ログ・ファイルの場所とDIAGNOSTIC_DESTの概要

自動診断リポジトリ(ADR)とアップグレード・スクリプトによって作成される診断ログ・ファイルの場所は、環境変数およびパラメータ設定に応じて異なります。

参照:

DIAGNOSTIC_DEST初期化パラメータの使用およびADRの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

DIAGNOSTIC_DESTおよび自動診断リポジトリ(ADR)・ホーム

DIAGNOSTIC_DEST初期化パラメータは自動診断リポジトリ(ADR)の場所を設定し、このリポジトリは、データベースの外部に格納されているディレクトリ構造です。

Oracle Database 12cリリース2以上では、DIAGNOSTIC_DEST初期化パラメータが省略されるかNULLのままの場合、データベースは、Oracleベース環境変数を使用してDIAGNOSTIC_DESTを定義します。

環境変数ORACLE_BASEを設定している場合、DIAGNOSTIC_DESTは、デフォルトでORACLE_BASEによって指定されたディレクトリに設定されます。生成されるスクリプトおよびログ・ファイルは、Oracle_Base/cfgtoollogs/tool_name/SID/upgradenに作成されます(nは、このシステムで実行されたアップグレードの連続番号を表します)。

たとえば、アップグレード中にORACLE_BASEが定義されているシステムでDBUAによって作成されたログは、次のパスにあります。

ORACLE_BASE/cfgtoollogs/dbua/SID/upgraden

実際のアップグレードを実行する前には、Oracle_Base/cfgtoollogs/dbua/logsにDBUAログが保存されます。

注意:

Oracle Database 11g以上では、アラート・ログを含むすべての診断データがADRに格納されるため、初期化パラメータのBACKGROUND_DUMP_DESTおよびUSER_DUMP_DESTが非推奨になりました。これらのパラメータは、ADRの場所を指定する初期化パラメータDIAGNOSTIC_DESTに置き換えられています。

アップグレード・スクリプトの診断ログ・ファイルおよび一意のデータベース名

ログ・ファイルのパスを設定するには、パラレル・アップグレード・ユーティリティ(catctl)の実行時に-lオプションを設定してログ・ファイル・パスを定義します。

ログ・ファイル・パスを設定しない場合、Oracle Database 12cリリース2以上では、パラレル・アップグレード・ユーティリティによって、次の順序でログ・ファイルの有効なパスの特定が試みられます。

  1. ORACLE_BASEが定義されていない場合、パラレル・アップグレード・ユーティリティは、その実行元のOracleホームを特定し、パスOracle_Base/cfgtoollogs/dbib/upgradenにログ・ファイルを配置します(nは、このシステムで実行されたアップグレードの連続番号を表します)。

  2. サーバーにORACLE_BASEが見つからない場合、LinuxおよびUNIXシステムのログ・ファイルは、デフォルトで/tmpに送信されます。Windowsシステムでは、ログ・ファイルは、デフォルトでTEMP環境変数によって定義されたパスに送信されます。例: C:\TEMP

  3. パラレル・アップグレード・ユーティリティは、V$parameterビューからデータベースの一意のデータベース名を取得し、ディレクトリ・スキームを作成します。作成されるパスは、次のとおりです(Oracle_baseはOracle Databaseインストール所有者のOracleベースで、dbnameV$parameterビューから取得されたデータベース名です)。

    Oracle_base/cfgtoollogs/dbname/upgrade

    最初の有効なパスは、デフォルト・ロギングのために使用されます。

    Oracle_base/cfgtoollogs/dbname/upgrade
    Oracle_base/rdbms/log
    /tmp