Oracle Grid Infrastructureの名前解決オプションについて

インストールを開始する前に、各ノードにインタフェースが2つ以上構成されている必要があります。1つはプライベートIPアドレス用、もう1つはパブリックIPアドレス用です。

インストール時に、Oracle Universal Installer(OUI)がクラスタ・ノードで検出するネットワーク・インタフェースごとに計画された使用方法を指定するように求められます。各インタフェースを、パブリック・インタフェースまたはプライベート・インタフェース、あるいはOracle Grid InfrastructureやOracle ASMで使用しないインタフェースとして指定します。パブリック・アドレスおよび仮想インターネット・プロトコル(VIP)・アドレスは、パブリック・インタフェース上に構成されます。プライベート・アドレスはプライベート・インタフェース上に構成されます。

IPアドレスは、次のいずれかのオプションで構成します。

マルチクラスタまたは標準のOracle Grid Naming Service (GNS)を使用した動的IPアドレスの割当て。

このオプションを選択した場合、ネットワーク管理者は、GNS (標準またはマルチクラスタ)が解決するサブドメインを委任します。GNS要件は、ゾーン委任の構成方法によって異なります。ゾーン委任を使用してGNSを構成した場合、GNSは、サービス要求を解決するドメインを委任されます。ゾーン委任なしでGNSを構成した場合、GNSにはDNSによって解決される仮想IPアドレスがあります。

ゾーン委任を使用するGNSの場合:

  • IPv4の場合は、クラスタが使用するパブリック・ネットワーク上で実行されているDHCPサービス

  • IPv6の場合、クラスタが使用するパブリック・ネットワーク上で実行されている自動構成サービス。

  • DHCPサーバー上のアドレス(各ノードにIPアドレスを1つずつ、そしてクラスタの単一クライアント・アクセス名(SCAN)によって使用されるクラスタ用のIPアドレスを3つ提供するのに十分なアドレスが必要です)。

既存のGNS構成を使用します。

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)以上では、複数のクラスタで1つのGNSインスタンスを使用できます。複数のクラスタでGNSを使用するには、GNSで使用するゾーンをDNS管理者が委任する必要があります。また、GNSのインスタンスがネットワーク上のどこかで稼働しており、そのGNSインスタンスがアクセス可能である(ファイアウォールでブロックされていない)必要があります。GNSインスタンスに登録されるすべてのノード名は一意である必要があります。

DNSまたはホスト・ファイルの解決を使用した静的IPアドレスの割当て。

このオプションを選択した場合、ネットワーク管理者は固定IPアドレスをクラスタの各物理ホスト名とOracle Clusterware管理VIPのIPに割り当てます。また、各ノードにドメイン・ネーム・サーバー(DNS)に基づいた静的名前解決が使用されるか、クラスタとクライアントの両方のホスト・ファイルを更新する必要があるため、SCAN機能は限定されます。このオプションを選択する場合は、クラスタの変更時にネットワーク管理の更新を依頼する必要があります。

ゾーン委任のないGNSの場合、クラスタのGNS仮想IPアドレス(VIP)を構成します。Oracle Flex Clusterを有効にするには、GNS仮想IPアドレスを1つ以上構成する必要があります。