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Oracle Fusion Middleware Oracle E-Business Suite Adapterユーザーズ・ガイド
12c (12.2.1.2.0)
部品番号E82667-01
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Oracle E-Business Suite Adapterの概要

概要

Oracle E-Business Suiteは、すべてがインターネット上で動作する統合ビジネス・アプリケーションのセットです。Oracle E-Business Suiteは次のツールを提供しています。

Oracle E-Business Suiteは、Oracleアプリケーションと非Oracleアプリケーションのデータを統合し、企業全体で顧客、サプライヤ、パートナおよび従業員を一元的に定義できるようにする、統合情報アーキテクチャ上に構築されます。これにより、現在のパフォーマンス・メトリック、財務比率、損益要約などの情報を取得できるアプリケーションのスイートが提供されます。Oracle E-Business Suiteを非Oracleアプリケーションに接続するには、Oracle Fusion Middleware Oracle E-Business Suite Adapterを使用します。

Oracle E-Business Suite Adapter(旧称Adapter for Oracle Applications)では、Oracle E-Business Suiteに対して包括的、双方向、マルチモード、同期および非同期の接続が備えられているだけでなく、Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのカスタム統合インタフェースを含むOracle E-Business Suiteリリース12とリリース11.5.10のすべてのモジュールもサポートされています。

ヒント: Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのサポートには次の条件があります。

主要機能

Oracle E-Business Suite Adapterは次の機能を提供しています。

アーキテクチャ

Oracle E-Business Suite AdapterはJCA 1.5標準に基づいており、Oracle WebLogic Serverコンテナ内のリソース・アダプタとしてデプロイされます。Oracle E-Business Suite Adapterのアーキテクチャは、テクノロジ・アダプタのアーキテクチャに類似しています。

Oracle E-Business Suite Adapterのアーキテクチャ

図の説明は本文にあります。

テクノロジ・アダプタの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタの理解』を参照してください。

Oracle E-Business Suite Adapterのインストール

Oracle E-Business Suite AdapterとOracle JCAアダプタは、Oracle Fusion Middlewareとともにインストールされます。また、これらのアダプタは、Oracle WebLogic Serverと中間層の両方のデプロイをサポートします。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールと構成』を参照してください。

Oracle Fusion Middlewareとの統合

Oracle E-Business Suite AdapterはOracle Fusion MiddlewareプラットフォームのJCAバインディング・コンポーネントと統合されます。したがって、Oracle BPEL Process Manager(Oracle BPEL PM)やOracle Mediatorなどのサービス・エンジンと統合されます。

Oracle E-Business Suite Adapterでは、Oracle E-Business Suite内に標準Webサービスとしてパブリック統合インタフェースを簡単に公開できます。これらのサービスは、Oracle BPEL PMおよびOracle Mediatorと統合すると同時に、設計時にOracle JDeveloperで作成および構成できます。実行時には、サービスの実行のためにOracle E-Business Suiteの統合フローがOracle WebLogic Serverにデプロイされ、統合が完了します。

設計時

Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle BPEL PMおよびOracle Mediatorと統合すると同時に、Oracle JDeveloperを設計時ツールに使用してSOAコンポジット・アプリケーションを作成し、Webサービス用のWSDLおよびJCAファイルを生成できます。

Oracle JDeveloper BPEL Designerでパートナ・リンクを作成すると、「アダプタ構成ウィザード」が起動し、Oracle E-Business Suite Adapterまたはその他のアダプタを選択および構成できるようになります。データベースとサービス接続を正しく設定すると、Oracle E-Business Suiteインスタンスで利用可能なインバウンドおよびアウトバウンド・インタフェースのリストが機能別に整理されて表示されるため、要件を満たすものを選択します。構成が完了すると、ウィザードはパートナ・リンクのXMLスキーマに対応するWSDLファイルを生成します。

パラメータを割り当ててサービスを起動する必要がある場合は、追加のプロセス・アクティビティがBPELプロセスに追加されます。

実行時

Oracle E-Business Suite AdapterはJCA 1.5仕様に基づいています。BPELプロセス、Mediatorサービスおよびパートナ・リンク定義を含むコンポジット・アプリケーションが、Oracle WebLogic Serverにデプロイされます。JCAバインディング・コンポーネントは、実行時にJCA 1.5標準リソース・アダプタとOracle BPEL Process Managerをシームレスに統合するレイヤーです。JCAバインディング・コンポーネントは、疑似JCA 1.5コンテナとして動作します。

注意: BPEL PMが(EISからJ2EE/BPEL PMへの)インバウンド・イベントを受信できるのは、JCA 1.5統合でのみです。Oracle BPEL Process Managerは、疑似JCA 1.5コンテナとして動作し、JCA 1.5固有のシステム規定を実装します。JCA 1.5リソース・アダプタとBPEL PMインスタンスは、同じOracle WebLogic Serverコンテナにデプロイする必要があります。

SOAコンポジットに含まれているBPELのinvokeアクティビティによって起動されたWebサービス呼出しはJCA CCI(共通クライアント・インタフェース)アウトバウンド相互作用に変換され、JCAレスポンスはWebサービス・レスポンスに変換されます。このエンドツーエンドの呼出しは同期されています。

SOAコンポジット・アプリケーションの実行時テスト

SOAコンポジット・アプリケーションをデプロイしたら、デプロイされたSOAコンポジット・アプリケーションに含まれるBPELプロセスをテストしてインタフェース統合をテストすることで、設計を検証する必要があります。

各統合インタフェースの設計時および実行時の詳細なタスクは、このマニュアルの個別のインタフェースの章の説明を参照してください。

Oracle WebLogic Serverとの統合

Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルなエンタープライズ対応のJavaプラットフォームであり、Enterprise Edition(Java EE)のアプリケーション・サーバーです。そのインフラストラクチャは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づいてアプリケーションを構築するための最適な基盤となり、企業は、堅牢かつ安全で、可用性が高く、スケーラブルな環境にミッション・クリティカルなアプリケーションをデプロイできます。SOAは、アプリケーション・サービスを最大限再利用することを目的とした設計方法論です。

また、Oracle WebLogic ServerはJCAリソース・アダプタをホストするJCAコンテナで構成されます。J2EEサーバーと様々なバックエンド・アプリケーションの統合を簡略化するために、JCAは標準Javaインタフェースを定義しています。すべてのクライアント・アプリケーションは、Oracle WebLogic Server環境内で実行されます。

設計時

Oracle JDeveloperは、アダプタのリクエスト/レスポンス・サービスのWSDLファイルとXMLスキーマ定義(XSD)ファイルを表すWebサービスを作成するために使用されます。

Oracle WebLogic Serverクライアントは、実行時にJCAアウトバウンド相互作用を呼び出すためにこれらのXSDファイルを使用します。

実行時

Oracle E-Business Suite AdapterはJCA 1.5仕様に基づいており、Oracle WebLogic Serverコンテナ内のリソース・アダプタとしてデプロイされます。JCA 1.5仕様は、ライフサイクル管理、メッセージ・インフロー(アダプタ・イベントのパブリッシュ用)および作業管理の規定に対処しています。

Oracle JDeveloperでのOracle WebLogic Serverの使用方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloperでのWebLogic Serverの使用に関する項を参照してください。