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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter ContentのためのXDSコネクタの構成

12c (12.2.1.2.0)

E82802-01
 

 

Oracle® Fusion Middleware

Oracle WebCenter ContentのためのXDSコネクタの構成

12c (12.2.1.2.0)

E82802-01(原本部品番号:E47922-01)

2016年10月

このドキュメントでは、Cross Enterprise Document Sharing (XDS)を構成および有効化して、WebCenter ContentをXDSリポジトリとして使用する方法について説明します。

XDSの使用について

Cross Enterprise Document Sharing (XDS)は、Integrating The Healthcare Enterprise (IHD)イニシアティブで使用されている標準で、ドキュメントを作成する医療機器(MRI装置など)とコンテンツ・リポジトリとの通信の強化に役立ちます。XDS仕様の詳細を含む、イニシアティブの詳細は、http://wiki.ihe.netを参照してください。

XDSは、次の要素から構成されるデータ交換仕様で、標準的なSOAPベースのWebサービスを使用して相互に通信します。

  • 患者アイデンティティ・ソース: ユーザー識別に使用されるアイデンティティ管理。

  • ドキュメント・レジストリ: 医療ドキュメントのメタデータの格納および検索に使用されます。このレジストリの場所は、WebCenter Content XDSコネクタの構成時に設定されます。

  • ドキュメント・コンシューマ: 医療コンテンツの表示に使用されるWebインタフェース、または他のタイプのビューア。

  • ドキュメント・ソース: 医療コンテンツの作成元。一般的には、医療イメージを作成するX線装置またはMRI装置です。ドキュメントの一意IDは、ドキュメント・ソースによって提供されます。WebCenter Contentでは生成されません。

  • ドキュメント・リポジトリ: 医療コンテンツの格納に使用されるコンテンツ・リポジトリ。

コンプライアンスのため、Audit Trail and Node Authentication (ATNA)に準拠するサーバーにアクティビティを記録する必要があります。

WebCenter Content XDSコネクタを使用すると、XDS交換において、Oracle WebCenter Contentとコンテンツ・サーバーをリポジトリとして使用できるようになります。

WebCenter Content XDSコネクタが使用可能な場合、WebCenter Contentのリポジトリにドキュメントがダウンロードされます。このダウンロードは、ドキュメント・ソースによって提供される一意なXDS固有のドキュメントIDに基づいて実行されます。

WebCenter Content XDSコネクタは、別のXDSレジストリとの統合が必要なXDSリポジトリです。レジストリのみを対象とするコールは実装されません。Provide and Register Document Set-bなど、レジストリとリポジトリの両方を必要とするコールでは、WebCenter ContentをXDSリポジトリとして使用します。また、メタデータ用にリモートXDSレジストリを使用します。

WebCenter Content XDSコネクタは、ドキュメント・ソースからのリクエストをリスニングし、次の2つのアクションのいずれかを実行します。

  • メタデータと一緒にドキュメントを格納: ドキュメントが格納され、そのメタデータが中央ドキュメント・レジストリに転送されます。

  • ドキュメントを格納: ドキュメントとその一意IDが格納されます。

次の図に、XDSデータ交換システムにおける一般的な情報の流れを示します。

WebCenter Content XDSコネクタの設計

XDSリポジトリは、次の2つのWeb Service Description Language (WSDL)ドキュメントで指定されています。

  • XDS.b_DocumentRepository.wsdl

  • XDS-I.b_ImagingDocumentSource.wsdl

これらのWSDLには、次のXDS互換のWebサービス用の実装要件が記載されています。

  • XDS.b Provide and Register Document Set-b [ITI-41]

  • XDS.b Retrieve Document Set [ITI-43]

  • XDS-I.b Provide and Register Image Document Set [RAD-68]

  • XDS-I.b Retrieve Imaging Document Set [RAD-69]

XDS.b Register Document Set-b [ITI-42]レジストリ・サービスは同梱されていますが、実装されません。この実装はXDSレジストリのサービス・コールをサポートしていませんが、XMLファイルにメタデータをバンドルしてから、イメージ・ドキュメントと一緒にWebCenter Contentにチェックインすることで、Provide and Registerリクエストからのメタデータを格納します。つまり、XDSレジストリの内容を損失した場合は、WebCenter ContentのXDSリポジトリを使用して全履歴をリストアできます。

Imaging Document Source [RAD-68]によって送信されたProvide and Registerトランザクション用のWSDL定義は、[ITI-41]のXDS.b Document Sourceによって送信されたトランザクションと変わらないことに注意してください。

