プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス
12c (12.2.1.2.0)
E82683-02
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle Traffic DirectorのWebLogic Scripting Toolの概要

この章では、Oracle Traffic Directorに関連する一般的な構文、使用モード、WLST (WebLogic Scripting Tool)コマンド、共通オプション、変数、セキュリティおよびエラー・メッセージの概要について説明します。

このガイドでは、リリース12.2.1.1.0のOracle Traffic Directorを構成および管理するためにサポートされているカスタムWLSTコマンドをすべて定義します。リリース12.2.1では、Oracle Traffic Directorの管理は共通管理モデル(CAM)上で構築されます。CAMでは、Oracle HTTP ServerやOracle Traffic Directorなどのシステム・コンポーネントがWebLogicドメインに組み込まれます。リリース11gと比べると、Oracle Traffic Director管理サーバーがなくなりました。CAMでは、Oracle WebLogicをインストールし、Oracle WebLogicドメインを作成し、Oracle WebLogic管理サーバーを使用してOracle Traffic Directorを管理する必要があります。

Oracle Traffic Directorでは、Oracle Traffic Directorの構成およびインスタンスを管理するために使用される構成MBeanを介してすべての構成タスクが公開されます。カスタムWLSTコマンドは、これらのMBeanと相互作用するラッパーです。

1.1 コマンドライン・インタフェース

Oracle Traffic Director 12.2.1のコマンドライン・インタフェースは、WLST (Weblogic Scripting Tool)です。WLSTスクリプティング環境は、Javaプラットフォーム用のPython言語の実装であるJythonに基づいています。このツールは、オンラインとオフラインの両方で使用できます。WLSTと様々なオンライン・コマンドおよびオフライン・コマンドの詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』を参照してください。Oracle Traffic Directorには、WLSTを使用して実行できるカスタムWLSTコマンドが同梱されています。

注意:

Oracle Traffic Directorには、Oracle Traffic Directorコマンドに必要な環境およびライブラリを初期化するwlst.shラッパー<oracle_home>/otd/common/bin/wlst.shが同梱されています。Oracle Traffic Directorのカスタム・コマンドはすべて、このwlst.shからのみ実行できます。

1.2 使用モード

次の技術を使用して、Oracle Traffic Directorのカスタム・コマンドを呼び出すことができます。これらのモードでのWLSTの使用に関する詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWebLogic Scripting Toolの使用に関する項を参照してください。

1.2.1 対話方式モード

対話モードでは、WLSTスクリプト・シェルは、WebLogic Serverのインスタンスとの永続的な接続を維持します。Oracle Traffic Directorコマンドを入力し、コマンドライン・プロンプトでレスポンスを表示できます。

# Launch wlst.sh
<oracle_home>/otd/common/bin/wlst.sh
 
# Connect to WLS admin server
> connect('weblogic', 'welcome1',"t3://localhost:7001")
 
# Execute an OTD command - list existing configurations
> otd_listConfigurations()
['origin-server-1', 'test', 'origin-server-2', 'origin-server-3']
 
# Execute another command - get http properties of configuration 'test'
> props={'configuration': 'test'}
> ret = otd_getHttpProperties(props)
> print ret
{'ecid': 'true', 'unchunk-timeout': '60', 'discard-misquoted-cookies': 'true', 'max-request-headers': '64', 'favicon': 'true',
'request-body-timeout': '-1', 'request-header-buffer-size': '8192', 'etag': 'true', 'max-unchunk-size': '8192', 'io-timeout': '30',
'body-buffer-size': '1024', 'output-buffer-size': '8192', 'websocket-strict-upgrade': 'false', 'strict-request-headers': 'false',
'request-header-timeout': '30', 'server-header': None}

1.2.2 スクリプト・モード

スクリプトは、シェル・スクリプトと同様に、対話型入力を必要とすることなくWLSTコマンドのシーケンスを呼び出します。スクリプトは、.pyファイル拡張子の付いたテキスト・ファイルにWLSTコマンドを格納します。

1.2.3 組込みモード

組込みモードでは、Javaコード内でWLSTインタプリタをインスタンス化し、それを使用してWLSTコマンドおよびスクリプトを実行できます。組込みモードでOracle Traffic Directorコマンドを実行するには、次のように、環境を拡張してOracle Traffic Directorコマンドおよびライブラリを含める必要があります。

