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Oracle® Fusion Middleware Oracle Helpによるヘルプ・システムの開発
12c (12.2.1.3.0)
E90225-01
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5 メタデータ・ファイル

この章では、OHJおよびOHWで使用する、メタデータ・ファイル(ヘルプセット・ファイルとマップ・ファイル)について説明します。メタデータ・ファイルには、ヘルプ・システムの構造および操作に関する情報が含まれます。

この章の内容は次のとおりです。

5.1 メタデータ・ファイルについて

メタデータ・ファイルは、ヘルプセット・ファイルとマップ・ファイルの2つのタイプにカテゴリ分けできます。どちらのファイルも、XMLファイルです。

5.2 ヘルプセット・ファイル

ヘルプセット・ファイルは、拡張子.hsのXMLファイルで、ヘルプセットに関するプロジェクトレベルの情報で構成されています。たとえば、ヘルプセットに使用される他の制御ファイル(マップ、目次、索引、関連リンクおよび検索など)を指し示します。これらの参照は、Oracle Helpがユーザー・インタフェースの構築に使用するナビゲーション・ビューのセットの定義に一部使用されます。

ヘルプセット・ファイルは、次の要素とその子要素で構成されています。

5.2.1 <helpset>要素

ヘルプセット・ファイルのコンテンツ全体は、単一の<helpset>要素内に含まれます。つまり、ヘルプセット・ファイルは<helpset>で開始し、</helpset>で終了する必要があります。ヘルプセット・ファイルで許可される<helpset>要素は1つのみです。

5.2.2 <title>要素

<title>要素は、ヘルプセットに名前を割り当てます。次に例を示します。

<title>API Reference</title>

特定の条件下では、このタイトルは、ヘルプセットの名前としてOracle Helpユーザー・インタフェースに表示されます。たとえば、ヘルプセットを連結するのではなく、マージされたヘルプセットのリストを表示するようにOracle Helpを実装した場合、ヘルプセットのドロップダウン・リストにタイトルが表示されます。

5.2.3 <maps>要素

<maps>要素は1つ以上のマップ・ファイルを指し示します。これらのファイルは、トピックIDとトピック・ファイルのマッピングに使用されます。<maps>要素には、次の子要素があります。

表5-1 <maps>の子要素

要素 説明

<mapref>

このブックのマップ・ファイルの場所。複数のマップ・ファイルが指定されている場合、これらのファイルはマージされます。各<mapref>項目が順に検索され、マージされたマップが構築されます。<mapref>要素の属性は、次のとおりです。

  • location: ヘルプセットを基準にしたマップ・ファイルの相対URL。

  • class: (オプション)その場所がマップ・ファイルのベースの場所となるクラス。location属性のすべてのパス情報は、このベースの場所を基準とした相対パスとなっています。

<homeID>

一部の状況でヘルプセットのデフォルト・トピックとして使用されるトピックのID(マップ・ファイルで定義されています)。つまり、OHJの起動時にトピックが指定されていない場合、デフォルトでこのトピックが表示されます。<homeID>要素は、次のOHJ実装の場合にのみ機能します。

  • OHJドキュメント・ビューア(OHJとともにインストールされます)。

  • ナビゲータ・ウィンドウとトピック・ウィンドウがデフォルトでドッキングされるようOHJが実装されている場合。

<homeID>要素は、OHWでは使用しません。


次に例を示します。

<maps>
  <mapref location="main_map.xml"/>
  <mapref location="tutorial/tut_map.xml"/>
</maps>

5.2.4 <wintype>要素

<wintype>要素は、トピック(サイズ、画面の配置、テキストの色、背景色など)を表示する際にOHJで使用可能な1つ以上のウィンドウの特徴を定義します。OHJユーザー・インタフェースでのこの表示については、第2.2項「OHJのトピック・ウィンドウ」を参照してください。


注意:

OHWでは、<wintype>要素が認識されません。また、トピックがWebブラウザに直接表示される場合にもこの情報は無視されます。

ヘルプセット・ファイルには、任意の数(ウィンドウ・タイプごとに1つ)の<wintype>セクションを含めることができます。<wintype>タグの有効な属性は、次のとおりです。

