Oracle® Fusion Middleware Oracle Data IntegratorのためのSAP ABAP ERPアダプタ・スタート・ガイド 12c (12.2.1.2.0) E82747-01 |
|
前 |
次 |
この章では、実際の例を使用することにより、トポロジを構成する方法について説明します。
このプロジェクトでは、次のソース・データとターゲット・データを統合します。
ソース表のT005TおよびT005UはSAPからの表で、地理情報が含まれています。
ターゲットのW_GEO_DSはOracleデータベース内のディメンション表で、SAPソースからロードする必要があります。この表には、大陸名
、国名
、地域
、都道府県
、郡
、市区町村
、郵便番号
などの地理情報が含まれています。
この章には次の項が含まれます:
次の操作を、Oracle Data Integratorのインストールまたはアップグレードの後に実行します。
トポロジ・マネージャに接続します。
SAP ABAPテクノロジがマスター・リポジトリに存在しない場合は、SAP ABAPテクノロジを「シノニム挿入更新」モードで/impexp
フォルダからインポートします。
マスター・リポジトリのアップグレードを実行します。マスター・リポジトリのアップグレード・プロセスの詳細は、『Oracle Data Integratorのインストールと構成』を参照してください。
トポロジ・マネージャで、JavaBeanShellテクノロジを開き、「言語」タブの一覧にJYTHON言語が表示されていることを確認します。そうでない場合は、追加します。
ファイル・データ・サーバーを作成し、SAPから抽出ファイルがプッシュされて、SQL*Loader用に取り出される先となる既存のFTP/ファイル・サーバーを指すように設定します。FTP転送を使用する場合は、次のパラメータを設定します。共有フォルダ転送を使用する場合は、このデータ・サーバーの設定は関係ありません。
ホスト(データ・サーバー): FTPサーバーのIPホスト名またはIPアドレス。
ユーザー: FTPサーバーにログインするためのユーザー名。
パスワード: ユーザーのパスワード。
「LKM SAP ERP to SQL」で使用する場合、これらの追加のパラメータを構成する必要があります。
JDBCドライバ・クラス: com.sunopsis.jdbc.driver.file.FileDriver
JDBC URL: jdbc:snps:dbfile?ENCODING=UTF8
前述のURLはSAP UNICODEシステム用です。非UNICODEシステムの場合のENCODINGパラメータの詳細は、『Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』のファイル・データ・サーバーの作成に関する項を参照してください。このURLで選択するエンコーディングは、SAPアプリケーション・サーバーで使用するコード・ページと一致する必要があります。
このファイル・データ・サーバーの中に、抽出ファイルのプッシュ先となるファイル・サーバー内のフォルダを表す物理スキーマを作成します。FTP転送を使用する場合は、次の詳細を参照してください。共有フォルダ転送を使用する場合、詳細は、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』の共有ディレクトリを使用した転送(推奨)に関する項を参照してください。
データ・スキーマ: リモートの場所から抽出ファイルのアップロードやダウンロードを行うための、FTPサーバー上のパス。このパスは、SAP ERPシステムからFTPサーバーに抽出ファイルをアップロードする際に使用されます。また、抽出ファイルをダウンロードするリモート・エージェントによって使用されます。このパスにはスラッシュを使用する必要があり、スラッシュ文字で終了する必要があります。
作業スキーマ: FTPサーバーのマシン上のローカル・パス。このパスは、このマシンにインストールされているエージェントが、FTPサーバーを経由せずに抽出ファイルにアクセスするために使用されます。このアクセス方法は、LKM SAP ERP to Oracle (SQLLDR)/ LKM SAP ERP to SQLのFTP_TRANSFER_METHODパラメータがNONEに設定された場合に使用されます。作業スキーマは1つのOSファイル名であるため、スラッシュやバックスラッシュはOSに合せて使用してください。
パス名はスラッシュ/バックスラッシュで終わる必要があります。データ・スキーマと作業スキーマに対して指定されるパス名は、同一でなくてもかまいません。FTPサービスによって/sapfiles
というFTPディレクトリにアクセスできるようにすると同時に、ファイルをローカルに、c:\inetpub\ftproot\sapfiles
に格納することができます。
『Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド』のファイル転送の考慮事項に関する項を参照してください。
対応する「File Server for SAP ABAP」
という論理スキーマが存在しない場合は、作成します。この論理スキーマ名は固定であり、前のステップで作成した物理スキーマにマッピングする必要があります。
