『Oracle Data Guard概要および管理』のこのリリースでの変更点

この序文では『Oracle Data Guard概要および管理』の変更をリストします。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更点

Oracle Database 12c リリース2 (12.2.0.1)の『Oracle Data Guard概要および管理』での変更点は、次のとおりです。

  • 新しいINSTANCES [ ALL | integer]句は、REDO Applyが使用するフィジカル・スタンバイ上のインスタンス数の制御を可能にするSQL ALTER RECOVER MANAGED STANDBY DATABASEコマンドで使用できます。複数インスタンスREDO Applyの設定を参照してください。

  • ロジカル・スタンバイで、長い識別子(128バイト)がサポートされるようになりました。

  • Oracle Label Security (OLS)を使用するデータベースを、一時ロジカル・スタンバイ・データベースとPL/SQLパッケージDBMS_ROLLINGを使用するOracle Data Guardデータベースのローリング・アップグレードを使用して、新しいOracleデータベースのリリースおよびパッチ・セットにアップグレードできるようになりました。Oracle Label Securityを参照してください。

  • Oracle Database Vaultを使用するデータベースを、一時ロジカル・スタンバイ・データベースとPL/SQLパッケージDBMS_ROLLINGを使用するOracle Data Guardデータベースのローリング・アップグレードを使用して、新しいOracleデータベースのリリースおよびパッチ・セットにアップグレードできるようになりました。Oracle Database Vaultを参照してください。

  • 新しいデータベース初期化パラメータDATA_GUARD_SYNC_LATENCYにより、1つ以上の同期スタンバイがREDOの受信を確認した後、後続の宛先を切断するまでにプライマリ・データベースが待機できる最大時間(秒)を定義できます。REDOデータを送信するためのOracleデータベースの構成を参照してください

  • 欠落書込みの検出と、プライマリ・データベースとフィジカル・スタンバイの間の不一致の検出も、新しいPL/SQLプロシージャDBMS_DBCOMP.DBCOMPを使用することにより可能になりました。DBCOMPプロシージャを使用した欠落書込みおよびその他のフイッチの検出を参照してください。

  • 新しいENABLED_PDBS_ON_STANDBY初期化プロシージャ・パラメータを使用すると、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)のフィジカル・スタンバイ上にレプリケーション用のプラガブル・データベース(PDBs)のサブセットを指定できます。Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)より前のリリースでは、すべてのPDBを指定するか、なにも指定しないかのいずれかが必要でした。CDBのフィジカル・スタンバイの作成を参照してください。

  • Oracle Active Data Guard (ADG)環境のスタンバイ・データベースで、Oracle Databaseインメモリー列ストア(IM列ストア)がサポートされるようになりました。Active Data Guard環境でのIM列ストアを参照してください。

  • Oracle Active Data GuardはOracle Shardingに統合されています。「Oracle Active Data GuardのOracle Shardingサポート」.を参照してください。

  • RMANのDUPLICATEコマンドで新しいFARSYNCオプションを使用して、Oracle Data Guard遠隔同期インスタンスを作成できます。このためには、アクティブなデータベースの複製またはバックアップベースの複製のいずれかを使用できます。DUPLICATEコマンドを使用したスタンバイ・データベースの作成を参照してください。

  • Oracle Diagnostic Packを、読取り専用でオープンされているOracle Active Data Guardスタンバイ・データベースとともに使用できるようになりました。Oracle Diagnostic Packを使用したOracle Active Data Guardスタンバイのチューニングを参照してください。

  • 定義できる代替ログ・アーカイブ先の数は、ログ・アーカイブ先のグループを作成する能力により増加しました。グループ・メンバーの優先順位および障害状態でのポリシーも定義できます。代替宛先を参照してください。

  • DBMS_ROLLING PL/SQLパッケージを使用して実行するローリング・アップグレードが、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)でサポートされます。「DBMS_ROLLINGアップグレードとCDB」を参照してください。

  • プライマリ・データベースで行われたパスワード・ファイルの変更は、スタンバイ・データベースに自動的に伝搬されます。唯一の例外は、遠隔同期インスタンスです。遠隔同期インスタンスはREDOを受け取りますが、適用しないため、更新したパスワード・ファイルを引き続き手動で遠隔同期インスタンスにコピーする必要があります。遠隔同期インスタンスでパスワード・ファイルが更新されると、プライマリでのパスワードの更新を含むREDOは、遠隔同期インスタンスからREDOログを受け取るように設定されているすべてのスタンバイ・データベースに自動的に伝播されます。REDOが適用されると、スタンバイでパスワード・ファイルが更新されます。

  • フィジカル・スタンバイ・データベースがプライマリに変換されるときに、スイッチオーバー/フェイルオーバー中にすべてのセッションを中断せずフィジカル・スタンバイへの接続を維持するオプションが用意されました。これは、STANDBY_DB_PRESERVE_STATES初期化パラメータで実行されます。フィジカル・スタンバイ・データベースが関与するロールの推移を参照してください。

  • 新規および既存の両方の表領域、およびOracle Data Guard環境内の既存のデータベースを暗号化および復号化できます。これはオフラインまたはオンラインで実行できます。TDEマスター暗号化キーのリセットおよび表領域の暗号化のサポートを参照してください。