DIVAnet は分散型アプリケーションであり、複数のシステムにインストールされることがよくあります。DIVAnet のインストール先となるシステムおよびサーバーと、インストールする特定の DIVAnet サービスについて理解するには、第2章を参照してください。
DIVAnet に接続された各 DIVArchive サイトでは、DIVArchive 7.3.1 以降が実行されている必要があります。
DIVAnet は、64 ビット Windows プラットフォームまたは 64 ビット Oracle Linux プラットフォーム (リリース 7 以降) にインストールできます。DIVAnet は、DIVArchive と同じホームディレクトリ、またはそれ独自のディレクトリのいずれかにインストールできます。
Windows コンピュータの場合、DIVAnet インストーラで管理者権限が必要になります。Linux コンピュータの場合、DIVAnet インストーラで diva
という名前のユーザーが必要になります。
デフォルトでは、DIVAnet インストーラは、DIVAnet サービスファイル、DIVAnetUI、互換性のある 64 ビット Java 8 Java Runtime Environment (JRE) のインストールを処理します。DIVAnet はインストールされた JRE を実行用に使用します。DIVAnet データベースのインストールには、Oracle Database 11g リリース 2 以降 (Oracle 12c を推奨) が必要です。DIVAnet システム上に Oracle SQLPLUS (Oracle 11 以降のクライアントソフトウェア) が直接インストールされている必要があります。
DIVAnet を再インストールする場合は、DIVAnet コンポーネントが実行中でないことを確認します。
DIVAnet データベースをインストールする場合、upgradeDb
スクリプト (DIVAnet のアップグレードを参照) を実行してデータベースを最新のリリースに更新する必要があります。
DIVAnet は Windows または Oracle Linux 7 オペレーティングシステムのいずれかにインストールできます。以降のサブセクションで、各プラットフォームへのインストールについて説明します。
DIVAnet を Windows 環境にインストールするには、次の手順を使用します。
管理者権限のあるアカウントを使用して、DIVAnet インストーラの実行可能ファイル DIVAnet_V2.2.version.exe
を起動します。
目的のコンポーネントを選択し、「Next」をクリックします。
ターゲットディレクトリにまだインストールしたことがない場合は、「Java」を選択します。
DIVAnet ユーザーインタフェースをインストールするだけの場合は、「DIVAnet Services」の選択を解除します。
ターゲットのインストールディレクトリを指定します。これは DIVAnet ホームディレクトリになります。次に、「Install」をクリックします。
注記:
DIVArchive インストールディレクトリを DIVAnet ホームディレクトリとして使用できます。ただし、DIVAnet をそれ独自のディレクトリにインストールすることをお勧めします。Linux で実行する場合は、diva
というユーザーと divanetsvc
というユーザーを作成する必要があります。divanetsvc
ユーザーは、diva
が所有するファイルの書き込み、読み取り、および実行権限を持っている必要があります。diva
ユーザーは、Linux systemctl
コマンドに対する sudo
権限を持っている必要があります。インストールは、diva
ユーザー、admin
ユーザー、または root
として実行する必要があります。ソフトウェアをインストールする前に、diva
ユーザーを作成する必要があります。インストールの前に、diva
および divanetsvc
ユーザーを作成するためのオプションがインストーラに表示されます。
DIVAnet を Linux 環境にインストールするには、次の手順を使用します。
ターミナルセッションを開いて、DIVAnet リリースの親ディレクトリに移動します。
DIVAnet インストールパッケージ (たとえば、DIVAnet-2.2-RELEASE.sh
) をこのディレクトリ内に配置します。インストーラにより、DIVAnet をこの親ディレクトリの子サブディレクトリにインストールできるようになります。
次のコマンドを使用して、DIVAnet のインストールを開始します。
sh ./DIVAnet-2.2-RELEASE.sh
ソフトウェアをインストールする前に、前提条件である diva
および divanetsvc
Linux ユーザーを作成するためのオプションがインストールウィザードに表示されます。これらのユーザーがすでに存在しており、正しいアクセス権が割り当てられいる場合は、再作成する必要はありません。
ユーザーが存在しない場合、インストールは続行されません。ユーザーがすでに存在している場合、またはユーザーを作成したあとは、DIVAnet ソフトウェアをインストールするためのオプションを選択します。
インスールディレクトリの指定が求められたら、Enter を押して DIVAnet
というデフォルトのサブディレクトリを使用するか、カスタムのサブディレクトリ名を指定してから Enter を押してインストールディレクトリを作成します。
DIVAnet インストールプロセスが開始され、指定されたターゲットディレクトリ内にすべてのファイルとフォルダが抽出されます。