この項では、Oracle Data Serverを設定する方法を説明します。Oracle以外のターゲット・データ・サーバーをLKM SAP ERP to SQLとともに使用するように構成する場合は、個別の設定を使用してください。
トポロジ・マネージャに接続します。
「物理アーキテクチャ」ツリー・ビューで、「テクノロジ」ノードを開き、「Oracle」
テクノロジを選択します。
右クリックして「新規データ・サーバー」を選択します。
データ・サーバーの定義を次のように入力します。
「JDBC」タブを選択し、データ・サーバーへのJDBC接続情報を次のように入力します。
使用しているOracleインスタンスの構成に合わせてURLを変更してください。
「テスト接続」をクリックして、このデータ・サーバーへの接続をテストします。
「ファイル」メニューから「保存」をクリックします。
作成したデータ・サーバーを右クリックして、「新規物理スキーマ」を選択します。
表示された「物理スキーマ」ウィンドウで、「スキーマ」と「作業スキーマ」の両方に対してODI_SAP_DEMO
を選択します。
このデータ・サーバー用に定義されたODIの作業スキーマがすでにある場合は、ODI_SAP_DEMO
スキーマのかわりにそのスキーマを使用できます。
「コンテキスト」タブに移動します。
「追加」をクリックし、「論理スキーマ」フィールドに値ODI_SAP_DEMO
を入力します。
「ファイル」メニューから「保存」を選択します。
次の各項目で、SAPソース・サーバーを構成する方法を説明します。
データ・サーバー名を除いて、SAPデータ・サーバーの定義の際に指定するすべてのパラメータはSAP管理者によって提供される必要があります。詳細は、「権限の取得」を参照してください。
SAPアダプタでは、設定および実行処理を行う権限が必要です。付録A「SAP ABAP ERPで必要な権限」に示されている権限のリストを管理者に提供してください。これらの権限は、SAPユーザーがSAPシステムにログインするために必要です。
これらのパラメータの詳細は、「SAP接続情報の収集」を参照してください。
「物理アーキテクチャ」ツリー・ビューで、「テクノロジ」ノードを開き、「SAP ABAP」
テクノロジを選択します。
右クリックして「新規データ・サーバー」を選択します。
データ・サーバーの定義を入力します。このデータ・サーバーのパラメータを次のように設定します。
名前: SAP_ERP
。ODIに表示されるデータ・サーバーの名前です。
ホスト(データ・サーバー): SAP ERPシステムのIPアドレスまたはホスト名。
ユーザー: SAP管理者から提供されたSAPユーザー。
パスワード: このユーザーのSAPパスワード。このパスワードでは大文字と小文字が区別されます。
「フレックスフィールド」タブに、このデータ・サーバーのフレックスフィールド値を設定します。
SAP言語: ログイン時に使用される言語コード。たとえば、英語の場合はEN
、ドイツ語の場合はDE
です。
SAPクライアント番号: SAPでクライアントと呼ばれる自己完結型の単位に割り当てられた3桁の番号。クライアントは、トレーニング、開発、テスト、本番クライアントなどです。また、大企業の個々の部門を表す場合もあります。
SAPシステム番号: Web Application Server (WAS)とも呼ばれるSAPインスタンスに割り当てられた2桁の番号。
SAPシステムID: ランドスケープにおける3文字で一意のSAPシステムの識別子。
SAP文字セット: この文字セットは、SAPシステムがUNICODEシステムではない場合にのみ必要となります。文字セットの完全なリストは、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』のロケール・データに関する項を参照してください。たとえば、クロアチア語のデータの場合はEE8ISO8859P2
です。UNICODEシステムの場合はUTF8
を使用します。
注意: このフレックスフィールドは、"LKM SAP BW to Oracle (SQLLDR)"とのみ使用します。LKM SAP BW to SQLを使用する場合は、非UNICODE SAPシステムの文字セットを、ファイル・ドライバURLの中のENCODINGパラメータを使用して定義してください(「SAP ABAP用のファイル・サーバーの構成」を参照)。 |
SAP ABAPバージョン: SAP ABAPバージョンを次のように入力します。
SAP 4.6Cには46C
と入力します。
SAP 4.7には620
と入力します。
SAP ECC 5.0には640
と入力します。
SAP ECC 6.0には700
と入力します。
SAP BWバージョン& SAP ERPバージョン: SAP ERPコネクタでは使用しません。
「ファイル」メニューから「保存」を選択します。
注意: 「テスト接続」ボタンでのSAP接続定義の検証は、この接続に対してはサポートされません。 |
「物理スキーマ」ウィンドウの「定義」タブは編集しないでください。
「コンテキスト」タブを選択して「追加」をクリックし、論理スキーマ名LOGICAL_SAP_ERP
を入力します。
「ファイル」メニューから「保存」を選択します。