1.2 Oracle RACインストール用のサーバーのハードウェアとソフトウェアを確認するチェックリスト

チェックリストを使用して、Oracle RACのハードウェアとソフトウェアの最小要件を確認します。

ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』の説明に従って、サーバーが準備されているものと仮定します。

表1-2 Oracle RACのハードウェアとソフトウェアのチェックリスト

アイテム タスク
各ノードのサーバー・ハードウェア
  • サーバーのメンテナンスを簡略化するために、各ノードで同一のサーバー・ハードウェアを使用します。

  • プライマリ・ドメイン・コントローラまたはバックアップ・ドメイン・コントローラにOracle RACをインストールしないことで、リソース競合の問題を回避します。

  • Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイドfor Microsoft Windows x64 (64-Bit)のハードウェア要件の確認に関する項を確認して、十分なRAMがシステムにあることを確認します。

  • TEMP環境変数が、インストールに十分な使用可能領域がある場所をポイントしていることを確認します。

  • Oracle RACのEnterprise EditionおよびStandard Editionのどちらについても、Oracle Databaseコンポーネントのハード・ディスク要件に、オペレーティング・システムのインストール先のディスク・パーティションへのJava Runtime Environment(JRE)とOracle Universal Installer (OUI)のインストールに必要な32MBも含まれています。十分な空き領域が検出されない場合、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。

オペレーティング・システムの一般的な要件
  • サポートされているオペレーティング・システムのバージョンをインストールして、そのバージョンに必要なオペレーティング・システム・パッケージおよびパッチをインストールします。

    一部のオペレーティング・システムについては、更新(サービス・パック、個々のパッチなど)が必要な場合があります。このような要件がある場合は、特定のリリースのリリース・ノートに記載されています。リリース・ノートに動作保証に関する例外が示されていないかぎり、Microsoft社が推奨する他のオペレーティング・システム・パッチを適用することもできます。必要なオペレーティング・システムの更新については、オペレーティング・システム・ベンダーに問い合せてください。

    注意:

    クラスタ内の各ノードでは、同じオペレーティング・システムを使用する必要があります。クラスタ内の各ノードで同じソフトウェア構成を使用することをお薦めします。Oracle ClusterwareとOracle RACでは、同じクラスタ内の異種プラットフォームをサポートしていません(各サーバーは同じOracleソフトウェア・バイナリを実行している必要があります)。
  • (オプション)すべてのソフトウェアをインストール用の1つのノード(ローカル・ノード)でステージングします。

必要なユーザーを作成して、環境を構成します。

  • Oracle Grid Infrastructureのインストール時に作成されたユーザーを確認します。
  • Oracle Real Application Clustersソフトウェアをインストールするには、ローカル・ユーザーまたはドメイン・ユーザーのいずれかを使用する必要があります。いずれの場合も、Oracleインストール・ユーザーは、クラスタのすべてのノードの管理者グループの明示的メンバーである必要があります。

  • Oracle RACソフトウェアをOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)にインストールするには、Oracleホーム・ユーザー用のWindowsドメイン・ユーザー・アカウントを使用する必要があります。

  • ユーザーがすべてのノードで同じパスワードを設定していて、クラスタのすべてのノードの管理者グループの明示的メンバーである場合は、ローカル・ユーザーを使用してインストールを実行できます。

  • インストール時にOracleホーム・ユーザーを指定できます。Oracleホーム・ユーザーは、Windowsドメイン・ユーザー・アカウントまたはWindowsグループ管理サービス・アカウント(GMSA)の場合があります。

ネットワーク・インタフェースの構成

  • クラスタ内の各ノードが、net useコマンドを使用して他のノードと通信できることを確認してください。たとえば、node1では、次のコマンドを使用できます。

    C:\> net use \\node2\c$
    The command completed successfully.
  • グリッド・ネーミング・サービス(GNS)またはマルチ・クラスタGNSをデプロイする場合は、GNSへのドメイン名転送を設定し、必要に応じてDNSおよびサーバーにネットワーク・アドレスを設定します。

必要な共有記憶域を設定します。

  • Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスは、制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)、REDOログ・ファイルおよびすべてのデータファイルを共有します。これらのファイルは、共有記憶域に配置し、クラスタ・ノード上のすべてのクラスタ・データベース・インスタンスからアクセスできるようにする必要があります。また、各インスタンスには、それぞれ専用のREDOログ・ファイルのセットがあります。障害が発生した場合、REDOログ・ファイルへの共有アクセスによって、障害が発生していないインスタンスがリカバリを実行できます。

  • データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの共有記憶域オプションとして、Oracle ASMを選択することをお薦めします。

  • Oracle ASMやOracle ACFSを使用するか、Direct NFSクライアント(DNFS)を使用したNetwork File Server (NFS)を使用して、共有ファイルを保存できます。

  • Oracle ACFSでサポートされるファイルには、データベースとアプリケーションの実行可能ファイル、トレース・ファイル、アラート・ログ、アプリケーション・レポート、BFILEおよび構成ファイルが含まれます。

  • Standard EditionおよびStandard Edition 2 (SE2)のOracle RACインストールでは、データベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルの共有記憶域オプションとして、Oracle ASMのみがサポートされています。

  • 外部ファイルの冗長性が適用される記憶域オプションがない場合は、3つ以上の投票ディスク領域を構成して、投票ファイルの冗長性を確保する必要があります。

  • 処理ノード・インスタンスは、記憶域サービスを提供するためにASM I/O Serverを実行しているコア・ノードから記憶域にアクセスします。

タイムゾーン要件

タイムゾーン・ファイルおよびTSTZデータをアップグレードします。Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールの一部として、タイムゾーン・バージョン・ファイルの1から12までが、パス%ORACLE_HOME%\oracore\zoneinfo/にインストールされます。現在のタイムゾーン・バージョンを引き続き使用するか、または最新バージョンにアップグレードすることができます。最新バージョンのタイムゾーンにサーバーをアップグレードすることをお薦めします。

タイムゾーン・ファイルとTSTZデータをアップグレードする方法の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください

プラットフォーム固有のサーバー構成

  • HP-UXに対して外部ジョブ・ユーザーが作成されていることを確認します。

  • Windowsプラットフォーム上のOracle ACFSにOracle RACをインストールする際に使用する、Windowsドメイン・ユーザー・アカウントを構成します。

表1-3 Oracle Databaseファイルおよびリカバリ・ファイルのサポートされている記憶域オプション

記憶域オプション サポート対象ファイル・タイプ / データベース サポート対象ファイル・タイプ / リカバリ領域
Oracle ASM はい はい
Oracle ACFS Windowsプラットフォームの場合を除いて、可(Oracle Database 12cリリース12.1以上) はい
Direct NFSクライアント はい はい
ローカル記憶域 いいえ いいえ
共有の未フォーマット・パーティション いいえ いいえ

関連項目:

ユーザーおよびグループの詳細は、Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイドfor Microsoft Windows x64 (64-Bit)を参照してください。