7.2 パフォーマンス・クラスの分類子の作成方針

パフォーマンス・クラスおよびワークロードの分類子の要件を確認します。

現在、Oracle Database QoS Managementで管理されるワークロードはOLTPデータベース・ワークロードのみです。データベースのワークロードを管理するには、受信作業リクエストがパフォーマンス・クラスに割り当てられる必要があります。ワークロードは分類子を使用してパフォーマンス・クラスにマップされます。

複数層環境では、クライアントからのリクエストが中間層またはロード・バランシングによって様々なデータベース・セッションにルーティングされるため、データベース・セッション間でのクライアントの追跡が難しくなります。分類子は、セッション属性を使用して作業リクエストを識別します。使用される属性は、サービス名、ユーザー名、モジュール・アクションおよびプログラムです。

各分類子では1つ以上のサービス名を指定する必要があります。分類子で複数のサービス名が指定されている場合、接続データをパフォーマンス・クラスと照合するときに、サービス名がOR演算子を使用して評価されます。分類子で指定されているサービス名の1つが作業リクエストのサービス名と一致した場合、比較はTRUEと評価されます。

MODULEおよびACTION属性を設定するには、OCIAttrSet()コールを使用します。アプリケーション・コンテキストには、デフォルトのネームスペースであるUSERENVを使用します。

オプションで、分類子にUserNameおよびプログラム名を含めることもできます。ユーザー名は、セッションが接続するデータベース・ユーザーの名前です。プログラム属性は、サーバーへのログインに使用したクライアント・プログラムの名前です。

パフォーマンス・クラスの分類子に複数の属性が指定されている場合、セッション属性はAND演算を使用して結合されます。分類子で指定されているすべての属性値が作業リクエストのセッション属性値と一致した場合、比較はTRUEと評価されます。類似する属性値を使用する分類子が複数ある場合は、最もきめ細かい条件を持つ分類子を先頭に配置します。

たとえば、次の分類子について考えます。

  • sales_cartサービス、ORDERモジュールおよびCALCULATE TAXアクションを指定するcreate_invoice_taxes_pc

  • sales_cartサービスおよびORDERモジュールを指定するcreate_invoice_pc

create_invoice_taxes_pc分類子は、create_invoice_pc分類子より前に評価する必要があります。作業リクエストがsales_cartサービスを使用し、ORDERモジュールのCALCULATE TAXアクションを実行している場合、この作業リクエストはcreate_invoice_taxes_pcに割り当てられます。作業リクエストのすべての属性について一致する値がない場合、作業リクエストは次の分類子であるcreate_invoice_pcと比較されます。create_invoice_pc分類子を最初に評価した場合は、作業リクエストが実行するアクションに関係なく、sales_cartサービスとORDERモジュールを使用するすべての作業リクエストがcreate_invoice_pcパフォーマンス・クラスに割り当てられます。

1つのクラスタに対して最大47個のパフォーマンス・クラスを作成できます。クラスタに47を超えるサービスがある場合は、分類子内で複数のサービス名を使用します。分類子に対して一致が見つかると、Oracle Database QoS Managementは一致する作業リクエストにタグを割り当てます。タグは、TRUEに評価される分類子に基づきます。