  • default: trueの場合、現在のウィンドウ・タイプが、トピック・ファイルでウィンドウ・タイプが指定されていないときに使用されるデフォルトのウィンドウ・タイプになります。falseの場合、現在のウィンドウ・タイプはデフォルトではないため、マップ・ファイルに明示的にリストしていない場合は使用されません。デフォルトの属性がない場合、この値はfalseとみなされます。

<wintype>要素の子要素は、次のとおりです。

表5-2 <wintype>の子要素

要素 説明

<name>

このウィンドウ・タイプの名前。この名前は、トピックをウィンドウ・タイプに関連付ける場合に使用されます。ヘルプセットに複数のウィンドウが定義されている場合は、各ウィンドウが一意の名前を持っている必要があります。

<height>

ウィンドウの高さ。数値はピクセル単位の長さを示します。数値の後にパーセント記号(%)が続く場合は、表示される画面における割合を示します。

<width>

ウィンドウのピクセル単位の幅。数値はピクセル単位の長さを示します。数値の後にパーセント記号(%)が続く場合は、表示される画面における割合を示します。

<x>

ウィンドウの水平位置。数値はピクセル単位の長さを示します。負の値はウィンドウの右端から画面の右端までの距離を示します。数値の後にパーセント記号(%)が続く場合は、表示される画面における割合を示します。

<y>

ウィンドウのピクセル単位の垂直位置。数値はピクセル単位の長さを示します。負の値はウィンドウの下端から画面の最下部までの距離を示します。数値の後にパーセント記号(%)が続く場合は、表示される画面における割合を示します。

<textfg>

ウィンドウのテキストの前景色を示す6桁の16進数RGB値。値の前に#がある場合がありますが、無視されます。すべてのトピックについて、HTMLトピック・ファイルまたはCSSで指定されている前景色が、この値より優先されます。

<linkfg>

ウィンドウのリンクの前景色を示す6桁の16進数RGB値。値の前に#がある場合がありますが、無視されます。すべてのトピックについて、HTMLトピック・ファイルまたはCSSで指定されているリンクの色が、この値より優先されます。

<bg>

ウィンドウの背景色を示す6桁の16進数RGB値。値の前に#がある場合がありますが、無視されます。すべてのトピックについて、HTMLトピック・ファイルまたはCSSで指定されている背景色が、この値より優先されます。

<title>

ウィンドウのタイトル・バーに表示されるテキスト。

<toolbar>

ウィンドウのツールバーに表示されるボタンを定義します。次のいずれか1つ以上の合計である5桁の16進数値。

  • 00004: ツールバーのデフォルト・ボタンを無効にします。

  • 00040: 現在のURLを表示するURLアドレス・フィールドを追加します。

  • 00400: 「ナビゲータ」ボタンを追加します。

  • 02000: 「印刷」ボタンを追加します。

  • 04000: 「戻る」ボタンおよび「進む」ボタンを追加します。

  • 08000: 「検索」ボタンを追加します。

  • 10000 –: 「ドッキング」ボタンおよび「ドッキング解除」ボタンを追加します。

値の前に#がある場合がありますが、無視されます。


HTMLトピック・コンテンツ・ファイルで指定される属性は、常に、ヘルプセットの<wintype>セクションで指定される属性よりも優先されます。

次の<wintype>要素は、チュートリアル・トピックに使用されるウィンドウを定義しています。

<wintype default=false>
  <name>Tutorial</name>
  <height>50%</height>
  <width>200</width>
  <x>10</x>
  <y>10</y>
  <textfg>000000</textfg>
  <linkfg>0000cc</linkfg>
  <bg>ffffff</bg>
  <title>Tutorial</title>
  <toolbar>06004</toolbar>
</wintype>

この例の定義内容は、次のとおりです。

  • ウィンドウ・タイプの名前は、Tutorialです。このウィンドウは、デフォルトの高さが画面の高さの50%で、デフォルトの幅が200ピクセルです。

  • ウィンドウは、画面の上部と左側から10ピクセルずつ離れたところに表示されます。

  • ウィンドウの背景色は白、テキスト色は黒、リンクの色は青で表示されます。

  • ウィンドウのタイトル・バーには、Tutorialと表示されます。

  • ウィンドウのツールバーには、「印刷」ボタン、「戻る」ボタンおよび「進む」ボタンが表示されます。

5.2.5 <links>要素

<links>要素は、複数のターゲットをリンクIDに関連付けるために使用されるリンク・ファイルを1つ以上ポイントします。リンク・ファイルの詳細は、第6.6項「リンク・ファイル」を参照してください。