次の図に、WebCenter Content XDSコネクタがWebCenter Contentリポジトリとどのように連携して情報を格納するかを示します。

WebCenter Contentの構成

WebCenter Content XDSコネクタをWebCenter Contentと一緒に使用するには、プロファイルとローカル・ユーザーを作成する必要があります。

プロファイルを作成する前に、カスタム・メタデータ・フィールドxXdsDocUidを作成しておく必要があります。このメタデータ・フィールドは、XDSドキュメントの一意IDの格納に使用されます。

プロファイルの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージメント』のプロファイルの作成、編集または削除に関する項を参照してください。ユーザーの追加の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの管理』のユーザーのタイプ、ログインおよび別名の管理に関する項を参照してください。

次の手順では、ローカル・ユーザーの作成手順について説明します。

注意:

次のテキストでは、サンプル名が使用されています。必要に応じて他の名前を使用できます。

  1. WebCenter Contentで次のメタデータ・フィールドを作成してから、これらのフィールドのデフォルトの導出値を設定します。
    • xXdsDocUidメモ・フィールド。これは、ProvideAndRegisterサービス・リクエストで渡される、XDSソースからの一意IDです。

    • xXdsDocGuidメモ・フィールド。これは、このドキュメント用に自動生成されたグローバル一意IDです。

    • xXdsDocMimeTypeロング・テキスト・メタデータ・フィールド。これは、ドキュメントのMIMEタイプです。

    • xXdsDocHashロング・テキスト・メタデータ・フィールド。これは、ドキュメントのハッシュであり、ファイルの16進数エンコード形式のSHA1ダイジェストです。

  2. xIdcProfileTriggerトリガー・リストに、xdsDocumentという名前のトリガーを作成します。
  3. xdsDefaultsという名前のプロファイル・ルールを作成します。
  4. xdsDocumentという名前のコンテンツ・プロファイルを作成します。そのプロファイルにxdsDefaultsルールを追加します。このルールでは、システムにチェックインされるすべてのXDSドキュメントに対してデフォルト・メタデータ値を設定します。たとえば、セキュリティ・グループ(publicなど)、コンテンツ・タイプ(documentなど)に対して導出値を設定する必要があります。
  5. xdsUserという名前の新しいローカル・ユーザーを作成します。
  6. XDSドキュメントへのコントリビューションおよびXDSドキュメントのダウンロードに十分な権限をxdsUserに付与します。たとえば、ユーザーに、Publicセキュリティ・グループへの読取り/書込みのアクセス権を付与します。
  7. WebCenter Content Serverのconfig.cfgファイルのIntradocServerPort変数を設定して、管理サーバーを介した直接アクセスを使用可能にします。
    IntradocServerPort=4444
    

    config.cfgファイルは一般的に、次のような場所にあります。

    FMW_HOME\user_projects\domains\base_domain\ucm\cs\config

WebCenter Content XDSコネクタのWARファイルの構成

WebCenter Contentへの接続方法に関する情報は、web.xmlファイルのこのWARファイルにバンドルされています。

本番デプロイメントでは、デプロイメント・プランを使用してWARファイルを変更してください。開発インストールでは、これらの変更を手動で行えます。

ucm/Distribution/XDSディレクトリでWeb Application Archive (WAR)ファイルを検索します。

次の手順では、ファイルの構成手順について説明します。

  1. ucmxds.warファイルを解凍します。
  2. WEB-INFディレクトリに移動し、編集するweb.xmlファイルを開きます。次の情報を編集します。
    • UcmUrl値を、WebCenter ContentへのRIDC接続文字列に変更します。これは、RIDCがサーバーへの接続情報を特定する際に使用する、IdcURLである必要があります。次の形式で指定します。

      idc://servername:port
      
    • グローバル一意XDS IDを使用していることを確認します。XdsRepositoryUid値を、このXDSリポジトリの一意IDに変更します。次に例を示します。

