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データアクセス、レコード共有、およびレコード所有権について

Oracle CRM On Demandでのデータへのアクセスは、次のように、Oracle CRM On Demandでユーザーの役割に関連付けられたアクセス制御コンポーネントによって決まります。

  • 権限。特定のビジネスデータまたは管理データにアクセスできるのは、ユーザーの役割にそのデータに対する権限が付与されている場合です。たとえば、ユーザーの役割に[データルールの管理 - ワークフロールールの管理]権限が含まれる場合は、すべてのワークフロー設定データにアクセスできます。
  • レコードタイプアクセスおよびアクセスプロファイル。特定のレコードタイプのレコードにアクセスするには、次のように、ユーザーの役割およびアクセスプロファイルが適切に設定されている必要があります。
    • トップレベルのレコードタイプの場合は、そのレコードタイプへのアクセス権がユーザーの役割に付与されている必要があります。たとえば、取引先レコードにアクセスするには、ユーザーの役割に[取引先]レコードタイプへのアクセス権が付与されている必要があります。
    • レコードタイプにアクセスするには、アクセスプロファイルが必要です。また、アクセスプロファイルは、アクセス可能なデータに対して実行できる操作も制御します。たとえば、所有者アクセスプロファイルによって、所有する取引先レコードを編集する権限を付与でき、デフォルトアクセスプロファイルによって、所有していないが共有アクセスを使用して表示できる取引先レコードへの読み取り専用権限を付与できます。

      注:次の項で説明するように、アクセスプロファイルは様々なレコード共有メカニズムでも使用されます。

レコード共有メカニズム

ユーザーは、次のレコード共有メカニズムを使用してレコードを共有できます。

  • 企業のレポート階層。たとえば、マネージャは部下のレコードを表示できます。
  • ユーザーの委任。たとえば、ユーザーは、同じレポート階層に属さない別のユーザーにアクセスを委任できます。
  • カスタムブックメンバーシップ。たとえば、様々なユーザーグループに対して、「Hot Deals」と呼ばれるカスタムブックに関連付けられた一連のレコードへのアクセス権を付与できます。
  • チームメンバーシップ。たとえば、取引先レコードの所有者は、任意で一連のユーザーと取引先を共有できます。
  • グループメンバーシップ。グループとは、複数ユーザーの定義済みのチームです。たとえば、グループのメンバーであるユーザーが担当者レコードの所有者になると、同じグループの他のすべてのメンバーも担当者チームに追加されます。グループの詳細は、「グループの管理」を参照してください。

注:ユーザーが数百万件以上のレコードを共有する大企業の場合は、カスタムブックを使用してデータを共有するのが最も効率的なデータ共有方法です。

レコード所有権モード

カスタムブックをサポートするほとんどのレコードタイプについて、企業の管理者はレコードタイプのレコード所有権をユーザーモード、ブックモード、または混合モードに設定できます。企業のポリシー、およびレコードタイプに対して設定された所有権モードに応じて、レコードを直接所有したり、レコード共有メカニズムを使用してレコードにアクセスできます(その両方を組み合せることも可能です)。レコード所有権モードは次のとおりです。

  • ユーザーモード。レコードタイプがユーザーモードに設定された場合、そのレコードタイプの各レコードには所有者を割り当てる必要があります。ユーザーがレコードの[所有者]フィールドに関連付けられると、そのユーザーはレコードを所有します。レコードの詳細ページで[ブック]フィールドが使用可能な場合、[ブック]フィールドには、所有者に関連付けられたユーザーブックが表示されます。
  • ブックモード。レコードタイプがブックモードに設定された場合、そのレコードタイプのレコードには所有者は割り当てられません。かわりに、各レコードにプライマリカスタムブックを関連付ける必要があります。カスタムブックはレコード共有メカニズムの1つであるため、プライマリカスタムブックをレコードに関連付けても、カスタムブックがレコードを所有することにはなりません。プライマリカスタムブックのレコードへの関連付けは、レコードが特定のユーザーに属するのではなく、主としてカスタムブックに属することのみを示します。ブックモードは、レコードが特定のカスタムブックに属することを示すレポートで役立ち、レコードが他のブックとも共有されている場合に複数回カウントされません。
  • 混合モード。レコードタイプが混合モードに設定された場合、そのレコードタイプのレコードは次のいずれかの方法で設定できます。
    • レコードは所有者または関連プライマリカスタムブックのいずれかがなくても設定できます。
    • レコードに所有者を割り当てることができます。
    • レコードにプライマリカスタムブックを関連付けることができます。

カスタムブックスクリプトをサポートしていないが所有者は必要なレコードタイプの場合、サポートの対象となるのは、レコード所有権のユーザーモードのみです。

すべてのレコード所有権モードで、レコードに割当済み所有者と関連プライマリカスタムブックの両方は設定できません。ただし、一部の所有権モードでは、レコードタイプでカスタムブックをサポートしている場合、追加のカスタムブックをレコードに割り当てることができます。

レコードの[詳細]ページに[ブック]フィールドが表示されている場合、そのフィールドには、次のように、ユーザーブックの名前またはレコードのプライマリカスタムブックが表示されたり、空白の場合があります。

  • ユーザーがレコードを所有している場合、[ブック]フィールドには、レコード所有者のユーザーブックの名前が表示されます。
  • ユーザーがレコードを所有していない場合、[ブック]フィールドには、レコードのプライマリカスタムブックが表示されるか、空白の場合があります。