<links>要素の子要素は、次のとおりです。

表5-3 <links>の子要素

要素 説明

<linkref>

このブックのマップ・ファイルの場所。複数のマップ・ファイルが指定されている場合、これらのファイルはマージされます。各<linkref>項目は順番に検索され、マージされたリンク・データベースが構築されます。<linkref>には次の属性があります。

  • location: ヘルプセットを基準にしたリンク・ファイルの相対URL。

  • class: (オプション)その場所がマップ・ファイルのベースの場所となるクラス。location属性のすべてのパス情報は、このベースの場所を基準とした相対パスとなっています。


次に例を示します。

<links>
  <linkref location="linkfile1.xml"/>   
  <linkref location="linkfile2.xml"/>   
</links>

5.2.6 <view>要素

<view>要素は、Oracle Helpでナビゲーション・ビューをレンダリングする方法を指定します。ナビゲーション・ビューとは、ナビゲーション制御ファイルのデータ(TOC、索引および検索など)に加えて、それらのファイルを検索するためのユーザー・インタフェース制御を表すものです。Oracle Helpには、標準タイプのビューをレンダリングするJavaクラスが含まれています。各タイプのビューは、その独自のアコーディオン・パネル(デフォルトでは「目次」「索引」および「検索」パネル)で表示されます。

ヘルプセットには、各タイプのビューを複数含めることができます。つまり、ユーザー・インタフェースは、複数のTOCタブ、索引タブなどを表示できます。Oracle Helpでは、同じタイプのビューをマージすることもできます。これを行うには、同じラベルで同じタイプのビューをすべてマージします。タイプとラベルが同じビューは次のようにマージされます。

  • TOCビューはまとめて追加されます。

  • 索引ビューは、ソート順にマージされます。

  • 索引ビューは、順不同でマージされます。すべての検索結果がユーザー・インタフェースでソートされるため、順序は関係ありません。

<view>要素の子要素は、次のとおりです。

表5-4 <view>の子要素

要素 説明

<label>

ユーザー・インタフェースのナビゲータ・タブに表示されるラベル。このラベルはオプションです。ラベルが指定されていない場合、Oracle Helpでは、該当するタブに「目次」、「索引」および「検索」が使用されます。<label>要素の属性は、次のとおりです。

  • image: (オプション)イメージ・ファイルに関連付けられているマップ・ファイル内のID。イメージは、ナビゲータ・タブのラベル・テキストの横に表示されます。

<title>

ビューのタイトル。タイトルは、ナビゲーション・ビューごとに異なる場所に表示されます。

  • TOCのタイトルは、トップレベル・ノードのタイトルとして表示されます。TOCファイル(またはマージされている場合は複数のTOCファイル)のすべてのトップレベル・ノードは、このタイトル・ノードの下に配置されます。TOCビューのタイトルが指定されていない場合、TOC定義のすべてのトップレベル・ノードがTOCビューのトップレベル・ノードとして表示されます。

  • 検索ビューおよび索引ビューのタイトルは、検索の結果として、または索引項目の選択によってリストされたトピックのソースの場所として表示されます。検索ビューまたは索引ビューのタイトルが指定されていない場合、ソースの場所は空白になります。

titleタグの属性は、次のとおりです。

  • image: (オプション)イメージ・ファイルに関連付けられているマップ・ファイル内のID。目次ビューに対して指定すると、イメージは、トップレベル・ノードのテキストの横に表示されます。索引ビューまたは検索ビューに対して指定すると、イメージは無視されます。

<type>

このビューのユーザー・インタフェースとして使用されるJavaクラスの名前。デフォルトの実装では、次のタイプが提供されます。

oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator
oracle.help.navigator.keywordNavigator.KeywordNavigator
oracle.help.navigator.searchNavigator.SearchNavigator

JavaHelpタイプを指定すると、Oracle HelpはJavaHelpタイプをOracle Helpタイプに適切にマッピングします。

<data>

このビューで使用されるデータのパス。つまり、関連するナビゲーション制御ファイル(目次ファイル、索引ファイルまたは検索ファイルなど)のパス。この要素のコンテンツは、ファイル名またはURLになります。<data>要素では、次の属性をサポートします。

  • class: (オプション)その場所がデータ・ファイルのベースの場所となるクラス。HTMLファイルへの参照を含むすべてのパス情報は、このベースの場所を基準とした相対パスとなっています。

