4.2.4 インストール後のCVUのクラスタ・ヘルス・チェックの使用について

Oracle ClusterwareおよびOracle Databaseインストールをチェックして、必須要件およびベスト・プラクティス・ガイドラインへの適合性を調べたり正しく動作していることを確認するには、CVUのhealthcheckコマンドを使用できます。

構文

cluvfy comp healthcheck [-collect {cluster|database}] [-db db_unique_name]
[-bestpractice|-mandatory] [-deviations] [-html] [-save [-savedir directory_path]

オプション

オプション 説明
-collect [cluster | database]

このオプションを使用して、Oracle Clusterware (クラスタ)またはOracle Database (データベース)のチェックを実行することを指定します。healthcheckコマンドでcollectフラグを使用しない場合は、cluvfy comp healthcheckではOracle ClusterwareおよびOracle Databaseの両方に対するチェックが実行されます。

-db db_unique_name

このフラグを使用して、-dbオプションの後に入力した一意のデータベース名に対するチェックを指定します。

CVUでは、JDBCを使用してCVUSYSユーザーとしてデータベースに接続し、様々なデータベース・パラメータが検証されます。このため、-dbオプションで指定したデータベースに対してチェックを実行する場合は、最初にそのデータベースでCVUSYSユーザーを作成し、このユーザーにCVU固有のロールであるCVUSAPPを付与する必要があります。CVUSAPPの役割のメンバーに、システム表に対するSELECT権限を付与する必要もあります。このユーザーを簡単に作成できるように、SQLスクリプトcvusys.sqlCVU_home\cv\adminディレクトリに含まれています。このSQLスクリプトを使用して、CVUにより検証するすべてのデータベースでCVUSYSユーザーを作成します。

-dbオプションを使用し、一意のデータベース名を指定しない場合、CVUではクラスタのすべてのOracle Databaseが検出されます。これらのデータベースでベスト・プラクティス・チェックを実行する場合は、各データベースでCVUSYSユーザーを作成し、ベスト・プラクティス・チェックを実行するために必要なCVUSAPPロールとSELECT権限をこのユーザーに付与する必要があります。

[-bestpractice | -mandatory] [-deviations]
  • ベスト・プラクティスのチェックを指定するには、-bestpracticeオプションを使用します

  • 必須のチェックを指定するには、-mandatoryオプションを使用します

  • ベスト・プラクティスの推奨事項または必須要件からの差異のみを確認することを指定するには、-deviationsオプションを追加します。

  • -bestpracticeまたは-mandatoryのいずれも指定しない場合は、ベスト・プラクティスと必須要件の両方が表示されます。

-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれかのオプションを指定できますが、両方のオプションを指定することはできません。

-html

-htmlオプションを使用すると、詳細レポートがHTML形式で生成されます。

-htmlオプションを指定し、CVUで認識されるブラウザがシステムで使用可能な場合は、チェックの完了時にブラウザが起動されてレポートがブラウザに表示されます。

-htmlオプションを指定しない場合、詳細レポートはテキスト・ファイルで生成されます。

-save [-savedir dir_path]

検証レポート(cvuchecdkreport_timestamp.txtおよびcvucheckreport_timestamp.htm、(ここで、timestampは検証レポートの日時))を保存するには、-saveまたは-save -savedirオプションを使用します。

-saveオプションを単独で使用すると、レポートはパスCVU_home\cv\reportに保存されます(ここで、CVU_homeはCVU実行可能ファイルの場所です)。

-save -savedirオプションを使用し、CVUレポートを保存するパスを入力すると、指定したパスにCVUレポートが保存されます。

例4-1 ソフトウェア・インストール後のクラスタ・ヘルス・チェックの実行

Oracle Grid Infrastructureクラスタのヘルス・チェックを実行して、ベスト・プラクティスからの逸脱をチェックし、結果をHTML形式で表示するには、次のコマンドを使用します。

C:\> cd app\12.2.0\grid\bin
C:\..bin> cluvfy comp healthcheck -html -bestpractice -deviations

例4-2 Oracle RACデータベースに対するヘルス・チェックの実行

Oracle RACクラスタのヘルス・チェックを実行して、ベスト・プラクティスの推奨および必須要件をチェックし、結果をHTML形式で表示するには、次のコマンドを使用します。

C:\> cd app\12.2.0\grid\bin
C:\..bin> cluvfy comp healthcheck -html