  1. Javaクラスパスを拡張して<oracle_home>/otd/lib/admin.jarを含めます。
  2. <oracle_home>/otd/common/wlstを指し示すようweblogic.wlstHome Javaシステム・プロパティを設定します。

    例: -Dweblogic.wlstHome=<oracle_home>/otd/common/wlst

  3. Oracle Traffic Directorコマンドを呼び出すためのJavaプログラムを作成します。
    package oracle.otd.wlst;
     
    import weblogic.management.scripting.utils.WLSTInterpreter;
    import org.python.util.InteractiveInterpreter;
     
    public class WLSTClient
    {
       public static void main(String[] args)
       {
           InteractiveInterpreter interpreter = new WLSTInterpreter();
           interpreter.exec("connect('weblogic', 'weblogic1','t3://localhost:1894')");
           interpreter.exec("print otd_listConfigurations()");
       }
    }
    

1.3 リリース11gからの変更点

リリース12.2.1以降、WLSTは、リリース11gのOracle Traffic Directorのtadmコマンドラインと同等です。リリース11gとは異なり、コマンドはスタンドアロン・モードではなくスクリプト・モードでのみ実行できます。コマンドはWLSTのカスタム・コマンド機能として解釈され、ハイフンでつながれず、otd_MixedCaseCommandNameというパターンに従います。たとえば、リリース11gのcreate-configコマンドはリリース12.2.1ではotd_createConfigurationになります。リリース12.2.1では演算子がありません。オプションはすべて、名前/値のペアとしてPythonディクショナリ内のコマンドに渡されます。

1.4 オフライン・コマンド

次のOracle Traffic Director WLSTコマンドは、Oracle Traffic Directorインスタンス/管理サーバーが構成されているホスト上で直接オフライン・モードで実行できます。

1.4.1 オフライン・プロビジョニング

次のコマンドは、Oracle Traffic Directorドメイン・テンプレートを使用してドメインを作成および拡張した後に管理サーバー上でOracle Traffic Directorの構成およびインスタンスを作成および削除できるオフライン・プロビジョニングに対して使用できます。これらのコマンドは、管理サーバーが実行されていることを必要としませんが、管理サーバーが存在するホスト上で直接実行する必要があります。

これらはオフライン・コマンドであるため、変更を適用するためにアクティブ化を実行する必要はありません。これらのコマンドではconfig-storeが直接操作され、変更は管理サーバーが再起動されないかぎり編集セッションに適用されないため、これらのコマンドの実行中はオープンの編集セッションがないことを確認してください。

注意:

前述のコマンドは、readDomainを使用してドメインが読み取られるまではオフライン・モードで呼び出すことはできません。変更を適用するには、コマンドの後にupdateDomainを使用してドメインを更新するようにしてください。

1.4.2 監視

次のコマンドは、OTDインスタンスが存在するホスト上でコマンドを直接実行することにより、インスタンスに関連する統計を監視するために使用できます。

1.4.3 SNMP実行時管理

次のコマンドは、マシンに対応するホスト上でコマンドを直接実行することにより、SNMPサブエージェントを開始/停止するために使用できます。

1.4.4 フェイルオーバー実行時管理

次のコマンドは、OTDインスタンスが存在するホスト上でコマンドを直接実行することにより、フェイルオーバーを開始/停止するために実行できます。

1.5 OTDのカスタムWLSTコマンドの使用

OTDのカスタムWLSTコマンドはすべて、関数の引数として渡されるオプション(存在する場合)とともにjython関数として実装されます。

1.5.1 構文

> <otd_custom_command>(props)または<otd_custom_command>()

1.5.2 WLSTとの使用

特に指示がないかぎり、コマンドは、実行中のサーバーへの接続が必要であるオンラインでのみ実行できます。オフラインとして指定されている場合、コマンドは、Oracle Traffic Directorインスタンスを構成するホスト上で直接実行できます。

Microsoft WindowsシステムでWLSTコマンドにパスを指定する場合は、二重のバックスラッシュのみでパスを指定するようにしてください。たとえば、C:\\newlineです。

