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Oracle® Fusion Middleware Oracle Site Studio Designerの使用
12c (12.2.1)
E67373-01
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1 概要

Oracle Site Studio Designerでは、個人(サイト設計者)がOracle Site Studio Webサイトを作成、設計、管理および配布できる開発環境が提供されます。設計者は、通常、Webマスター、Web開発者、サイト管理者または同様のポジションのユーザーとなります。

この項の内容は、次のとおりです。

1.1 Oracle Site Studioについて

Oracle Site Studioは、強力で柔軟なWeb開発アプリケーション・スイートです。このスイートでは、エンタープライズ規模のWebサイトを包括的な方法で設計、構築および管理できます。Webサイトの作成およびコンテンツ管理をすべて1つにまとめて提供することで、従来のWebサイト開発ソリューションよりも優れたソリューションとなっています。Webサイトに関連付けられたものは、すべてのサイト・アセット(テンプレート、グラフィック、CSSファイルなど)およびすべてのサイト・コンテンツを含めて、すべてコンテンツ・サーバーに格納され、管理されます。Oracle Site Studioを使用すると、生産性が大幅に向上し、組織ではすべての企業サイトにおいて、正確かつタイムリな最新のWebコンテンツを維持し、一貫性のあるブランドとプレゼンテーションを提供できます。Oracle Site Studioを使用すると、サイト・アーキテクチャとプレゼンテーションを一元管理する一方で、コンテンツ開発と継続的なメンテナンスを部署またはその他のチームに分散できます。


注意:

Oracle Site Studio 11g リリース1には、10g リリース4と完全な下位互換性があります。Oracle Site Studio Designer 11g リリース1では、Oracle Site Studio 10g リリース3以前のリリースで作成されたサイトも操作できます。ただし、Oracle Site Studioバージョン10g リリース3以前のリリースで作成されたサイトは引き続きレガシー・モードで動作すること、つまり、Oracle Site Studio 11g リリース1のアーキテクチャおよび機能を利用できないことに注意することが重要です。

1.2 設計者、マネージャ、コントリビュータ

Oracle Site Studioは、Oracle Site Studioの3種類のユーザーである設計者、マネージャおよびコントリビュータを反映した、3つのアプリケーションで構成されています。

Oracle Site Studio Designerアプリケーションでは、個人(サイト設計者)がサイトを作成、設計および配布できる開発環境が提供されます。設計者は、通常、Webマスター、Web開発者、サイト管理者または同様のポジションのユーザーとなります。通常、1人の設計者が複数のマネージャおよびコントリビュータと共同で作業します。

Oracle Site Studio Managerアプリケーションでは、1人以上のサイト・マネージャがサイトの構造をメンテナンスするために使用できる、1つのWebベース・サイト管理コンソールが提供されます。多くの場合、マネージャは課や部門の責任者です。詳細は、Oracle Site Studioの管理を参照してください。

Oracle Site Studio Contributorアプリケーションを使用すると、組織内の割り当てられたユーザー(コントリビュータ)は、Webサイトから直接呼び出すことのできるインライン編集環境の使用を必要とするときはいつでも、Webサイトのコンテンツを更新できます。コントリビュータは、通常は技術部門以外のユーザーであり、マーケティング・チームや販売チームのメンバーである場合があります。詳細は、Oracle Site Studio Contributorの使用を参照してください。

サイトの設計者はほとんどの時間をDesignerアプリケーションでの作業に費やし、主にサイトのプレビューやテストのときにManagerアプリケーションおよびContributorアプリケーションを使用します。マネージャはほとんどの時間をManagerでの作業に費やし、少量の編集を行うときにContributorを使用します。コントリビュータはほぼContributorでのみ作業します。1人のユーザーがWebサイトの設計、管理およびコントリビューションを担当することも可能です(小規模な組織の場合にこのようなケースが当てはまります)。

これらのアプリケーションはそれぞれ独立したアプリケーションですが、相互に緊密に統合されています。Designerで実行したタスクはManagerおよびContributorに影響を与え、Managerで実行したタスクはContributorに影響を与えます。たとえば、Managerフラグメントの設定、Designerでのページへのコンテンツの割当、コントリビュータが使用可能な編集メニューの変更などは、ManagerとContributorの外観および動作に直接影響を与えます。

