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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
12c (12.2.1.2)
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10.1 UNIXでの印刷の概要

この項では、UNIXでOracle Reportsから印刷を行う方法について説明します。また、UNIXとWindowsのプラットフォームにおける主な相違点についても説明します。さらに、任意のアプリケーションから正しく印刷を行うための、オペレーティング・システムに関する要件についても説明します。

10.1.1 全体的な印刷のメカニズム

UNIXでのOracle Reportsによる印刷のしくみを理解するには、Microsoft Windowsの印刷メカニズムと比較して考えるとよいでしょう。Microsoft Windowsでは、アプリケーション・レベルのAPIが、インストールされているプリンタ・ドライバに基づいて様々なタイプのプリンタをサポートします。そしてアプリケーションは、この標準APIを通して様々なプリンタ・ドライバと通信します。たとえば、印刷用紙のマージンを変更する場合、アプリケーションはMicrosoft Windowsの該当するAPIメソッドをコールし、このメソッドが変更内容をプリンタ・ドライバに伝えます。Microsoft Windowsでは、プリンタ・ドライバはプリンタ固有です。つまり、プリンタごとに特定のプリンタ・ドライバをインストールする必要があります。プリンタ・ドライバはプリンタとの通信方法を理解しており、プリンタに出力を送信するアプリケーションにかわってその処理を行います。アプリケーションからは、プリンタのプロパティの参照、プロパティの変更、および標準APIを介した印刷の実行が可能です。

Motifおよびキャラクタ・ベースのUNIXオペレーティング・システムには、Microsoft Windowsと異なり、プリンタに対する独自の標準インタフェースがありません。出力をプリンタへのストリーム・ファイルに送出すること、およびプリンタの仕様に従うことは、個々のアプリケーションの責任において行われます。UNIXプラットフォームでは、Oracle Reportsの出力をストリームとしてプリンタに送信する前に、PostScriptやPCLなどの形式で正しくフォーマットする必要があります。UNIX上で印刷を行うために、Oracle Reportsの内部でMicrosoft Windowsのプリンタ・ドライバの動作と同様の処理が行われます。次の項では、UNIXでのこのメカニズムをさらに詳しく説明します。

10.1.2 UNIXおよびWindowsでのOracle Reportsの印刷メカニズム

図10-1図10-2は、UNIXとMicrosoft WindowsにおけるOracle Reportsの印刷の違いを示したものです。

図10-1 UNIXでのOracle Reportsの印刷

図10-1の説明が続きます
「図10-1 UNIXでのOracle Reportsの印刷」の説明

図10-2 Microsoft WindowsでのOracle Reportsの印刷

図10-2の説明は次にあります。
「図10-2 Microsoft WindowsでのOracle Reportsの印刷」の説明

UNIXで印刷を行うために、Oracle Reportsでは論理プリンタ・ドライバが内部的に作成されます。論理プリンタ・ドライバはMicrosoft Windowsのプリンタ・ドライバの動作をシミュレートするもので、UNIXでのOracle Reportsの印刷サービス・インタフェースとなります。この論理プリンタ・ドライバを通して、Oracle Reportsからプリンタのプロパティにアクセスし、プリンタ関連の操作を実行できます。論理プリンタ・ドライバは、次の処理を行います。

  • 最も一般的な印刷標準である、PostScriptおよびPCLの印刷仕様をサポートします。

  • プリンタ記述ファイル(PPDやHPDなど)を読み取り、プリンタ情報を取得します。

  • PostScriptまたはPCLの出力を生成する際に、様々なプリンタ・コマンドを埋め込みます。たとえば、印刷用紙のマージンを変更するには、生成する出力内に対応するプリンタ・コマンドを書き出す必要があります。このコマンドは、PostScriptプリンタとPCLプリンタのどちらを使用するかによって異なります。生成されたPostScriptまたはPCLのファイルが印刷プログラム(lprなど)を介してプリンタに送信されると、プリンタはこのファイル内のコマンドを解釈し、それに従って処理を実行します。

論理プリンタ・ドライバを正しく動作させるには、次の入力が必要です。

  • 印刷要求のスプールに使用するプリンタ・キューの名前

  • プリンタのプロパティが記述されているプリンタ記述ファイル

  • 指定のプリンタ・キューが要求するドライバのタイプ(PostScriptまたはPCL)

この情報は、uiprint.txtという名前のファイルで指定するには。Oracle Reportsではこのファイルを使用して、印刷に利用できるプリンタ・キューの名前のリストを取得します。uiprint.txtには、プリンタ・キューの名前、キューに必要なドライバのタイプ、ドライバのバージョン、およびそのプリンタでプリンタ・ドライバが特別なプリンタ記述ファイルを必要とする場合はその名前(PostScriptドライバのPPDファイルなど)を指定する必要があります。この情報を基に内部的な論理プリンタ・ドライバが作成され、このプリンタ・ドライバは指定された定義ファイルを使用してプリンタのプロパティにアクセスします。

10.1.3 印刷のサポート

Oracle Reportsは、UNIXの次の印刷標準をサポートしています。

  • PostScriptレベル1および2

  • PCLレベル3

  • ASCII(キャラクタ・モードでの印刷用)

Oracle Reportsでの印刷には、これらのバージョンに対応しているプリンタを使用してください。