企業の管理者は、レコードタイプに対して特定のフィールドを必須に指定することによって、レコード所有権モードを設定します。企業の管理者は、レコードタイプに対するレコード所有権モードを変更できます。レコード所有権モードの設定については、「レコード所有権モードの設定」を参照してください。

[所有者]および[ブック]フィールドのデフォルト値

新規のレコードページを開くと、[所有者]および[ブック]フィールドの値は、次のように表示されます。

  • レコードタイプがユーザーモードに設定されている場合は、[所有者]フィールドにユーザーのエイリアスが自動的に挿入されます。[ブック]フィールド(存在する場合)には、ユーザーのブック名が自動的に挿入されます。
  • レコードタイプが混合モードに設定されている場合は、[所有者]フィールドおよび[ブック]フィールドのいずれにも値は挿入されません。

    注: カレンダーを使用して作成したアポイントは、レコード所有権モードの通常の動作に対する例外です。カレンダーを使用してアポイントを作成すると、[所有者]フィールドには、レコード所有権モードに関係なく自分の名前が挿入されます。

  • レコードタイプがブックモードに設定されている場合は、次のように動作します。
    • 新規レコードの[所有者]フィールドは入力されません。
    • [ブック]フィールドは、ユーザーレコードのレコードタイプに指定されたデフォルトブックに従って、次のようにデフォルト値が決まります。
      • レコードタイプのデフォルトブックとしてカスタムブックを指定した場合、新規レコードの[ブック]フィールドには、指定したデフォルトブック名が自動挿入されます。
      • レコードタイプのデフォルトブックを指定しなかった場合、あるいはユーザーブックまたは[全ブック]をレコードタイプのデフォルトブックとして指定した場合、新規レコードの[ブック]フィールドは入力されません。[全ブック]の詳細は、「ブックセレクタの使用」を参照してください。

注: レコードタイプが混合モードに設定されている場合でも、ページレイアウトで[所有者]フィールドまたは[ブック]フィールドのいずれかを必須フィールドにできます。[所有者]フィールドが必須の場合、デフォルトでは、新しいレコードページを開いたときに[所有者]フィールドは空白ですが、レコードを保存する前にレコードの所有者を選択する必要があります。レコードの所有者を選択すると、[ブック]フィールドには、レコード所有者のユーザーブック名が表示されます。ページレイアウトで[ブック]フィールドが必須の場合は、レコードを保存する前に、プライマリカスタムブックを選択する必要があります。

レコードタイプに対するレコード所有権モードを変更するときの動作

レコードタイプに対するレコード所有権モードを別のモードに変更するときの動作は次のとおりです。

  • そのレコードタイプの新しいレコードを作成するときは、新しい所有権モードに応じて、レコードの所有者を選択するか、またはプライマリブックを新規レコードに関連付けるように要求されます。
  • 所有権モードを変更した後、最初にレコードを更新するユーザーは、変更を保存する前に、新しい所有権モードに応じてレコードの所有者またはプライマリブックを選択するように要求されます。次の表に、各状況の動作を示します。

    古いモード

    新しいモード

    動作

    ユーザーモード

    ブックモード

    [ブック]フィールドでプライマリカスタムブックを選択するように要求されます。

    ユーザーモード

    混合モード

    [所有者]フィールドで所有者を選択するか、または[ブック]フィールドでプライマリカスタムブックを選択できますが、両方は選択できません。

    ブックモード

    ユーザーモード

    [所有者]フィールドでユーザーを選択するように要求されます。

    ブックモード

    混合モード

    [所有者]フィールドで所有者を選択するか、または[ブック]フィールドでプライマリカスタムブックを選択できますが、両方は選択できません。

    混合モード

    ユーザーモード

    [所有者]フィールドでユーザーを選択するように要求されます。

    混合モード

    ブックモード

    [ブック]フィールドでプライマリカスタムブックを選択するように要求されます。

さらに、レコードタイプに対するレコード所有権モードがユーザーモードから別のモードに変更された後のレコードの更新時に、既存のレコードの所有者がレコードから削除された場合の動作は次のとおりです。

  • レコードタイプがチームをサポートしている場合は、レコードの前の所有者を除き、チームのすべてのメンバーがチームのメンバーとして残ります。この動作は、定義済みグループのメンバーであるチームメンバーの場合と同じです。つまり、レコードの前の所有者を除いて、グループのメンバー全員がチームのメンバーとして残ります。 ただし、[取引先]レコードタイプはこのルールに対する例外になります。取引先の前の所有者が定義済みグループのメンバーである場合は、そのグループのすべてのメンバーがチームから削除されます。定義済みグループのメンバー以外のチームメンバーは、他のレコードタイプの場合と同様に、チームのメンバーとして残ります。

    注: 標準アプリケーションでは、ここで説明されているように、レコードの前の所有者はチームのメンバーとして保持されません。ただし、管理者がレコードタイプを構成して、レコードの前の所有者がレコードのチームのメンバーとして保持されるようにできます。チームのメンバーとして前の所有者を保持するためのレコードタイプの構成の詳細は、「共有レコードの前の所有権のカスタマイズ」を参照してください。

  • すでに所有者が設定されている活動を更新して[所有者]フィールドをクリアすると、その活動は前の所有者のカレンダーに表示されなくなります。ただし、その活動は、ユーザーがレコードの[詳細]ページからアクセスする関連活動のリストには表示されます。ブックメンバーシップを使用してレコードにアクセスできるすべてのユーザー(レコードの前の所有者を含む)は、必要に応じて、オープン活動または完了活動の関連リストに活動を表示できます。

公開日 2017 年 9 月 Copyright © 2005, 2017, Oracle. All rights reserved. Legal Notices.