  • engine: データ・ファイルを処理するJavaクラスの名前を指定します。Oracle HelpのXML形式(JavaHelp形式に基づく)、MS HTML HelpのHHC/HHKファイル形式、旧バージョンのOHJでサポートされているTOC/TOK形式など、Oracle Helpでサポートされているファイル・タイプごとに異なるエンジンが必要です。サポートされているエンジンおよびビュー・タイプの詳細は、第5.2.6.1項「データ・ビュー・タイプおよびエンジン」を参照してください。


次の例では、TOCタブを2つ作成し、それぞれ「User's Guide」および「Reference」とラベル付けします。両方のタブで目次にXMLファイル形式が使用されます(<data>要素で指定されます)が、<label>要素の値が異なります。両方のタブのラベルが同じ場合、TOCファイルug_toc.xmlおよびref_toc.xmlは1つのTOCに結合され、1つのタブとして表示されます。

<view>
  <label>User's Guide</label>
  <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.XMLTOCEngine">ug_toc.xml</data>
</view>
<view>
  <label>Reference</label>
  <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.XMLTOCEngine">ref_toc.xml</data>
</view>

次のコード例では、異なるファイル形式(XMLとHHC)およびデータ・エンジンを使用する2つのビューから「目次」タブを1つのみ作成します。これは、ラベルとタイプが同であるためです。この機能の利点として、タブの表示方法を損なうことなく、古い形式を使用するヘルプ・システムを新しい形式を使用するヘルプ・システムにマージできる点をあげることができます。

<view>
  <label>Table of Contents</label>
  <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.XMLTOCEngine">new_toc.xml</data>
</view>
<view>
  <label>Table of Contents</label>
  <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.HHCEngine"old_toc.hhc</data>
</view>

次に、目次、索引および検索のビューの例を1つずつ示します。ビューにはラベルがないため、Oracle Helpでは、デフォルトのラベル「目次」「索引」および「検索」を使用して3つのタブが作成されます。各ビューには、値User's Guideが指定された<title>要素が含まれます。この結果、次のように作成されます。

  • 「目次」タブには、目次ファイルug_toc.xmlの項目が1つのトップレベル・ノード「User's Guide」の下に表示されます。

  • ユーザーが「索引」タブのキーワード・リストから項目を選択すると、関連トピックのリストが表示されます。このヘルプセットのすべてのトピックのソースとして「User's Guide」が表示されます。

  • ユーザーが「検索」タブで検索を実行すると、このヘルプセットのすべてのトピックのソースとして「User's Guide」が結果のリストに表示されます。

この機能は、複数のヘルプセットをマージする場合に役立ちます。また、目次のトップレベル・ノードの数を削減し、索引および検索を使用して見つかったトピックのソースを表示することによって、ユーザーは指向性を保つことができます。

<view>
  <title>User's Guide</title>
  <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.XMLTOCEngine">ug_toc.xml</data>
</view>
<view>
  <title>User's Guide</title>
  <type>oracle.help.navigator.keywordNavigator.KeywordNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.XMLIndexEngine">ugindex.xml</data>
</view>
<view>
  <title>User's Guide</title>
  <type>oracle.help.navigator.searchNavigator.SearchNavigator</type>
  <data engine="oracle.help.engine.SearchEngine">search.idx</data>
</view>

5.2.6.1 データ・ビュー・タイプおよびエンジン

次の表に、各ビュー・タイプの有効なエンジン値を示します。

表5-5 ビュー・タイプ: oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator

エンジン 説明

oracle.help.engine.XMLTOCEngine (デフォルト)

Oracle HelpのXML目次(JavaHelp TOCの拡張)

oracle.help.engine.HHCEngine

Microsoft HTMLHelp 1.xの目次

oracle.help.engine.TOCEngine

旧バージョンのOHJの目次


表5-6 ビュー・タイプ: oracle.help.navigator.keywordNavigator.KeywordNavigator

エンジン 説明

oracle.help.engine.XMLIndexEngine (デフォルト)

Oracle HelpのXMLキーワード索引(JavaHelpキーワード索引の拡張)

oracle.help.engine.HHKEngine

Microsoft HTMLHelpのキーワード索引

oracle.help.engine.TOKEngine

旧バージョンのOHJのキーワード索引


表5-7 ビュー・タイプ: oracle.help.navigator.searchNavigator.SearchNavigator

エンジン 説明

oracle.help.engine.SearchEngine (デフォルト)