1.3 Oracle Content ServerとOracle Site Studio

Oracle Content ServerはWebサイトのメイン・リポジトリです。Oracle Content Serverを使用すると、組織内のすべてのユーザーがコンテンツを簡単にコントリビュートし、豊富なライブラリ・サービスを使用してコンテンツを効率的に管理し、任意の場所からコンテンツに安全にアクセスできます。

Universal Content Management (UCM)の一部であるOracle Site Studioには、管理コンテンツ、Idocスクリプト、セキュリティ、ワークフローなど、コンテンツ・サーバーで提供する必要のある多くのビルトイン・サービスが備えられています。コンテンツ・サーバーでOracle Site Studioの管理ページを使用して、Oracle Site Studioに関連するいくつかのタスクを管理できます(第5.19項「Oracle Content ServerでのOracle Site Studioの管理ページ」を参照)。

Oracle Site Studioは、Dynamic Converterや「チェックアウトして開く」などの他のコンポーネントと連携することもできます。これにより、ネイティブ・ドキュメント(Microsoft Word、Excel、PowerPointなど)をユーザーのWebサイトでシームレスに組み込むことができます。Dynamic Converterは、Webサイトに表示されるWebページにネイティブ・ドキュメントを変換するために使用します。「チェックアウトして開く」は、ドキュメントが表示されるWebページから、コンテキスト内のチェックアウト・オプションを直接提供するために使用します。また、このオプションによってネイティブ・アプリケーションが起動され、ファイルが開かれて、ファイルの編集が可能になります。

Oracle Content Serverのフォルダ機能または他の機能を有効にして、コントリビュータがコンテンツをサイトに簡単に送信できるようにすることもできます。Oracle Content Serverとそのアドオンの操作は、Oracle Site Studioを使用してWebサイトを作成および管理する際に役立ちます。詳細は、Oracle Content Serverのマニュアルを参照してください。

1.4 再利用可能なアセットとコンテンツ

ほとんどのWebサイトが、HTMLベースまたはスクリプト・ベースのWebページを1ページ作成することから始めています。サイトのルック・アンド・フィールを設計し、サイト・ナビゲーションを決定します。通常、テキストとグラフィックが混在するコンテンツを最後に追加します。サイトが大きくなると、この最初のページを新しい名前で保存し、今後作成するWebページのテンプレートとして使用し、すべてのWebページを相互に接続します。

このアプローチは機能しますが、Webサイトを全面的に変更する段階になると、サイト上の各ページを個別に編集する必要がある場合があります。このため、大規模Webサイトの多くが、動的インクルードおよびデータベース駆動Webページを使用するモジュール式アプローチを採用しています。これにより、Webブラウザからリクエストがあると、複数のコンテンツがアセンブルされて単一のWebページとして表示されるようになります。したがって、サイト・ナビゲーション、広告、ヘッダーとフッター、および頻繁に変化する情報を一度に更新し、すぐに有効にできます。ただし、そのためには、開発と調整に大変な労力が必要となります。

Oracle Site Studioが似たようなアプローチを採用していますが、レイアウトおよびコンテンツを再利用可能にして、さらに一歩前進したものとなっています。サイト・アセットには、ページ・テンプレート、リージョン・テンプレート、プレースホルダのように、一般的なWebページのバックグラウンド情報(ルック・アンド・フィール)を提供するために使用するものもあれば、リージョン定義や要素定義のように、レイアウトやコンテンツの変更およびフィルタリングが可能で、ページのコンテンツの多くがオープンであるためにコントリビュータがそのページ内で作成や編集ができるものもあります。Webページの各部(コンテンツとレイアウトの両方)を再利用可能にして、ページ・テンプレート自体と同じように、そのアセットを使用し、何度でも再利用できます。

