外部プロシージャは、異なる言語で書かれたプログラムから起動されるプロシージャです。Oracle Databaseでは、外部プロシージャをサポートするためにextproc
という外部プロシージャ・エージェントが使用されます。Oracle R Enterpriseでは、埋込みRの実行をサポートするためにextproc
が使用されます。
アプリケーションから外部プロシージャが起動されると、Oracle Databaseによってextproc
エージェントが起動されます。アプリケーションからは、Oracle Databaseによって確立されたネットワーク接続を使用して、プロシージャを実行するための指示がエージェントに送られます。エージェントでは、DLLや共有ライブラリがロードされ、外部プロシージャが実行され、外部プロシージャから戻された値がアプリケーションに戻されます。
Oracle R Enterpriseでは、extproc
のデフォルト構成が使用されます。
extproc
エージェントはOracle Databaseによって直接生成され、listener.ora
もtnsnames.ora
も構成を変更する必要はありません。extproc
をデータベース・リスナーに構成すると、デフォルト設定がオーバーライドされます。
デフォルトでは、extproc
によってあらゆる外部プロシージャの呼出しがサポートされています。Oracle R Enterprise用の外部プロシージャの呼出しのみを許可する場合は、ORACLE_HOME/hs/admin/extproc.ora
のEXTPROC_DLLS
環境変数を編集します。
LinuxまたはUNIXシステムでは、次の文によってOracle R Enterprise用の外部プロシージャのみが実行されるようにEXTPROC_DLLS
が設定されます。
SET EXTPROC_DLLS=ONLY:$ORACLE_HOME/lib/ore.so
extproc
にあらゆる外部プロシージャの処理を許可するには、EXTPROC_DLLS
をANY
に設定するか、または単に空白のまま(デフォルト)にします。
R-3.3.0以降では、Linux 6の場合、$ORACLE_HOME/hs/admin/extproc.ora
のLD_LIBRARY_PATH
をR-core-extra RPMの場所に設定する必要があります。これにより、これらのライブラリは、extproc
を実行中のOracleプロセスに検出されます。例えば、R-core-extra RPMのデフォルトの場所は/usr/lib64/R/port/Linux-X64/lib
です。そこでのextproc.ora
エントリは次のとおりです。
SET LD_LIBRARY_PATH=/usr/lib64/R/port/Linux-X64/lib
Linux 7では、LD_LIBRARY_PATH
を設定する必要はありません。これらのライブラリの必要なバージョンがLinux 7のシステムのネイティブであるためです。
注意:
extproc.ora
の変更を有効にするには、データベースの再起動が必要です。関連項目:
詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』の外部プロシージャのデフォルト構成に関する説明を参照してください。
データベース構成に問題が存在する場合、Oracle R Enterprise埋込みR関数のコールでエラーが発生します。
Oracle R Enterprise埋込みR関数のコールの試みで、次のエラーが発生した場合、外部プロシージャが成功していません。。
ORA-28575: unable to open RPC connection to external procedure agent.
このエラーは、データベース構成の問題で発生することがよくあります。この原因として、次のいずれかが考えられます。
Oracle R EnterpriseユーザーにRQADMINロールが付与されていません。
Oracleリスナーが実行されていません。
Oracleリスナー構成が正しくありません。デフォルトの外部プロシージャ構成(使用をお薦めします)を使用しない場合に発生します。
ネットワーク層の制限または問題が存在します。
外部プロシージャの制限が強制的にコールされました。