次のセクションでは、インストールを完了するために必要になることがある追加の手順について説明します。詳細については、第2章を参照してください。
DIVAnet データベースを作成するには、最初に DIVAnet の Oracle データベースユーザーとテーブルを作成し、次に DIVArchive サイトを構成します。
この手順では、実行中の Oracle サーバー上に存在することになる DIVAnet データベーステーブルを作成します。この手順は、DIVAnet の完全インストール (第2章を参照) を行う場合にのみ必要です。
SQL 作成スクリプトを実行するには、DIVAnet をインストールするシステムに SQLPlus (Oracle 11 g 以降のクライアントソフトウェア) がインストールされている必要があります。sqlplus ユーティリティーへのパスがシステム上の PATH
環境変数に指定されていることを確認してください。
コマンド行ウィンドウまたはターミナルシェルを開きます。ディレクトリを DIVAnet ホームディレクトリ (DIVAnet がインストールされているディレクトリ) に変更します。
ディレクトリを Program/Database/divanet/Install
に変更します。
次のコマンドを実行します。
Windows:
create_divanet_user.bat
{sys_password} {user_name} {user_password} {oracle_tns_name}
Linux:
create_divanet_user.sh {sys_password} {user_name} {user_password} {oracle_tns_name}
前のコマンドで、syspassword は Oracle システムパスワード、user_name は DIVAnet テーブルを含む Oracle ユーザー名/スキーマ名、oracle_tns_name はインストールに使用する DIVAnet データベース用の Oracle TNS 名です。データベース用の TNS 名が定義されていない場合、次のセクションを参照して TNS 名をリアルタイムで作成できます。
DIVAnet データベーススキーマを削除するには、次の手順を実行します。
注意:
これにより、DIVAnet データベース内のすべてのデータが削除されます。ディレクトリを Program/Database/divanet/Install
に変更します。
次のコマンドを実行します。
Windows:
delete_divanet_user.bat {sys_password} {user_name} {oracle_conn_string}
Linux:
delete_divanet_user.sh {sys_password} {user_name} {oracle_conn_string}
前のコマンドで、syspassword は Oracle システムパスワード、user_name は DIVAnet テーブルを含む Oracle ユーザー名またはスキーマ名、oracle_conn_string は使用する DIVAnet データベースの Oracle TNS 名またはインストール用の Oracle 接続文字列 (次のセクションを参照) です。データベース用の TNS 名が定義されていない場合、次のセクションを参照して、スクリプトの追加および削除で使用するための Oracle 接続文字列を作成できます。
データベース用の TNS 名が定義されていない場合、Oracle 接続文字列を指定できます。この文字列の形式は次のとおりです。
netaddress:port/remote_servicename
ここでは:
netaddress: データベースが実行されるネットワークアドレス
port: クライアントが接続可能なポート
remote_servicename: Oracle リモートサービス名。これはローカルで使用されるサービス名とは異なります。DIVA Oracle データベースインストールパッケージのデフォルトは lib5.world
です。完全な接続文字列の例は 183.34.34.67:1521/lib5.world
です。
DIVAnet テーブルが作成されたあと、DIVAnet データベース内の DIVA サイトを構成する必要があります。次のように addSites
スクリプトを実行して、データベース内のサイトを構成します。
DIVAnet のホームディレクトリに変更してから、Program/divanet/bin
サブフォルダに移動します。
addSites
スクリプトを実行します。
Windows: addSites.bat
Linux: addSites.sh
このスクリプトは、ユーザーがサイト名レコードを追加し、サイト名、場所、およびコメントを構成する作業を、順を追って案内します。サイトへのネットワーク接続は、ClientAdapter 構成ファイル内に構成されます (第4章を参照してください)。物理的な場所、またはサイトの機能のいずれかがわかりやすく、それを反映するサイト名を作成してください。
注記:
この手順で指定するサイト名は、ローカルとリモートの両方の DIVAnet サービスを構成するときに使用されます。addSites
スクリプトを実行する前に、目的のサイト名に一貫性があり一致していることを確認してください。コマンドの実行中に間違えた場合は、addSites
