5.3 クラスタ・リソース・アクティビティ・ログを使用したクラスタ・リソースの障害の監視

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログは、診断ログとは別に、リソースの障害に関する正確で詳細な情報を提供します。

Oracle Clusterware管理リソースで障害が発生した場合、Oracle Clusterwareは、障害に関するメッセージのログをグリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリにあるクラスタ・リソース・アクティビティ・ログに書き込みます。障害は、リソース、ホスティング・ノードまたはネットワークに関する問題の結果として発生する可能性があります。クラスタ・リソース・アクティビティ・ログでは、リソースの障害の原因を一元的に把握できます。

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログへの書込みはアクティビティIDでタグ付けされ、関連するデータは同じ親アクティビティIDを取得し、親データの下にネストされます。たとえば、Oracle Clusterwareが稼働しているときに、crsctl stop clusterware -allコマンドを実行した場合、すべてのアクティビティがアクティビティIDを取得し、関連するアクティビティが同じ親アクティビティIDでタグ付けされます。ノードごとに、親ID下にサブIDが作成され、個々のアクティビティがそれぞれ対応するアクティビティIDでタグ付けされます。さらに、個々のノード上のリソースごとに親IDに基づいてサブIDが作成され、アクティビティIDの階層が構築されます。アクティビティIDの階層を使用すると、データを分析して特定のアクティビティを確認できます。

たとえば、相互に複雑な依存関係を持ち、1つのデータベース・サービスを使用している多数のリソースがあるとします。金曜日には、すべてのリソースが1つのノードで実行されていますが、月曜日には各リソースが異なるノード上で実行されているため、その理由を確認する必要があります。crsctl query calogコマンドを使用すると、それらのリソースとデータベース・サービスを含むすべてのアクティビティをクラスタ・リソース・アクティビティ・ログに問い合せることができます。出力で完全なフローが提供され、親サービス・フェイルオーバーID内の各サブIDを問い合せて、発生した問題とその原因を具体的に確認することもできます。

フィルタを使用すると、クラスタ・リソース・アクティビティ・ログ内の任意の数のフィールドを問い合せることができます。たとえば、rootなど、特定のオペレーティング・システム・ユーザーによって書き込まれたすべてのアクティビティを問い合せることができます。crsctl query calogコマンドによって生成される出力は、表形式またはXML形式で表示できます。

クラスタ・リソース・アクティビティ・ログは、現在のOracle Clusterwareのロギングおよびアラート・ログ・メッセージを補助するものです。

注意:

Oracle Clusterwareでは、ログイン資格証明などのセキュリティ関連の情報を含むメッセージはクラスタ・アクティビティ・ログに書き込まれません。

クラスタウェア・リソース・アクティビティ・ログの内容を管理および表示するには、次のコマンドを使用します。