Oracle Helpのテキスト検索データベース


5.2.7 <subhelpset>要素

<subhelpset>要素を使用して、このヘルプセット・ファイルに定義されているヘルプセットとともに他のヘルプセットを含めます。結合されたサブヘルプセットのビューは、複数のビューが1つのヘルプセットにマージされるのと同じ方法でマージされます。つまり、同じ<type><label>を持つサブヘルプセット・ビューがマージされます。詳細は、第5.2.6項「<view>要素」を参照してください。

<subhelpset>要素の属性は、次のとおりです。

  • location: マージされるヘルプセットのURLを指定します。

  • class: (オプション)その場所がサブヘルプセット・ファイルのベースの場所となるクラス。location属性のすべてのパス情報は、このベースの場所を基準とした相対パスとなっています。

Oracle Helpでは、サブヘルプセットは常に存在しないことが前提になります。たとえば、製品スイートのマスター・ヘルプセットには、スイートの各製品(製品A、製品Bおよび製品C)のサブヘルプセットがあります。ユーザーは、製品Aのみを最初にインストールできます。後から、製品Cをインストールできます。この状況ではサブヘルプセットが役立ちます。サブヘルプセットは、見つかった場合はロードされ、見つからない場合は無視されるように指定できるためです。

5.2.8 サンプルのヘルプセット・ファイル

次に、5つのビュー、2つの目次、2つのキーワード索引、1つのテキスト検索など、前述のセクションをすべて含むサンプル・ヘルプセットを示します。

<?xml version='1.0'?>
<helpset version="1.1">
  
  <maps>
    <mapref location="topics.xml"/>
  </maps>
  
  <wintype>
    <name>Tutorial</name>
    <height>50%</height>
    <width>200</width>
    <x>10</x>
    <y>10</y>
    <title>Tutorial</title>
    <toolbar>06004</toolbar>
  </wintype>
       
  <links>
    <linkref location="linkfile1.xml"/>
    <linkref location="linkfile2.xml"/>
  </links>
  
  <view>
    <label image="tocgif">Table of Contents</label>
    <title image="uggif">Forms User's Guide</title>
    <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
    <data engine="oracle.help.engine.XMLTOCEngine">ugcontents.xml</data>
  </view>
  
  <view>
    <label>Keyword Index</label>
    <type>oracle.help.navigator.keywordNavigator.KeywordNavigator</type>
    <data engine="oracle.help.engine.XMLIndexEngine">ugindex.xml</data>
  </view>
  
  <view>
    <label image="tocgif">Table of Contents</label>
    <title image="dggif">Forms Developer's Guide</title>
    <type>oracle.help.navigator.tocNavigator.TOCNavigator</type>
    <data engine="oracle.help.engine.HHCEngine"
      class="oracle.forms.documentation.dev">
      dgcontents.hhc
    </data>
  </view>
  
  <view>
    <label>Keyword Index</label>
    <type>oracle.help.navigator.keywordNavigator.KeywordNavigator</type>
    <data engine="oracle.help.engine.HHKEngine"
      class="oracle.forms.documentation.dev">
      dgindex.hhk</data>
  </view>
  
  <view>
    <label>Search</label>
    <title>Forms Documentation</title>
    <type>oracle.help.navigator.searchNavigator.SearchNavigator</type>
    <data engine="oracle.help.engine.SearchEngine"
      class="oracle.forms.documentation.dev">
      search.idx</data>
  </view>
  
  <subhelpset location="prodsup.hs"/>
  <subhelpset location="advanced.hs"/>
 
</helpset>

5.3 マップ・ファイル

マップ・ファイルは、IDをファイルに関連付けるXMLファイルです。マップ・ファイルの主要な目的は、トピックIDを定義し、トピック・ファイルに関連付けることです。また、トピックID(トピック)をヘルプセット・ファイルの<wintype>要素で定義されている任意のウィンドウ・タイプに関連付けることもできます。このIDは、目次ファイル、索引ファイルおよび状況依存コールのAPIで使用されます。

また、マップ・ファイルを使用して、イメージIDを定義し、イメージ・ファイルに関連付けることもできます。イメージIDを使用すると、タブ・ラベル(ヘルプセット・ファイルの<view>要素で指定されています)の横にイメージを表示できます。また、目次ファイルの<tocitem>要素で定義されている目次の項目の横にイメージを表示することもできます。