スクリプト内からサイトを論理的に削除できます。サイト名がデータベース内に追加されたら、DIVAnet のインストールを続行できます。構成する必要がある DIVAnet サービスを判別するには、第2章を参照し、各サービスを構成する方法を詳しく確認するには、第4章を参照します。
DIVAnet ホームディレクトリの下の Program/conf/divanet/templates
サブディレクトリには、構成する必要がある各 DIVAnet サービスのためのテンプレート構成ファイルがあります。各テンプレートファイルには .ini
拡張子が付いています。各ファイルを取得し、親ディレクトリ (この場合は Program/conf/divanet
) にコピーする必要があります。各ファイルをコピーするとき、.ini
拡張子を削除するようにしてください。
各 .ini
ファイルの上部に、使用可能なパラメータのドキュメントがあります。DIVAnet サイトごとに、ManagerAdapterConfig.xml
を構成します。DIVAnet の完全インストールの場合、ClientAdapterConfig.xml
ファイルと DBSyncConfig.xml
ファイルも構成する必要があります。
パラメータの多くはデフォルト値のままにしてもかまいません。Program/conf/divanet/wrapper
フォルダ内の構成ファイルは何も変更する必要がありません。divaEnv.conf
ファイルにオプションで情報を追加できます (詳細については、「構成ファイルへのスクリプト変数の追加」を参照してください)。
注記:
このドキュメントを読んでもデフォルトから変更するべきパラメータが不明な場合は、Oracle Support にお問い合わせください。インストールして構成する必要があるサービスを確認するには、第2章を参照してください。
構成ファイルが正しく設定されたあと、DIVAnet サービスをインストールして起動します。すべてのサービスを各 DIVAnet サイトにインストールするには、次の各ステップを実行します。
DIVAnet サービスを Windows 環境にインストールするには、次の手順を使用します。
DIVAnet ホームディレクトリ (DIVAnet がインストールされている場所) に変更します。
Program/divanet/bin
フォルダに移動します。
インストールされるサービスのラッパー構成ファイルを指定して、InstallDivanetService.bat
スクリプトを実行します。たとえば、ManagerAdapter サービス (DIVAnet に接続する Manager が実行されるすべてのサイトに必要) をインストールするには、次のコマンドを実行します。
InstallDivanetService.bat ../../conf/divanet/wrapper/ManagerAdapterWrapper.conf
ClientAdapter サービスの場合、同じコマンドと同じパスを使用しますが、ファイル名を ClientAdapterWrapper.conf
に置き換えます。
DbSync サービスの場合、ファイル名 DBSyncWrapper.conf
を使用します。
Windows の「サービス」ウィンドウには、次の DIVAnet サービスが 1 つ以上表示されます。
Divanet ManagerAdapter
Divanet ClientAdapter
Divanet DbSync
サービスは任意の順序で起動できますが、DbSync サービスおよび ManagerAdapter サービスの両方が開始されたあと、データベース同期プロセスが自動的に開始されることに注意してください。ClientAdapter サービスを開始して、新しい DIVAnet 接続と API 処理が実行できるようにしてください。
DIVAnet サービスを Linux 環境にインストールするには、次の手順を使用します。
ターミナルセッションを開いて、Program/divanet/bin
ディレクトリに移動します。
divanetservice
スクリプトを実行して、目的のサービス (DbSync、ClientAdapter、または ManagerAdapter) をインストールします。たとえば、ClientAdapter をインストールするには、次のコマンドを入力します。
./divanetservice install ClientAdapter
Linux DIVAnet サービスの作成後は、次のコマンドを使用して管理します。
操作 |
コマンド |
---|---|
すべてのサービスの一覧表示 |
|
サービスの起動 |
|
サービスの停止 |
|
サービスの再起動 |
|
サービスのインストール |
|
サービスのアンインストール |
|
service_name
パラメータは、DbSync
、ClientAdapter
、または ManagerAdapter
にできます。DIVAnet サービスは、標準 Linux システム V systemctl
コマンド構文を使用して管理することもできます。Linux コマンドプロンプトで man systemctl
と入力すると、systemctl
コマンドの詳細を確認できます。
DIVAnet アプリケーションでは主に次に示す 2 種類のログが生成されます。
トレースログ — Program/log/divanet
サブフォルダ内の DIVAnet ホームディレクトリ内に配置されます。各 DIVAnet サービス (ManagerAdapter、DbSync、ClientAdapter) は、Program/log/divanet
フォルダの下に独自のサブフォルダを作成し、そのサブディレクトリ内にサービスのログファイルを生成します。