      1.3.6.1.4.1.21367.13.40.92
      
    • XdsRegistryEndpoint値を、ご使用のXDSレジストリのWebサービス・エンドポイントをポイントするように変更します。XDSレジストリが設定されていない場合、次のパブリック・レジストリをテストに使用します。

      http://ihexds.nist.gov:12080/tf6/services/xdsregistryb
      
    • ATNAロガーへのURLを設定します。AtnaRepositoryURIを、ATNAロギング・エンドポイントをポイントするように変更します。次に例を示します。

      syslog://localhost:514
      
    • 問題が発生した場合のログの出力先であるATNAサーバーのユーザーを設定します。AtnaSystemUserIdを、ロギングの実行システムのIDに変更します。次に例を示します。

      ucmxds@example.com
      
  3. (オプション)「WebCenter Contentの構成」で説明されているように、WebCenter Contentで別の名前のXDSユーザー、XDSプロファイルまたはプロファイル・トリガーを構成した場合は、web.xmlファイルで次の変数を変更する必要があります。
    • UcmUser: XDSによるコンテンツ・サーバーへの接続に使用されるユーザーID。前の項では、これはxdsUserとして指定されました。

    • UcmXdsProfileValue: XDSコンテンツをコンテンツ・サーバーにチェックインするときに使用されるプロファイル値。たとえば、xdsDocです。

    • UcmXdsProfileField: プロファイル・トリガーの格納に使用されるコア・メタデータ・フィールド。たとえば、xIdcProfileまたはxProfileTriggerです。

    • UcmCgiURL: UCMサーバーのHttpCgiURLパラメータ。たとえば、http://my.server.name:16200/cs/exampleです。

    • TracingEnabled: UCMに詳細トレースを送信する場合はTrueに設定します。この変数はデプロイメントのテスト時には有用ですが、本番ではFalseに設定する必要があります。詳細は、「WebCenter Content XDSコネクタの有効化および使用」を参照してください。

アプリケーションのデプロイ

WARファイルを構成した後に、アプリケーションをデプロイします。このドキュメントは、読者がOracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ・プロセスに精通していることを前提としています。

  1. 管理者としてログインし、WebLogic管理サーバーを起動します。
  2. 左側のナビゲーション領域で「デプロイメント」をクリックします。
  3. ucmxdsがすでにインストールされている場合は、それを選択して「削除」をクリックします。
  4. 「インストール」をクリックします。
  5. ファイルのアップロードをクリックします。
  6. デプロイメント・アーカイブが要求されたら、ucmxds.warファイルを参照して「次へ」をクリックします。
  7. 「次」を再度クリックします。
  8. 「このデプロイメントをアプリケーションとしてインストールする」をクリックし、「次へ」をクリックします。
  9. アプリケーションをデプロイするWebCenter Content Serverを選択し、「次へ」をクリックします。
  10. デフォルトを受け入れ、「終了」をクリックします。
  11. アプリケーションが、ご使用のサイトの検証メソッドを使用して実行されていることを確認します。

WebCenter Content XDSコネクタの有効化および使用

WebCenter Content XDSコネクタ自体にはユーザー・インタフェースはありません。これは、使用されるサービス用のSOAP Webサービス・エンドポイントで、WSDLへのURLを提供するJava Server Page (JSP)です。最初の概要Webページには、現在の構成に関する情報と設定手順のサマリーが表示されます。

WebCenter Content XDSコネクタと統合するには、XDS互換のエージェントが必要です。このエージェントは、WebCenter Content XDSコネクタのSOAPエンドポイントにポイントする必要があります。次の例のように、XDS.bと互換性のあるリポジトリ用およびXDS-I.bと互換性のあるリポジトリ用に、1つずつエンドポイントが存在します。

http://example.com:13200/ucmxds/DocumentRepositoryB
http://example.com:13200/ucmxds/ImagingDocumentSource

これらの場所は、WARファイルのデプロイ方法に応じて変わります。デプロイメント後は、ルート・ホーム・ページにこれらのエンドポイントへのリンクが表示されます。

トレースを有効にして、コンポーネントを監視できます。トレースを有効化する手順は次のとおりです。

  1. コンテンツ・サーバーに管理者としてログインします。
  2. 「管理」「システム監査情報」の順に選択します。
  3. 「xds」を選択し、標準または詳細のいずれかのトレース・タイプを選択します。

トレースは、UCMXDSアプリケーションのデプロイ時にTracingEnabledフラグをTrueに設定したときに有効になります。詳細は、「WebCenter Content XDSコネクタのWARファイルの構成」を参照してください。

ドキュメントのアクセシビリティについて

Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc)を参照してください。

Oracle Supportへのアクセス

サポートを購入したオラクル社のお客様は、My Oracle Supportを介して電子的なサポートにアクセスできます。詳細情報は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info)か、聴覚に障害のあるお客様は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs)を参照してください。


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