5.3.1 マップ・ファイルの要素

次の表に、マップ・ファイルで使用される要素を示します。

表5-8 マップ・ファイルの要素

要素 説明

<map>

マッピングを定義します。<map>要素には、<mapID>要素のみが含まれます。

<mapID>

IDおよびその関連付け。<mapID>要素の属性は、次のとおりです。

  • target: 関連付けられているファイルのID。有効な文字は、英数字と等号(=)以外の句読記号です。IDは該当するヘルプ・インスタンスのすべてのヘルプセットで一意である必要があります。ただし、1つのファイルに複数のIDを割り当てることはできます。たとえば、トピック・ファイルのIDを割り当てて1つのウィンドウ・タイプで表示されるようにし、同じトピック・ファイルの別のIDを割り当てて別のウィンドウ・タイプで表示されるようにすることができます。

  • url: このIDに関連付けるファイルの場所(ターゲット)。相対URLは、マップ・ファイルの絶対URLに対して解決されます。アンカー・リンクを使用すると、ファイルのセクションを指定することもできます。

  • wintype: (オプション)ヘルプセット・ファイルの<wintype>要素を使用して定義されたウィンドウ・タイプの名前。ウィンドウ・タイプが指定されていない場合は、このIDに関連付けられいているトピックが、ヘルプセットに定義されているデフォルト・ウィンドウに表示されます。ネイティブ・ブラウザ・ウィンドウでトピック・リンクを開くには、map.xmlファイルで、関連するすべてのトピックにwintype="external"を指定します。この属性は、OHJにのみ適用されます。


次の例では、topic_1およびtopic_2というマップIDにはウィンドウ・タイプが関連付けられていないため、ヘルプセットのデフォルトのウィンドウ・タイプが使用されます。マップID topic_3およびtopic_4は、introウィンドウ・タイプで定義されているウィンドウに表示されるトピック・ファイルにマッピングされます。マップIDtopic_5.tskでは、taskウィンドウ・タイプで定義されているウィンドウ内に、File_5.htmlが表示されます。マップIDtopic_5.cncptでは、別のウィンドウ・タイプ(concept)に、同じトピック・ファイル(File_5.html)が表示されます。URLwintypeの関連付けは、トピックIDではなくURLを使用してトピック間のリンクを作成する場合に使用します。たとえば、File_5.htmlに対してハードコード化されたターゲットがトピックにある場合、リンクをクリックすると、taskウィンドウ・タイプにHTMLコンテンツが表示されます。File_6.htmlに対してハードコード化されたターゲットがトピックにある場合、リンクをクリックすると、ネイティブ・ブラウザ・ウィンドウにHTMLコンテンツが表示されます。

<?xml version='1.0' ?>

<map version="1.0">
    <mapID target="topic_1" url="file_1.html" />
    <mapID target="topic_2" url="file_2.html#a1" />
    <mapID target="topic_3" url="file_3.html" wintype="intro" />
    <mapID target="topic_4" url="file_4.html#a2" wintype="intro" />
    <mapID target="topic_5.tsk" url="file_5.html" wintype="task" />
    <mapID target="topic_5.cncpt" url="file_5.html" wintype="concept" />
    <mapID target="topic_6" url="file_6.html" wintype="external" />
</map>

このスキームによって作成者は、ウィンドウ・タイプをHTMLファイルに割り当てたり、代替のトピックIDへのリンクによってこれらの関連付けを上書きできます。たとえば、作成者は、トピック間リンク、TOCリンク、索引リンクおよびFile_5.htmlへのハードコードされたリンクの場合はtopic_5.tskを使用し、チュートリアルからのリンクの場合はtopic_5.cncptを使用できます。この情報をマップ・ファイル内に保持することによって、このマップ・ファイルを、これらの割当てを管理するための集中リポジトリにすることができます。

url属性で外部の場所(外部URL)を指定する場合、ターゲット・ファイルは新しいブラウザ・ウィンドウで開きます。たとえば、TOCリンクでtopic_extをトピックIDとして使用する場合、リンクは新しいブラウザ・ウィンドウでOTNページを開きます。

<mapID target="topic_ext" url="http://www.oracle.com/technetwork/index.html" />