ラッパーサービスログ — アプリケーションが正しく開始したことを確認するためにこれらを最初に調査します。これらのログは、DIVAnet ホームディレクトリ内の Program/log/divanet
サブフォルダにあります。これらには Wrapper.conf
ファイルに似た名前が付けられますが、.log
というファイル拡張子が付きます (例: ManagerAdapterWrapper.log
)。
DIVAnet の構成でもっとも一般的なエラーはサイト名の指定のエラーです。DIVAnet ネットワーク内のすべての DIVA サイトでは、同じサイト名のセットが使用される必要があります。サイト名は、すべての構成ファイル内と DIVAnet データベース内で一貫性がある必要があります。LocalSitename パラメータが、すべてのサービス構成ファイルに正しく構成されている必要があります。
DIVArchive のソース/宛先も検査する必要があります。たとえば、デフォルトでサイト diva1 のソース/宛先の名前がサイト diva2 のものと同じである場合、DIVAnet はこれらが物理的に同じソース/宛先を指しているものとみなします。2 つの異なる DIVArchive サイトで同じソース/宛先の名前が構成されている場合、DIVAnet はこれらのソース/宛先が同じ場所を参照するものと判断します。
DbSync サービスが開始されると、ManagerAdapter サービスに連絡することによって、アーカイブ済みオブジェクト情報を同期しようとします。次に ManagerAdapter サービスは、接続先の DIVArchive サイトからアセット情報を取得します。したがって、同期を開始する準備ができた場合のみ DbSync サービスおよび ManagerAdapter サービスを起動する必要があります。
注記:
DbSync サービスを停止した場合、サービスを再起動すると、同期は中断した場所から再開されます。DivanetAdmin コマンド行ツールはデータベース同期のステータスをサイトごとにモニターします。DIVAnet が特定サイトの初期同期を実行している場合は、その初期同期操作の完了率が表示されます。サイトが最新状態である場合、DivanetAdmin はサイトが同期されていることを示します。
DivanetAdmin はサイトを再同期するためにも使用できます。この操作には、以前同期されたすべてのアーカイブ済みオブジェクトレコードをサイトから削除し、オブジェクトレコードをソースから再同期する操作が含まれます。これは、ソース DIVA データベースが古いデータベースバックアップから予期せず復元された場合など、まれな状況でのみ使用します。
初期同期、または再同期のあとに gather_schema_stats
スクリプトを実行すると、ただちにパフォーマンスを向上できます。詳細は次のセクション、DIVAnet のアップグレードを参照してください。
新しいバージョンの DIVAnet へのアップグレードを試みる前に、既存の DIVAnet ホームディレクトリのバックアップを作成することをお勧めします。また、アップグレードを試みる前に、サーバーで実行中の DIVAnet サービスまたはプログラムを停止する必要もあります。DIVAnet ソフトウェアをアップグレードするには、次の手順を使用します。
「DIVAnet ソフトウェアのインストール」セクションの手順に従います。これにより、DIVAnet ホームディレクトリに最新の DIVAnet ソフトウェアがインストールされます。
DIVAnet データベースを含むシステムをアップグレードする場合は、DIVAnet データベースのアップグレードユーティリティーを実行する必要があります。このユーティリティーを実行するには、ディレクトリを Program/divanet/bin
に変更し、次のコマンドを実行します。
Windows: ./upgradeDb.bat
Linux: ./upgradeDb.sh
このスクリプトでは、DIVAnet データベースについての入力 (データベースのユーザー名と、データベースが存在する場所のネットワークアドレスを含む) が求められます。このユーティリティーにより、必要なデータベースオブジェクトが追加または変更されます。データベースがすでに最新のリリースにアップグレードされている場合、スクリプトは単純に成功を返します。
DIVAnet データベースを含むシステムを DIVAnet 2.2 にアップグレードする場合は、gather_schema_stats
スクリプトを実行する必要があります。このスクリプトは、(必要に応じて) データベースの統計を収集する毎週のジョブをインストールし、その後すぐに現在の統計を収集します。このスクリプトでは、Oracle sys
パスワードが必要になります。このスクリプトを実行するには、ディレクトリを Program/Database/divanet/Install
に変更し、次のように実行します。
Windows の場合:
./gather_schema_stats.bat {divanetDbUser} {sysDbPassword} {oracleConnectionStr}
Linux の場合:
./gather_schema_stats.sh {divanetDbUser} {sysDbPassword} {oracleConnectionStr}
たとえば Linux では、次のように実行します。
./gather_schema_stats.sh divanet sysDbPass3 127.0.0.1:1521/lib5.world