを使用したデータ定義言語(DDL)スクリプトの生成方法に関するチュートリアルは、次を参照してください。