1.5 HCSP、JSPおよびASPでのWebサイト

WebサイトをOracle Site Studioで作成する場合、Oracle Site Studio 11g リリース1のアーキテクチャと機能を活用できるサイト・タイプはHCSPサイトのみであることを認識しておく必要があります。従来の(10g リリース4以前の)サイトは、Oracle Site Studio 11g リリース1を使用しても引き続き以前と同じように動作しますが、古いHCSP Webサイトを変換して11g リリース1のアーキテクチャと機能を活用できるようにすることをお薦めします。ASPサイトとJSPサイトは、従来の(10g リリース4以前の)プロジェクトでも引き続き使用できますが、これらには11g リリース1機能がありません。Oracle Site Studioの以前のリリースを使用した場合と同じように機能します。

以下の点に注意する必要があります。

  • IdocとJSPはいずれもコンテンツ・サーバー環境で実行できるため、「hcsp/jsp」としてグループ化されています(JSPページはJava ServerBeanを使用してIdocサービスを呼び出す)。一方、ASPは単独で存在します。これは、ASPはこのような環境では実行できないためです。

  • Designerの使用中に、Webサイトと同じ言語で記述されていないツールボックスのフラグメントを非表示にできます(第6.11項「その他のオプションの設定」を参照)。

1.6 Oracle Site Studio 11gの新機能および拡張機能

Oracle Site Studio 11g リリース1 (11.1.1)には、以前のリリースと比較して、数多くの新機能や拡張機能が含まれています。

  • 第1.6.1項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.546)との比較」

  • 第1.6.2項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」

  • 第1.6.3項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較」

  • 第1.6.4項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.454および9.0.0.410)との比較」

  • 第1.6.5項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.354)との比較」

  • 第1.6.6項「Oracle Site Studio 10g リリース3との比較」

1.6.1 Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.546)との比較

Oracle Site Studio 11g リリース1には、10.1.4.5.0リリースのOracle Site Studioの機能に加えて、次の拡張機能が含まれています。

セクション・レベル・レプリケーション

Oracle Site Studioでは、Webサイトの特定のセクションをレプリケーションに含めないようにするために、セクションを移動の準備未完了としてマークできるようになりました。これにより、セクションに対して大規模な変更が加えられている間、そのセクションをレプリケーションの準備未完了としてマークできます。セクションがレプリケーションの準備完了になると、Designer、Manager、またはページから直接コントリビューション・モードでプロパティをリセットできます。この機能を有効にした場合、新規セクションを追加したり、セクションでのコンテンツの切替えを実行すると、この値が準備未完了に自動的に設定されます。このため、新規コンテンツは別のサーバーに自動的にレプリケートされません。詳細は、第12.1.11項「Webサイトとセクション・プロパティの表示および編集」を参照してください。

1.6.2 Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較

Oracle Site Studio 11g リリース1には、第1.6.1項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.546)との比較」に示した拡張機能に加えて、次の拡張機能が含まれています。

管理ページからのコントリビュータ・コンソールの有効化

以前のバージョンのOracle Site Studioでは、コントリビュータ・コンソール・ウィンドウを有効にするには、ファイルをあるフォルダから別のフォルダに手動で移動する必要がありました。現在のバージョンでは、管理者ページにボタンがあり、コンソールを有効にする必要があるときは、このボタンを使用するとファイルが移動されます。詳細は、第5.19項「Oracle Content ServerでのOracle Site Studioの管理ページ」を参照してください。

定義のバンドル

Oracle Site Studioでは、関連する定義やテンプレートの集合をバンドルして、他のWebサイトにレプリケートできるようになりました。これにより、個別の定義やテンプレートを手動で再作成しなくても、情報を配置するための特定の方法を構成する定義やテンプレートなどのセットを再利用できます。定義やテンプレートのバンドルは、一まとめとして他のWebサイトにコピーし、使用できます。詳細は、第9.12項「定義のバンドル」を参照してください。

Contributorの新しい外観

Oracle Site Studio Contributorでは、Contributorにおける多くの編集タスクやワークフロー・タスクを最適化する、新しいインタフェースが装備されています。

