1.110 ENABLED_PDBS_ON_STANDBY

ENABLED_PDBS_ON_STANDBYには、Oracle Data Guardスタンバイ・データベースでレプリケートするプラガブル・データベース(PDB)を指定します。

特性 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

ENABLED_PDBS_ON_STANDBY = PDB-list

デフォルト値

*(init.oraファイル内のこのパラメータの値が指定されていない場合)

変更可能

ALTER SYSTEM

PDBで変更可能

いいえ

基本

いいえ

Oracle RAC

すべてのインスタンスには同じ値を使用する必要がある。

ノート:

このパラメータは、スタンバイ・データベースでのみ意味を持ちます。プライマリ・データベースでの設定は無視されます。

PDB-listは、「PDB?」、「PDB*a」、「PDB2」などのglobパターンで表現されるPDB名のリストを受け入れます。globパターンのルールは、UNIXシェルのルールに似たものです。アスタリスク(*)および疑問符(?)のワイルドカード文字がサポートされています。?のワイルドカード文字は、正確に1つの任意の文字と一致し、*のワイルドカード文字は任意の数の任意の文字に一致します。また、マイナス記号(-)文字は、PDB名の最初の文字として使用して、スタンバイ・データベースでそのPDBを除外すべきことを示すことができます。

PDB名で有効な文字は、英数字、アンダースコア(_)、シャープ記号(#)およびドル記号($)です。この他の文字は無効です。二重引用符は、PDB名を処理する前に削除されます。そのため、二重引用符を使用してその他の文字を名前の中に埋め込むことはできません。PDB名では、大文字と小文字は区別されません。これは、データベース名のネーミング規則(DB_NAME初期化パラメータの説明に記載)と同じです。

これらの規則は、ENABLED_PDBS_ON_STANDBYパラメータに適用されます。

  • マイナス記号(-)で始まるglobパターンに一致するPDB名は、スタンバイ・データベースの一部にはなりません。

  • PDB-listの複数のパターンに同時に一致するPDB名の場合は、最も右側の一致パターンが優先されます。

  • init.oraファイルでこのパラメータを指定しない場合は、デフォルトで「*」が指定されたものとみなされます。

  • このパラメータに1つ以上のパターンが指定された場合は、暗黙的に最も左の位置に「-*」が指定されたものとみなされます。たとえば、ENABLED_PDBS_ON_STANDBY="PDB1", "PDB2"は、ENABLED_PDBS_ON_STANDBY="-*", "PDB1", "PDB2"と等価です。これは、どのパターンにも一致しないPDB名は、スタンバイの一部にできないことを意味します。

ノート:

この初期化パラメータは、Oracle Database 12c リリース2 (12.2.0.1)以降で使用できます。

これらの例では、PDB1A、PDB1B、PDB1C、PDB2A、PDB2B、PDB2C、PDB3A、PDB3BおよびPDB3Cという名前の9つのPDBがプライマリ・データベースに追加されていると仮定します。

  1. STANDBY1で、STANDBY1にENABLED_PDBS_ON_STANDBY="*"と設定すると、STANDBY1で9つすべてのPDBが作成されます。

  2. STANDBY1で、STANDBY1にENABLED_PDBS_ON_STANDBY="PDB1*"と設定すると、STANDBY1でPDB1A、PDB1BおよびPDB1Cが作成されます。

  3. STANDBY1で、STANDBY1にENABLED_PDBS_ON_STANDBY="PDB*A"と設定すると、STANDBY1でPDB1A、PDB2AおよびPDB3Aが作成されます。

  4. STANDBY1で、STANDBY1にENABLED_PDBS_ON_STANDBY="PDB1*", "-PDB*A"と設定すると、STANDBY1でPDB1BおよびPDB1Cが作成されます。

  5. STANDBY1で、STANDBY1にENABLED_PDBS_ON_STANDBY="*", "-PDB*A", "-PDB*B"と設定すると、STANDBY1でPDB1C、PDB2CおよびPDB3Cが作成されます。他のすべてのPDBは「*」に一致しますが、最も右のパターンが優先されるため、スタンバイでは除外されます。

  6. STANDBY1で、STANDBY1にENABLED_PDBS_ON_STANDBY="*", "-PDB*A", "PDB2A"と設定すると、PDB1AおよびPDB3Aが除外され、PDB2Aを含む他のすべてのPDBが作成されます。