NFS上にOracle ASMディスク・グループを構成するためのガイドライン
Oracle Grid Infrastructureのインストール時に、サポートされているネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス上のNFSファイル・システムにOracle ASMを構成できます。
ブロック・デバイス、またはサポートされているネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス上のNFS (ネットワーク・ファイル・システム)にOracle ASMディスク・グループを作成できます。NFSでOracle ASMディスク・グループの構成を行う際には、以下のガイドラインに従ってください。
ノート:
すべてのストレージ製品は、サーバー・ベンダーとストレージ・ベンダーの両方でサポートされている必要があります。
クォーラム・ディスクを使用せずにOracle ASMディスク・グループをデプロイするためのガイドライン
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NFSファイル・システムを使用するには、サポートされているNASデバイス上にある必要があります。次のURLでMy Oracle Supportにログインし、「動作保証」をクリックして、サポートされているNASデバイスの最新情報を調べます。
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インストールを開始する前に、NFSファイル・システムをマウントし、NFSマウントを介して使用できるようにする必要があります。NFSの構成およびマウントを実行する方法については、ベンダーのマニュアルを参照してください。
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Direct NFSではハード・マウントが必要です。ハード・マウントのNFSファイラは、クライアント接続がタイムアウトした場合に発生する可能性のある破損を防ぎます。NFSファイラがミラー化ファイルへのI/O操作で停止すると、データベースおよびOracle ASMは生存するミラー化コピーにフェイルオーバーできません。そのため、Oracle ASMディスク・グループをNFS記憶域でデプロイするときには、外部冗長を使用することをお薦めします。
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Oracle ASMフィルタ・ドライバ、Oracle ACFSおよびOracle ADVMは、NFSでサポートされていません。NFSベースの記憶域のオペレーティング・システム・インタフェースの性質により、これらの機能に互換性はありません。
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NFS上のOracle ASMディスク・グループに格納されているOracleソフトウェアとOracleデータベースのパフォーマンスは、OracleサーバーとNASデバイス間のネットワーク接続のパフォーマンスに依存します。サーバーとNASデバイスの接続には、ギガビット・イーサネット以上のプライベートな専用ネットワーク接続を使用することをお薦めします。
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Oracleスタンドアロン・クラスタ構成をデプロイするときに、NFS上にOracle ASMを構成できます。
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Oracle Clusterwareファイルおよびグリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)のために、別個にOracle ASMディスク・グループのNFSの場所を指定できます。
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インストールを実行するユーザー・アカウント(
oracle
またはgrid
)には、指定したパスにファイルを作成するための書込み権限が必要です。 -
NFS上にOracle ASMがある場合、ストレージにOracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)を使用することはできません。このクラスタ構成は高速ホーム・プロビジョニング・サーバーとしては使用できません。
クォーラム・ディスクを使用してOracle ASMディスク・グループをデプロイするためのガイドライン
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SAN接続記憶域またはiSCSI接続デバイスを使用して、クォーラム・ディスクに接続してください。使用する標準デプロイでNFSを記憶域として使用する必要がある場合、NFSベースのOracle ASMクォーラム・ディスクでソフト・マウントを使用し、それ以外のOracle ASMディスクでハード・マウントを使用します。
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Direct NFS (dNFS)をOracle Databaseデータ・ファイルの記憶域として使用できます。dNFSではソフト・マウントはサポートされていないため、クォーラム障害グループでdNFSを使用できません。そのかわり、ソフト・マウントのカーネル・ベースNFSを、クォーラム障害グループにあるNFS記憶域で使用します。
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Oracle ASM内のクォーラム障害グループ機能により、クォーラム障害グループ内のNFS記憶域にハード・マウントをせずに、Oracle ASMディスク・グループのNFS記憶域を使用できます。この機能は、クォーラムの確立のために3番目のサイトを必要とするOracle拡張クラスタを使用する場合に役立ちます。