「編集」メニューのリージョン・コンテンツの削除

Oracle Site Studio Contributorの「コントリビューション・リージョン」メニューに、(Oracle Site Studio Designerで有効化されている場合)リージョン・コンテンツの削除オプションが表示されるようになりました。このオプションにより、コントリビュータは、コンテンツの切替えウィザードを使用することなくコンテンツをすばやく削除できます。

Oracle Site Studioコンポーネントのリセット

Oracle Site Studioでは、コンポーネントの更新の番号付けをリセットできるようになりました。この機能によって、必要に応じて基本のコンテンツ・サーバー・インストールとは独立してインストールの元のアセットを再デプロイできるようになりました。

コントリビューション・モードのURL

URLに/contributor/を追加すると、Oracle Site Studio Contributorのコントリビューション・モードを開くことができます。この方法は、主に、コントリビューション・モードへのサードパーティ・インタフェースを作成する場合に使用されます。URLを使用した方法が動作するためには、コントリビューション・フラグが設定されている必要があります。

ブロック済アセットの読取り専用モード

Oracle Site Studio Designerでは、すでに他の場所で編集用に開かれているサイト・アセットを開こうとすると警告が表示され、読取り専用として開くかどうかを選択できるようになりました。以前は、他のユーザーがアセットを編集している場合には、アセットを開くことができませんでした。

DAMレンディション

コンポーネントがコンテンツ・サーバーにインストールされている場合、Oracle Site Studioはデジタル・アセット管理レンディションと連動するようになりました。

1.6.3 Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較

Oracle Site Studio 11g リリース1には、第1.6.2項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」に示した拡張機能に加えて、次の拡張機能が含まれています。

設計モード

Oracle Site Studioでは、Webサイトを設計者として操作できるようになりました。Oracle Site Studio DesignerでContributorインタフェースを介して使用できるツールの一部が、設計モードで提供されます。この機能は、JDeveloper用のOracle Site Studio拡張を使用している場合に特に有効です。

オンデマンド・エディタ

Oracle Site Studioでは、ページに多数の要素がある場合に、Contributorのロード時間を短縮できるようになりました。オンデマンド・エディタを有効にすると、各要素のデータのプレビューが開きます。要素をクリックしてその情報を編集します。

ページ名の制御

Oracle Site Studioでは、デフォルトのURLページ名をindex.htmから変更できるようになりました。

直接配信

Oracle Site Studioでは、ネイティブ・ドキュメントの直接配信が可能になりました。ネイティブ・ドキュメントをWebページに変換して公開するかわりに、配信してローカル・コンピュータにダウンロードする操作が容易に実行できるようになりました。

1.6.4 Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.454および9.0.0.410)との比較

Oracle Site Studio 11g リリース1には、第1.6.2項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」および第1.6.3項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較」に示した拡張機能に加えて、次の拡張機能が含まれています。

JavaScriptおよびCSS圧縮

Oracle Site Studioでは、Webサイトで使用するCSSおよびJavaScriptを圧縮および連結できるようになりました。この機能を使用すると、Contributorをロードするときにブラウザがダウンロードする必要があるJavaScriptファイルおよびCSSファイルの数とサイズの両方を削減できます。

ワークフロー全承認

Oracle Site Studioでは、ユーザーのワークフロー内のWebページ上に表示されたすべてのアイテムを1回のクリックで承認できるようになりました。

1.6.5 Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.354)との比較

Oracle Site Studio 11g リリース1には、第1.6.2項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」、第1.6.3項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較」および第1.6.4項「Oracle Site Studio 10g リリース4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.454および9.0.0.410)との比較」に示した拡張機能に加えて、次の拡張機能が含まれています。

オンデマンドWebサイト

Oracle Site Studio管理者は、オンデマンドで提供されるようにWebサイトをマークできるようになりました。オンデマンドWebサイトとしてマークされたWebサイトは、Designerでサイトの表示リクエストまたはサイトの編集リクエストが受信されるまでは、コンテンツ・サーバーのメモリーにロードされません。オンデマンドWebサイトを使用すると、ほとんどアクセスされないサイトに対してコンテンツ・サーバーのリソースを確保したままにする必要がなくなり、またコンテンツ・サーバー起動時のロード時間を短縮できます。

