1.100 DIAGNOSTIC_DEST

Oracle Database 11gリリース1 (11.1)の時点で、各データベース・インスタンスの診断はDIAGNOSTIC_DEST初期化パラメータによって指定される専用のディレクトリに配置されます。

特性 説明

パラメータ・タイプ

文字列

構文

DIAGNOSTIC_DEST = {pathname | directory}

デフォルト値

$ORACLE_BASE環境変数の値から導出される。$ORACLE_BASEが設定されていない場合は、Oracle Universal Installerの設定に従って、ORACLE_BASEから導出される。ORACLE_BASEが設定されていない場合は、$ORACLE_HOME/rdbms/logが使用される。

変更可能

ALTER SYSTEM

PDBで変更可能

いいえ

基本

いいえ

Oracle RAC

このパラメータは各インスタンスに対して設定できます。クラスタ内の各インスタンスで、共有ディスク上に配置されるDIAGNOSTIC_DESTディレクトリの場所を指定すること、および各インスタンスのDIAGNOSTIC_DESTに同じ値を指定することをお薦めします。

DIAGNOSTIC_DESTによって指定されるディレクトリの構造は、次のとおりです。

<diagnostic_dest>/diag/rdbms/<dbname>/<instname>

この場所は自動診断リポジトリ(ADR)ホームと呼ばれます。たとえば、データベース名がproddbであり、インスタンス名がproddb1の場合、ADRホーム・ディレクトリは<diagnostic_dest>/diag/rdbms/proddb/proddb1になります。

ADRホーム・ディレクトリの下に配置されるファイルは、次のとおりです。

  • トレース・ファイル - <adr-home>/traceサブディレクトリに配置されます。

  • アラート・ログ - <adr-home>/alertサブディレクトリに配置されます。また、alert.logファイルは現在XMLフォーマットであり、Oracle ARBロギング標準に従います。

  • コア・ファイル - <adr-home>/cdumpサブディレクトリに配置されます。

  • インシデント・ファイル - 各重大エラー(たとえば、ORA-600、ORA-1578、ORA-7445)が発生するとインシデントが発生します。各インシデントにはIDが割り当てられ、各インシデント(エラー・スタック、コール・スタック、ブロック・ダンプなど)のダンプは独自のファイルに保存され、プロセス・トレース・ファイルから分離されます。インシデント・ダンプ・ファイルは<adr-home>/incident/<incdir#>に配置されます。プロセス・トレース・ファイル内でインシデント・ダンプ・ファイルの場所がわかります。

関連項目:

Oracle ASMインスタンスの診断ディレクトリの例は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。