1.6 Oracle Providers for ASP.NETのアップグレード

古いインスタンスのOracle Providers for ASP.NETを新しいバージョンにアップグレードする管理者は、Oracle Clientおよびデータベース・スキーマの両方をアップグレードする必要があります。Oracleでは、あるOracle Providers for ASP.NETクライアント・バージョン(たとえば、11.2)を別のOracle Providers for ASP.NETデータベース・スキーマ・バージョン(たとえば、12.1)と一緒に使用することはサポートされていません。データベース・バージョン自体をアップグレードする必要はありません。ASP.NETプロバイダ・スキーマのみが必要です。スキーマおよびクライアント・プロバイダは、両方とも同じバージョンである必要があります。

次に、クライアントおよびデータベース・スキーマのアップグレードについて説明します。

  • Oracle Clientのアップグレード:

    最新のOracle Providers for ASP.NETバージョンをインストールする場合、machine.configファイルはデフォルトでは自動的に更新されないため、Webアプリケーションは直近にインストールされたバージョンを使用するよう指示されます。Machine.configは、ODAC Oracle Universal InstallerまたはXcopyのインストール時に非マシン全体構成が選択されている場合にのみ更新されます。新しくインストールされたOracle ASP.NETプロバイダを使用するアプリケーションがある場合、管理者は適切な.NET構成ファイルを更新する必要があります。

  • データベース・スキーマのアップグレード:

    管理者は、新規バージョンのOracle Providers for ASP.NET SQLスクリプトを古いOracle Providers for ASP.NETスキーマが存在する同じスキーマで実行する必要があります。スクリプトは、何も存在しない場合は古いスキーマをアップグレードするか、スキーマを作成するよう設計されています。スキーマは、データが失われないよう既存のOracle Providers for ASP.NETデータを保持します。

データベース・サーバー自体がアップグレードされている場合、管理者は、Oracle Providers for ASP.NETデータでの標準のOracleアップグレード手順を使用できます。データは、アップグレードの実行時に保持されます。暗号化データは暗号化されたままで、アップグレード後に使用可能になります。

1.6.1 複数バージョンのOracle Providers for ASP.NETの共存

複数のASP.NETアプリケーションが1つのWebサーバーまたは1つのOracle Databaseを使用している場合、それらすべてで同じバージョンのOracle Providers for ASP.NETを使用する必要はありません。たとえば、あるアプリケーションでOracle Providers for ASP.NET 12.1を使用し、他のアプリケーションで11.2バージョンを使用できます。各アプリケーションにどのOracle Providers for ASP.NETバージョンを使用するかについては、個々のweb.configファイルを使用して判別されます。

各Oracle Providers for ASP.NETバージョンは、そのバージョン固有のデータベース・スキーマを持つ必要があります。たとえば、すべてのOracle Providers for ASP.NET 11.2アプリケーションは、11.2 SQLスクリプトを使用して作成されたスキーマの少なくとも1つにアクセスできる必要があります。これらの 11.2プロバイダ・アプリケーションは、すべてで1つのスキーマを共有できますが、 12.1スキーマを使用できません。複数のバージョンのOracle Providers for ASP.NETを使用して同じデータベースにアクセスする場合、管理者は各Oracle Providers for ASP.NETバージョンに対して別個のスキーマを作成できます。