コンテンツ・サーバーのWebサイトの管理ページには、「オンデマンドWebサイト」ボタンがあります。このボタンをクリックすると、サイトをオンデマンド・サイトとしてマークできるページが開きます。ユーザーがこのページに初めてアクセスする場合は、リストされているこれらのサイトがオンデマンドとして処理されるまでに若干時間がかかります。

ドメインとフォルダベースのアドレッシングの変更

Oracle Site Studioでは、Webサイトをフォルダとドメインの組合せで識別できるようになりました。以前のバージョンのOracle Site Studioでは、フォルダベースのアドレスまたはドメインベースのアドレスのどちらかを使用する必要がありました。また、管理者は、ドメイン、フォルダ、またはこれらの両方を指定して、Webサイトにマップできるようになりました。詳細は、第7.2項「サイト・アドレッシング」を参照してください。

1.6.6 Oracle Site Studio 10g リリース3との比較

10g リリース4の各リリースと比較して示した拡張機能に加えて、Oracle Site Studio 12c (12.2.1)には、10g リリース3の各リリースと比較して、次の新機能と拡張機能が含まれています。

サイト・アセットおよびサイト・コンテンツの再利用性の向上

Oracle Site Studioでは、サイト・アセットおよびサイト・コンテンツの再利用性を高めるために、内部の徹底的な再設計が行われました。Oracle Site StudioでWebサイトを設計および構築した場合のWebサイトのすべての部分の再利用性が、最大限に高められました。Webサイトの構造もその1つであり、ページ・テンプレート、リージョン・テンプレート、要素定義およびその他の構造コンポーネントが再利用されます。さらに、Webサイトに表示されるコンテンツや情報のあらゆる部分も再利用できます。Webサイトのすべてのアセットは別個に管理されるオブジェクトとなり、部分ごとに使用および再利用できるため、Webサイトのメンテナンスが非常に容易になりました。

ページ・テンプレートでは、再利用できる部分および別個に管理できる部分が増えました。以前のリリースでは、インライン要素のあるレイアウト・ページを使用していました。ページ・テンプレートでは、Webページ上でプレースホルダを使用して、サイト・コンテンツを編集または置換する場所を定義するようになりました。

Webページの各部分をページ・テンプレート、プレースホルダ、サブテンプレートおよびリージョン・テンプレートで構成でき、それぞれを対応する定義で使用して、特定部分の特定の実装を変更できます。

個別管理のサイト・アセットの追加

再利用性を向上させるために、Oracle Site Studioでは個別に管理されるサイト・アセットの数が大幅に増えました。新しいアセットは次のとおりです。

  • 要素定義: 要素タイプの編集操作を定義するファイル。特に、コントリビュータが要素を編集するときに実行できる処理が指定されます。

  • リージョン定義: リージョン内で使用可能な要素定義を定義するファイル。リージョンを含むページがContributorで開かれた場合、このファイルによって、編集環境を構成する要素が決定されます。リージョン定義では、コントリビュータがコントリビューション・リージョンで使用可能な、コンテンツの作成および切替えオプションも指定されます。

  • プレースホルダ定義: 関連付けられたプレースホルダに許可されているリージョン定義、リージョン・テンプレートおよびサブテンプレートを定義するファイル。プレースホルダでコントリビュータが実行できる処理も指定されます。

  • ページ・テンプレート: Webページのレイアウトと高レベルのルック・アンド・フィールを定義する、完全に形成されたHTMLファイル。コントリビューション・リージョン(ページの編集可能な領域)、ナビゲーション・ツール(フラグメント形式)、サイト全体にわたるイメージ(バナーなど)の配置も含まれます。ページ・テンプレートは最高レベルのサイト設計オブジェクトです。

  • リージョン・テンプレート: Webページ内のコントリビューション・リージョンのデータのレイアウトおよびルック・アンド・フィールを定義する、部分HTMLファイル(つまり、ヘッダー・セクションおよびボディ・セクションがない)。

