透過的なHugePagesの無効化
インストールを開始する前に、透過的なHugePagesを無効にすることをお薦めします。
透過的なHugePagesメモリーが標準のHugePagesメモリーと異なるのは、カーネルのkhugepaged
スレッドが実行時にメモリーを動的に割り当てるためです。標準のHugePagesメモリーは起動時に事前割当てされ実行中には変更されません。
注意:
透過的なHugePagesがUEK2カーネルおよびそれ以降のUEKカーネルで無効になっていても、Linuxシステムでは透過的なHugePagesをデフォルトで有効にすることができます。Red Hat Enterprise Linux 6、Red Hat Enterprise Linux 7、SUSE 11、Oracle Linux 6および以前のリリースのOracle Linux用のUnbreakable Enterprise Kernel 2 (UEK2)カーネルに付属するOracle Linux 7では、透過的なHugePagesメモリーがデフォルトで有効になっています。
透過的なHugePagesを使用すると、実行中にメモリー割当ての遅延が生じます。パフォーマンスの問題を回避するために、透過的なHugePagesはすべてのOracle Databaseサーバーで無効にすることをお薦めします。かわりに標準のHugePagesを使用すると、パフォーマンスが向上します。
透過的なHugePagesが有効かどうかを確認するには、root
ユーザーとして次のコマンドのいずれかを実行します。
Red Hat Enterprise Linuxカーネルの場合:
# cat /sys/kernel/mm/redhat_transparent_hugepage/enabled
その他のカーネルの場合:
# cat /sys/kernel/mm/transparent_hugepage/enabled
次に示すのは、[always]フラグを有効にして透過的なHugePagesを使用している場合を示す出力例です。
[always] never
注意:
透過的なHugePagesをカーネルから削除した場合、/sys/kernel/mm/transparent_hugepage
と/sys/kernel/mm/redhat_transparent_hugepage
のどちらのファイルも存在しません。
透過的なHugePagesを無効にするには、次の手順を実行します。
-
Oracle Linux 6以前のリリースでは、
/etc/grub.conf
ファイルで、カーネル・ブートの行に次のエントリを追加します。transparent_hugepage=never
次に例を示します。title Oracle Linux Server (2.6.32-300.25.1.el6uek.x86_64) root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.6.32-300.25.1.el6uek.x86_64 ro root=LABEL=/ transparent_hugepage=never initrd /initramfs-2.6.32-300.25.1.el6uek.x86_64.img
Oracle Linux 7以上では、ファイル名はオペレーティング・システムにより異なります。使用するオペレーティング・システムのドキュメントで正確なファイル名および透過的なHugePagesを無効化するステップを確認します。
例えば、Oracle Linux 7.3では、透過的HugePagesを無効化する手順には
/etc/default/grub
ファイルの編集およびコマンドgrub2-mkconfig
の実行が含まれます。 -
システムを再起動して変更を確定します。