Oracle Grid Infrastructureのネットワークのチェックリスト

Oracle Grid Infrastructureのインストールでこのネットワークのチェックリストを確認し、クラスタに必要なハードウェア、名前およびアドレスがあることを確認します。

インストール中、パブリック、プライベート、またはOracle ASMインタフェースとして使用するインタフェースを指定します。また、ネットワーク・ファイル・システムなど、他の目的に使用するインタフェースも指定できます(Oracle Grid Infrastructureの使用には利用できません)。

サード・パーティのクラスタ・ソフトウェアを使用する場合、パブリック・ホスト名情報はそのソフトウェアから取得されます。

表1-4 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのネットワーク構成作業

チェック内容 タスク

パブリック・ネットワーク・ハードウェア

  • パブリック・ゲートウェイおよび各クラスタ・メンバー・ノードのパブリック・インタフェース・ポートに接続されるパブリック・ネットワーク・スイッチ(冗長スイッチを推奨)。

  • イーサネット・インタフェース・カード(1つのイーサネット・ポート名として結合された冗長ネットワーク・カードを推奨)。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェースは、1GbE以上である必要があります。

  • ネットワーク・プロトコルはTransmission Control Protocol (TCP)およびInternet Protocol (IP)です。

インターコネクト用のプライベート・ネットワーク・ハードウェア

  • 各クラスタ・メンバー・ノードのプライベート・インタフェース・ポートに接続される、専用のプライベート・ネットワーク・スイッチ(冗長スイッチを推奨)。

    ノート: 各サーバーに複数のプライベート・ネットワーク・インタフェース・カードがある場合、Oracle Clusterwareが、グリッド・プロセス間通信(GIPC)およびグリッド・インフラストラクチャの冗長インターコネクト(クラスタの高可用性IP (HAIP)とも呼ばれる)を使用してプライベート・ネットワークのこれらのインタフェースを自動的に関連付けることに注意してください。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェース・アダプタは、1GbE以上である必要があります。

  • インターコネクトでユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)がサポートされている必要があります。

  • 超特大フレーム(1500ビットより大きいイーサネット・フレーム)はIEEE標準ではありませんが、適切に構成すると、UDPオーバーヘッドを軽減できます。インターコネクトには、超特大フレームを使用することをお薦めします。ただし、システムの負荷テストを行い、スタック全体で使用可能であることを確認する必要があることに注意してください。

Oracle Flex ASMのネットワーク・ハードウェア

Oracle Flex ASMでは、Oracle Clusterwareと同じプライベート・ネットワークか、独自の専用プライベート・ネットワークを使用できます。各ネットワークは、パブリック、プライベートとASM、プライベート、ASMのいずれかに分類できます。Oracle ASMネットワークではTCPプロトコルが使用されます。

クラスタの名前およびアドレス

クラスタの次の名前およびアドレスを決定して構成します。

  • クラスタ名: クラスタの名前を決定し、インストール時に入力できるようにしておきます。クラスタ名は次の特性を持つ必要があります。

    DNSドメインが異なる場合も含め、すべてのホスト間でグローバルに一意である。

    1文字以上、15文字以下である。

    RFC 1123に準拠して、ホスト名に使用される文字セット(ハイフン(-)およびシングルバイト英数字(aからz、AからZ、および0から9)を含む)と同じ文字セットで構成されている。サード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアを使用する場合は、そのベンダーのクラスタ名を使用することをお薦めします。

  • グリッド・ネーミング・サービスの仮想IPアドレス(GNS VIP): GNSを使用する場合は、GNS VIP用にDNSでGNS名および固定アドレスを構成し、クラスタ・アドレスの解決のためにGNS VIPに委任されるサブドメインをDNSで構成します。GNSのドメイン委任は、動的パブリック・ネットワーク(DHCP、自動構成)では必須です。

  • 単一クライアント・アクセス名(SCAN)およびアドレス

    グリッド・ネーミング・サービスの解決の使用: DNSでSCANの名前およびアドレスを構成しないでください。SCAN名はGNSによって管理されます。

    手動構成およびDNS解決の使用: ドメイン・ネーム・サービス(DNS)で3つのアドレスに解決されるSCAN名を構成します。

ハブ・ノードのパブリック、プライベートおよび仮想IP名およびアドレス

GNSを使用していない場合は、ハブ・ノードごとに次を構成します。

  • パブリック・ノード名およびアドレス: DNSおよび/etc/hostsで構成します(例: node1.example.com、アドレス192.0.2.10)。パブリック・ノード名は、各ノードのプライマリ・ホスト名(hostnameコマンドによって表示される名前)である必要があります。

  • プライベート・ノード・アドレス: 各ノードのプライベート・インタフェースで構成します。

    プライベート・インタフェースが使用するプライベート・サブネットは、クラスタ・メンバーにする予定のすべてのノードに接続する必要があります。プライベート・ネットワークに選択するネットワークでは、RFC1918でプライベートとして定義されているアドレス範囲を使用することをお薦めします。

  • パブリック・ノードの仮想IP名およびアドレス(例: node1-vip.example.com、アドレス192.0.2.11)。

    GNSおよびサブドメイン委任による動的ネットワークを使用していない場合は、各ノードの仮想ホスト名を決定します。仮想ホスト名は、パブリック・ノード名で、ノードが停止している場合にノードに送信されるクライアントの要求を再ルーティングするために使用されます。Oracle Databaseでは、クライアントとデータベース間の接続にVIPを使用するため、VIPアドレスはパブリックにアクセス可能である必要があります。名前は、hostname-vip形式で指定することをお薦めします。たとえば、myclstr2-vipです。

GNSを使用する場合、インストールの際に、パブリックおよびプライベート・ネットワークの両方にリーフ・ノードを構成できます。パブリック・ネットワーク上のリーフ・ノードはパブリック・ネットワーク・リソースやVIPといったOracle Clusterwareサービスを利用せず、リスナーを実行することもありません。インストール後に、SRVCTLコマンドを使用してリーフ・ノードに対してネットワーク・リソースおよびリスナーを構成できます。