  • サブテンプレート: ページ・テンプレート上のプレースホルダに挿入して、独自のプレースホルダとコントリビューション・リージョンを持つさらに小さくて再利用可能な領域にページ・テンプレートを分割できる、部分HTMLファイル(つまり、ヘッダー・セクションおよびボディ・セクションがない)。

  • カスタム構成スクリプト: コントリビュータがカスタマイズされた編集操作を実行できるようにするJavaScriptファイル。デフォルトのContributorエディタ構成よりも優先されます。

これらの新しいサイト・アセットは、次に示すOracle Site Studioの以前のリリースのサイト・アセットに追加されました。

  • コントリビュータ・データファイル: Oracle Site Studioによって生成されるXMLフォーマットのコンテンツ・ファイル。コントリビュータ・データファイルは、Oracle Site Studio Contributorアプリケーションを使用して編集します。

  • ネイティブ・ドキュメント: Microsoft Wordのような使い慣れたサード・パーティアプリケーションを使用して作成されたコンテンツ・ファイル。ネイティブ・ドキュメントは、Dynamic Converterを使用してHTML形式に変換し、対応するアプリケーションを使用して編集します。

  • イメージ: 企業バナーや製品イメージなど、コンテンツ・ファイルまたはページ・テンプレートに含まれているグラフィック・ファイル(JPG、GIF、PNG)。

  • スクリプト: 一連の実行可能コマンドを提供するJavaScriptファイル。スクリプトは、Webページに追加機能を提供するために使用されることも多くあります。

  • カスケード・スタイルシート(CSS): ページ・コンテンツの表示方法(具体的には、ヘッダーやリンクなど様々なHTML要素をページに表示する方法)を制御するためのファイル。多くの場合、CSSファイルへのリンクはページ・テンプレートに埋め込まれるため、テンプレートに基づくすべてのWebページにフォーマット・ルールが適用されます。

  • カスタム要素フォーム: カスタム要素は、要素で使用するカスタム・フォーム(たとえば、特定のファイル・タイプを選択するフォーム)を定義する、カスタマイズ可能なHTMLファイルです。Oracle Site Studioには、複数の事前定義済カスタム要素フォームが同梱されています([CS-Dir]\custom\SiteStudio\support内)。これらを使用すると、完全にカスタマイズされた編集操作を作成でき、それを通常のOracle Site Studio要素であるかのようにContributorフォームに配置できます。カスタム要素フォームは、Oracle Site Studioコンポーネントのインストール時にコンテンツ・サーバーにもチェックインされます。

  • 検証スクリプト: 一定の最大長さを超えていないこと、不正な文字が含まれていないことなど、データが要件を満たしているかどうかを判断するための要素データの検証ルールを定義するJavaScriptファイル。

  • フラグメント・ライブラリ: (たとえば、動的ナビゲーション・ツールまたは標準ページ・フッターの追加によって) Oracle Site StudioのWebサイトの機能を向上させるコードのチャンク(フラグメント)のコレクション。

  • マネージャ構成設定: Oracle Site Studio Managerで使用可能な機能を定義するファイル。Site Studio Managerは、指定されたユーザー(サイト・マネージャ)がWebサイトの構造を変更できるようにするWebベースのツールです。

  • 変換定義: Webサイト上のネイティブ・ドキュメントの変換ルールを指定するファイル。

  • その他のメディア: Webサイト上で使用できるその他すべてのメディア・ファイル。Flashアニメーション、ビデオ・ファイル、オーディオ・ファイルなどがあります。

詳細は、第3章「Oracle Site Studio Webサイトの理解」、第8章「テンプレートの操作」、第9章「定義の操作」、第10章「コンテンツ・ファイルの操作」および第11章「スクリプトとフォームの操作」を参照してください。

新しいデフォルトのContributorエディタ

Oracle Site Studio Contributorで、FCKeditorがデフォルト・エディタとして使用されるようになりました。

Contributorアプリケーションの詳細は、Oracle Site Studio Contributorの使用を参照してください。

要素としての静的リストおよび動的リスト

静的リストと動的リストが要素になり、要素定義を使用して容易に実装および変更できるようになりました。Oracle Site Studioの以前のバージョンでは、リストはフラグメントでした。

