1.2 Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)の概要

Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)は、Oracle Database用の.NETデータ・プロバイダの実装です。Microsoft .NET Frameworkクラス・ライブラリで使用可能なクラスとインタフェースを使用および継承しています。

.NET Frameworkに従い、ODP.NETはADO.NETモデルを使用します。このモデルにより、ネイティブ・プロバイダはプロバイダ固有の機能とデータ型を公開できます。これは、ADO(ActiveXデータ・オブジェクト)が簡単なプログラミング・モデルを公開する自動化レイヤーを提供するOracle Provider for OLE DBと似ています。ADO.NETは同様のプログラミング・モデルを提供しますが、パフォーマンスを向上させる自動化レイヤーがありません。

Oracle Data Provider for .NETは、OracleネイティブAPIを使用して、Oracleデータへの高速で信頼性の高いアクセスと、.NETアプリケーションの機能を提供します。ODP.NETには、ODP.NET管理対象ドライバとODP.NET管理対象外ドライバという2つのドライバがあります。ODP.NET管理対象ドライバは、完全管理のADO.NETプロバイダであり、ODP.NET管理対象外ドライバに比べてDLLの数が少なく、インストール・サイズも小さくなります。管理対象ドライバのApplication Program Interface (API)はODP.NET管理対象外ドライバとまったく同じです。ただし、管理対象ドライバのAPIは管理対象外ドライバのAPIに含まれています。

このガイドで説明されているODP.NETクラスは、Oracle.DataAccess.dllおよびOracle.ManagedDataAccess.dllのアセンブリに含まれています。

  • クライアント・アプリケーション: すべてのODP.NETクラスは、クライアント・アプリケーションで使用できます。

    ODP.NET管理対象ドライバは、ODP.NET管理対象外ドライバのすべてのクラスとメンバーをサポートしているわけではありません(管理対象ドライバがサポートしていないクラスとメンバーには「ODP.NET管理対象ドライバではサポートされていません」という注釈があります)。

  • .NETストアド・プロシージャ: ほとんどのODP.NETクラスは、.NETストアド・プロシージャおよびファンクション内から使用できます。使用できないクラスには、「.NETストアド・プロシージャではサポートされません」というラベルが付いています。また、一部のクラスには、サポートされていない可能性のあるメンバーが含まれています。このようなクラスは、クラスの説明の後のメンバー表でそのように示されており、このガイドの第4章にリストされています。

関連項目: