Oracle Flex ASMクラスタのネットワークについて
Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)以上では、Oracle Flex Clusterインストールの一部として、Oracle Grid Infrastructure内にOracle ASMが構成され記憶域サービスを提供します。
Oracle Flex ASMを使用すると、データベース・サーバーとは異なる物理サーバーでOracle ASMインスタンスを実行できます。多数のデータベース・クライアントをサポートするために、多くのOracle ASMインスタンスをクラスタ化できます。各Oracle Flex ASMクラスタには、エンタープライズ内でグローバルに一意である固有の名前があります。
すべての記憶域要件を単一のディスク・グループ・セットに統合できます。これらのディスク・グループはすべて、単一のOracle Flex Cluster内で実行されている小規模なOracle ASMインスタンス・セットによって管理されます。
すべてのOracle Flex ASMクラスタには、Oracle ASMインスタンスが実行される1つ以上のハブ・ノードがあります。
Oracle Flex ASMでは、Oracle Clusterwareと同じプライベート・ネットワークか、独自の専用プライベート・ネットワークを使用できます。各ネットワークは、パブリック
、ASMとプライベート
、プライベート
、ASM
のいずれかに分類できます。
Oracle ASMネットワークは、インストール中に構成するか、インストール後に構成または変更できます。
ハブ・ノードでのOracle Flex ASMクラスタの構成について
次の特性を持つOracle Flex ASMクラスタのハブ・ノードを構成できます。
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ハブ・ノード役割で構成されているすべてのサーバーがピアであるため、以前のリリースのOracle Grid Infrastructureのクラスタ・メンバー・ノードに類似しています。
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Oracle ASMディスクに直接接続します。
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直接的なASMクライアント・プロセスを実行します。
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Oracle ASMフィルタ・ドライバを実行すると、その機能の一部によってOracle Flex ASMのクラスタ・フェンシング・セキュリティが提供されます。
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ハブ・ノードのみとしてOracle ASMディスクにアクセスします(これらは、その記憶域用のハブ・ノードとして指定されています)。
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Oracle Flex ASMクラスタに構成されているグローバルOracle ASMリスナーを介して委任されるサービス要求に応答します(このクラスタでは、Oracle Flex ASMクラスタ・メンバーのハブ・ノード・リスナーのうちの3つがOracle Flex ASMクラスタのリモート・リスナーとして指定されます)。
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Oracle ASMクラスタのハブ・ノードで実行中のデータベース・クライアントに、メタデータのためのOracle ASMへのリモート・アクセスを提供し、データベース・クライアントがOracle ASMディスクへのI/Oのブロック操作を直接実行できるようにします。Oracle ASMサーバーを実行しているホストとリモート・データベース・クライアントは、どちらもハブ・ノードであることが必要です。
リーフ・ノードでのOracle Flex ASMクラスタの構成について
次の特性を持つOracle Flex ASMクラスタのリーフ・ノードを構成できます。
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Oracle ASMディスクへの間接的なアクセスを使用し、I/Oがハブ・ノード上のクライアントに対するサービスとして処理されます。
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Oracle ASMネットワークを介してディスク・サービス要求を送信します。
Oracle IOServer (IOS)構成を使用したOracle Flex ASMクラスタについて
Oracle IOServerインスタンスは、Oracle ASM管理対象ディスクに接続していないOracleメンバー・クラスタのノード上のOracle Databaseインスタンス用にOracle ASMファイル・アクセスを提供します。IOSにより、そのようなノード上でOracleメンバー・クラスタを構成できます。ストレージ・クラスタで、各ノードのIOServerインスタンスはI/Oを送信するクライアントに対してネットワーク・ポートを開きます。IOServerインスタンスはクライアントからデータ・パケットを受信し、他のデータベース・クライアントと同様にOracle ASMディスクに対して適切なI/Oを実行します。クライアント側では、データベースはdirect NFS (dNFS)を使用してIOServerインスタンスと通信できます。ただし、IOServerの使用にはクライアント側の構成は必要なく、サーバーIPアドレスまたは追加の構成情報を指定する必要がありません。IOServerを介してOracle ASMファイルにアクセスするように構成されているノードおよびクラスタでは、Oracle IOSインスタンスの検出は自動的に行われます。
Oracleメンバー・クラスタをインストールするために、Oracleドメイン・サービス・クラスタの管理者は、メンバー・クラスタ・マニフェスト・ファイルを作成するcrsctl
コマンドを使用してOracleメンバー・クラスタを作成します。Oracle Grid Infrastructureのインストール中、Oracleメンバー・クラスタのインストールを選択した場合、メンバー・クラスタ・マニフェスト・ファイルの入力を求められます。メンバー・クラスタ・マニフェスト・ファイル内の属性によって、Oracleメンバー・クラスタがIOServerインスタンスを介してOracle ASMファイルにアクセスすることを想定されているかどうかが指定されます。