カスタム要素の追加

Oracle Site Studioの今回のリリースでは、カスタム要素の種類が増えています。データ駆動のWebサイトの多くには、ブールや整数などコンテンツを制御する値が含まれています。カスタム要素が増えたことによって、設計者およびコントリビュータは、より多くのデータ制御の形式を使用できるようになっています。Oracle Site Studio Designerには、複数の事前定義済カスタム要素フォームが同梱されています([CS-Dir]\custom\SiteStudio\support内)。これらのフォームは、Oracle Site Studioコンポーネントのインストール時にコンテンツ・サーバーにもチェックインされます。

カスタム構成スクリプト

Oracle Site Studioで、エディタのカスタマイズにカスタム構成スクリプトが使用されるようになりました。設計者は、特定のビジネス・ニーズに合わせてContributorインタフェースを変更できます。

詳細は、第11章「スクリプトとフォームの操作」を参照してください。

コンテンツの切替えウィザード

コンテンツの変更がウィザードで処理できるようになりました。このウィザードにより、サイト・アセットのサイトでの使用および再利用が容易になります。ウィザードを使用して、他のコントリビュータ・データファイル、ネイティブ・ドキュメントまたはサブテンプレートに切り替えることができます。

詳細は、第12.3項「コンテンツの切替えウィザードを使用したコンテンツの割当て」を参照してください。

リンク・ウィザード

リンク・ウィザードが使いやすく再設計されました。このウィザードを使用することにより、リンクの作成が容易で迅速になり、各種のリンク・フォーマットやリンク・ターゲットを選択できます。

詳細は、第12.4項「リンクの操作」を参照してください。

設計環境により緊密に統合されたダイアログ・ボックス

サイト・アセット定義および構成用のダイアログ・ボックスが、サイトの設計環境にさらに緊密に統合されました。各ダイアログ・ボックスは、設計領域でタブとして表示できます。

詳細は、第5.6.1項「ダイアログとタブの比較」を参照してください。

1.7 アクセシビリティ機能

Oracle Site Studioは、オラクル社のアクセシビリティ・ガイドラインに準拠しています。多くの領域でアクセシビリティ機能が提供されています。

  • 第1.7.1項「コンテキスト・メニュー」

  • 第1.7.2項「Windowsの標準のキーボード・ショートカット」

  • 第1.7.3項「Oracle Site Studio Designer固有のキーボード・ショートカット」

  • 第1.7.4項「フラグメントおよびアクセシビリティ」

1.7.1 コンテキスト・メニュー

Oracle Site Studio Designerには、アプリケーションの現在のコンテキストに関連するオプションを表示するコンテキスト・メニューがあります。たとえば、コントリビューション・フォルダが選択された状態では、このフォルダに特定のコンテキストにおいて適用されるオプションが表示されます。コンテキスト・メニューを表示するには、Designerでツールボックスまたはワークスペースを右クリックするか、キーボードの該当するメニュー・キーを押します。

1.7.2 Windowsの標準のキーボード・ショートカット

Oracle Site Studioは、Windowsの標準のキーボード・ショートカットをほとんどサポートしています。次に例を示します。

  • [Ctrl]+[C]: コピー

  • [Ctrl]+[X]: 切取り

  • [Ctrl]+[V]: 貼付け

  • [Del]: 削除

  • [F2]: 名前の変更

  • [Tab]: 次のアイテムへの移動

  • [Space]: チェック・ボックスの選択または選択解除

  • [Alt]+[F]: メニュー・ツールバーの「ファイル」セクションを開く

これらはキーボード・ショートカットの一部にすぎません。Windowsのナビゲーションで使用するキーボード・コマンドのセットは、Oracle Site Studio Designerでも使用します。ただし、第1.7.3項「Oracle Site Studio Designer固有のキーボード・ショートカット」に示すショートカットは、Windowsの標準のキーボード・ショートカットとは動作が異なります。

1.7.3 Oracle Site Studio Designer固有のキーボード・ショートカット

次のショートカットは、Oracle Site Studio Designerの様々な領域で使用されます。

  • ワークスペース画面:

