クラスタへのOracle Grid Infrastructureスタンドアロン・サーバーの移行

Oracle Restart(スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストール)を使用するOracle Databaseインストールがあり、そのサーバーをクラスタ・メンバー・ノードとして構成する場合は、次の作業を行います。

  1. サーバー上のすべてのOracleデータベースと、それらのバージョン、データベースの一意の名前、およびOracleホームの情報をすべてリストします。

    srvctl config database -home

  2. 次の構文でsrvctlを使用して各データベースのOracle Restart構成を調べます(ここで、db_unique_nameはデータベースの一意の名前で、lsnrnameはリスナー名です)。

    srvctl config database -db db_unique_name

    srvctl config service -db db_unique_name

    srvctl config listener -listener lsnrname

    srvctl config volume -volume volume_name -diskgroup diskgroup_name

    サーバーの構成情報を書き留めます。

  3. 手順1で調べたすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止します。

  4. rootとしてログインし、Grid home/crs/installディレクトリに移動します。次に例を示します。

    # cd /u01/app/18.0.0/grid/crs/install
    
  5. 次のコマンドを使用して、スタンドアロン・サーバー(Oracle Restart)に対するOracle Grid Infrastructureインストールの構成を解除します。

    # roothas.sh -deconfig -force
    
  6. /etc/oratabファイルを開き、oracle_restart_homeに対応するエントリを削除します。

  7. このマニュアルの説明に従って、Oracle Clusterware構成のためにサーバーを準備します。また、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureを、Oracle Restartと同じ場所、または別の場所にインストールできます。

    Oracle Restartと同じ場所にインストールする場合

    1. 次のコマンドを使用して、スタンドアロン・サーバー(Oracle Restart)のホームに対するOracle Grid Infrastructureインストールのロックを解除します。

      roothas.sh -unlock -hahome oracle_restart_home
    2. 手順7に進みます。

    Oracle Restartと異なる場所にインストールする場合

    1. Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのみのインストールの説明に従って、新しいGridホーム・ソフトウェアの場所でOracle Grid Infrastructureソフトウェアを設定します。

    2. 手順7に進みます。

  8. 環境変数を次のように設定します。

    export oracle_install_asm_UseExistingDG=true or false 
    export oracle_install_asm_DiskGroupName=disk_group_name 
    export oracle_install_asm_DiskDiscoveryString=asm_discovery_string
    

    oracle_install_asm_UseExistingDGがfalseに設定されている場合は、他の環境変数を指定する必要はありません。

  9. Oracle Grid Infrastructureインストール所有者として、レスポンス・ファイルの記録の説明に従って、このインストールのレスポンス・ファイルを作成し、ステージングします。

  10. 次のコマンドを使用して、サイレント・モードでインストールを完了します。

    $ Grid_home/gridSetup.sh -silent -responseFile $ORACLE_HOME/GI.rsp
    
  11. root.shを実行します。

  12. Oracle Restartで使用されるOracle ASMディスク・グループをマウントします。

  13. volenableコマンドを実行し、すべてのOracle Restartディスク・グループ・ボリュームを有効にします。

  14. 手順1で記録した情報を使用して、Oracle ClusterwareサービスをOracle Clusterwareホームに戻します。次に例を示します。

    /u01/app/grid/product/18.0.0/grid/bin/srvctl add filesystem -device
    /dev/asm/db1  -diskgroup ORestartData -volume db1 -mountpointpath
    /u01/app/grid/product/18.0.0/db1 -user grid
    
  15. 手順1で記録した構成情報を使用して、クラスタ用Oracle Grid InfrastructureでサポートされるようにOracle Databaseを追加します。次のコマンド構文を使用します。db_unique_nameはノード上のデータベースの一意の名前、nodenameはノード名です。

    srvctl add database -db db_unique_name -spfile spfile_name -pwfile pwfile_name -oraclehome $ORACLE_HOME -node nodename

    1. たとえば、最初にORACLE_HOME環境変数にデータベース・ホーム・ディレクトリの場所が設定されていることを確認します。

    2. 次に、データベース名mydbを追加し、次のコマンドを入力します。

      srvctl add database -db mydb -spfile spfile_name -pwfile pwfile_name -oraclehome $ORACLE_HOME -node node1
      
    3. srvctl add serviceコマンドを使用して、各サービスをデータベースに追加します。たとえば、次のようにmyserviceを追加します。

      srvctl add service -db mydb -service myservice -preferred myinstance
  16. 必要に応じて、Oracle Grid Infrastructureインストーラを使用してノードをクラスタに追加します。

関連項目:

クラスタへのノードの追加の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。