1.5.3 引数

コマンドでは、引数を使用しないか、pythonディクショナリを引数として使用します。プロパティはすべて、pythonディクショナリ内のコマンドに名前/値のペアとして渡されますが、この場合、名前と値は両方とも文字列です。

1.5.4 戻り値

特に指示がないかぎり、すべてのゲッター・コマンド(otd_getX)では名前(文字列)/値(文字列)のペアとしてのプロパティとともにpythonディクショナリが返され、セッター・コマンド(otd_setX)および作成/削除ではいずれの値も返されませんが、リスト・メソッド(otd_listX)では名前(文字列)/値(文字列)のペアのpythonディクショナリのリストが返されます

1.5.5 エラー・メッセージ

エラーが発生した場合、すべてのコマンドで、WLSTExceptionとともに、OTD-XXXXX形式の例外メッセージIDおよび説明がスローされます。次に例を示します。

WLSTException: OTD-67853 オブジェクトが存在しません: oracle.otd.admin:type=Configuration,configuration=test1

1.5.6 ルート上でURIマッピングを設定解除/無効化できない

プロパティの値を設定解除するには、必ず「None」を入力してください。空の文字列のままにすると、プロパティの設定が解除されません。

1.6 コマンドのリスト

この項には、で使用されるWLSTコマンドの機能リストが含まれています。この項を使用して、の機能的な役割に基づいて特定のコマンドを検索できます。

1.6.1 プロビジョニング

同じ場所に配置されたドメインまたはスタンドアロン・ドメインをプロビジョニングするためのコマンド。

1.6.1.1 同じ場所に配置されたドメイン

次のコマンドは、同じ場所に配置されたドメインをプロビジョニングするためのコマンドです。

1.6.1.2 スタンドアロン・ドメイン

次のコマンドは、スタンドアロン・ドメインをプロビジョニングするためのコマンドです。

1.6.2 インスタンス管理

次に、インスタンス管理コマンドを示します。

1.6.3 構成デプロイメント

次に、構成デプロイメント・コマンドを示します。

1.6.6 TCPロード・バランサ管理

次に、TCPロード・バランサ管理用のコマンドを示します。

1.6.7 サーバー・プール管理

サーバー・プール管理のコマンド。

1.6.7.1 サーバー・プール

次に、サーバー・プール管理コマンドを示します。

1.6.7.2 ヘルス・チェック

次に、ヘルス・チェック・コマンドを示します。

1.6.7.3 オリジン・サーバー

1.6.7.4 メンテナンス

1.6.8 リスナー管理

リスナーを管理するためのコマンド。

1.6.9 SSL管理

SSLを管理するためのコマンド。

1.6.9.3 暗号

次に、サーバーによってサポートされている暗号を示します。

  • SSL_RSA_WITH_RC4_128_SHA

  • SSL_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_RC4_128_SHA

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_RC4_128_SHA

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA

  • TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA

  • TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA

  • TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256

  • TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA256

  • TLS_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256

  • TLS_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256

  • TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256

  • TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384

1.6.10 ルール管理

ルール管理のコマンド。

1.6.10.2 プロキシ・キャッシュ・ルール

次に、プロキシ・キャッシュ・ルール・コマンドを示します。

1.6.10.3 リクエスト制限ルール

1.6.10.5 コンテンツ・ルール

1.6.11 Webアプリケーション・ファイアウォール(WAF)管理

Webアプリケーション・ファイアウォール(WAF)管理のコマンド。

1.6.11.1 構成

1.6.12 監視

監視のコマンド。

1.6.12.1 ランタイム統計

次に、ランタイム統計の表示用のコマンドを示します。

1.6.12.2 設定/チューニング

1.6.12.3 SNMP構成

次に、SNMP構成用のコマンドを示します。

1.6.12.4 SNMP実行時管理

次に、SNMP実行時管理用のコマンドを示します。

1.6.14 イベント

次に、イベント・コマンドを示します。

1.6.15 フェイルオーバー管理

次に、フェイルオーバー管理コマンドを示します。

1.6.15.2 実行時管理

次に、実行時管理コマンドを示します。

1.6.16 マルチテナンシ(WebLogic Server MTあり)

WebLogic Server MT環境内でOracle Traffic Directorとともに使用するコマンド。