    • [Ctrl]+[Tab]: 開いているドキュメント間を移動します。

    • [Ctrl]+[PgUp][Ctrl]+[PgDn]: 特定のドキュメントの「ソース」タブ、「設計」タブおよび「プレビュー」タブの間を移動します。

    • [1]: フォームの列にエントリがあるサイト・アセット(たとえば、WYSIWYG要素)内では、[1]を押すと最初の列が選択されます。

    • [2]: フォームの列にエントリがあるサイト・アセット(たとえば、WYSIWYG要素)内では、[2]を押すと2番目の列が選択されます。

    [Tab]キーは、ソース・コードを操作する場合と、他のエントリを操作する場合とで動作が異なります。ソース・コードを操作している場合は、[Tab]を押すと、テキストの位置を合せるためにタブが挿入されます。他のエントリ・フォームを操作している場合は、[Tab]を押すと、次のセクションに移動します。

  • Designerのペイン:

    • [Ctrl]+[Tab]: 1つのペイン(たとえば、「セクション・プロパティ」ペイン)内のセクション間を移動します。

    • [Ctrl]+[Shift]+[Tab]: 可能な場合に、アイテムをアルファベット順またはグループ別にソートします(たとえば、「プロパティ」ペイン内)。

    • [Enter]: 「セクション・プロパティ」内では、[Enter]を押すと、フォーカスがテキスト・エントリに移動します。[Shift]+[Enter]を押すと、テキスト・エントリを終了して、プロパティ名にフォーカスが戻ります。

    • [Shift]+[Enter]: フォーカスがセクション・プロパティにあるが、特定のプロパティのテキスト・エントリにフォーカスがない場合は、[Shift]+[Enter]を押すと、「追加情報」ボタンをクリックできます。

  • ダイアログ:

    • [Esc]: フォーム・エントリがあるダイアログ・ボックス(フラグメント・エディタなど)では、[Esc]を押すと、フォームに入力して情報を変更できます。

    • [Shift]+[Esc]: フォーム・エントリがあるダイアログ・ボックス(フラグメント・エディタなど)では、[Shift]+[Esc]を押すと、フォームを終了して、テキスト・エントリ外にフォーカスが移動します。

    さらに、リスト・コントロールがあるダイアログ・ボックスでは、コンテキスト・メニューを使用してリスト内で追加、削除または移動を行うことができます。

  • リンク・ウィザード:

    リンク・ウィザードはWebページとして動作します。矢印キーを押しても階層内は移動できません。[Tab]を押して選択するアイテムに移動し、[Enter]を押して選択します。また、[Tab]を押してラジオ・ボタン・グループに移動し、[Enter]を押してボタンを選択することもできます。

1.7.4 フラグメントおよびアクセシビリティ

Designerでは、2つの方法でフラグメントにアクセスできます。フラグメント・ツールボックスはDesignerにあるペインです。ただし、このツールボックスにはマウスを使用しないとアクセスできません。

アクセシビリティを完全に確保するために、フラグメントは「フラグメントの選択」ダイアログからアクセスできます(第A.81項「「フラグメントの選択」ダイアログ」を参照)。このダイアログ・ボックスは、他のダイアログ・ボックスと同様にメニューから開くことができ、キーボードを使用してナビゲートできます。

1.8 システム要件

Oracle Site Studio Designerアプリケーションのシステム要件は、次のとおりです。

  • Windows XP (SP2以上)、Windows Vista (SP1以上)、Windows 2003 Server (SP2以上)、Windows 2003 Server R2、Windows Server 2008 (SP1以上)、Windows 7オペレーティング・システム。32ビット・システムと64ビット・システムの両方がサポートされています。

  • Oracle Site Studioコンポーネントを実行するOracle Content Server 11g リリース1または10g リリース3インスタンスへのアクセス。

  • Microsoft Internet Explorer 7以上(結果として出力されるWebページを表示する場合は、Microsoft Internet Explorer 7以上またはMozilla Firefox 1.0.7以上を使用できます)。