12.46 STARTUP

構文

STARTUP db_options  | cdb_options | upgrade_options

db optionsの構文は、次のとおりです。

[FORCE] [RESTRICT] [PFILE=filename] [QUIET]  [ MOUNT [dbname] |  [ OPEN [open_db_options] [dbname] ] | NOMOUNT ]

open_db_optionsの構文は、次のとおりです。

READ {ONLY | WRITE [RECOVER]} | RECOVER

cdb_optionsの構文は、次のとおりです。

root_connection_options | pdb_connection_options

root_connection_optionsの構文は、次のとおりです。

PLUGGABLE DATABASE pdbname  [FORCE] | [UPGRADE] | [RESTRICT] [ OPEN {open_pdb_options}]

pdb_connection_optionsの構文は、次のとおりです。

[FORCE] | [UPGRADE] | [RESTRICT] [ OPEN {open_pdb_options}]

open_pdb_optionsの構文は、次のとおりです。

READ WRITE | READ ONLY

upgrade_optionsの構文は、次のとおりです。

[PFILE=filename] {UPGRADE | DOWNGRADE} [QUIET]

データベースのマウントおよびオープンを含む様々なオプションを付けて、Oracle Databaseインスタンスを起動します。

PDB STARTUPのための前提条件

現在のコンテナがプラガブル・データベース(PDB)のとき、STARTUPコマンドを使用できるのは、次の場合のみです。

  • 現在のユーザーにSYSDBA、SYSOPER、SYSBACKUPまたはSYSDGシステム権限がある。

  • その権限が共通的に付与されているか、そのPDBでローカルに付与されている。

  • 接続時に現在のユーザーがAS SYSDBA、AS SYSOPER、SYSBACKUPまたはAS SYSDGを使用して権限を実行する。

  • PDBがMOUNTEDモードである(FORCEオプションを使用する場合を除く)。

  • MOUNTEDモードになるには、PDBはREAD ONLYまたはREAD WRITEモードである必要があります。

詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

ノート:

db_optionsは、データベース(統合または非統合)を起動する場合にのみ使用します。

root_connection_optionsは、ルートに接続しているときにプラガブル・データベースを起動する場合にのみ使用します。

pdb_optionsは、接続しているプラガブル・データベースを起動する場合にのみ使用します。

upgrade_optionsは、データベース(統合または非統合)をアップグレードまたはダウングレード目的で起動する場合にのみ使用します。

READ WRITEREAD ONLYがどちらも指定されていないとき、PDBは、属するCDBが物理スタンバイ・データベースとして使用される場合はREAD ONLYで開かれ、それ以外の場合はREAD WRITEで開かれます。

統合データベースおよびプラガブル・データベースの使用方法の詳細は、「Oracle Databaseの作成および構成」を参照してください。

FORCE

再起動する前に、現行のOracle Databaseインスタンス(実行されている場合)をABORTモードのSHUTDOWNで停止しておく必要があります。現行のインスタンスが実行されている、およびFORCEが指定されていない場合は、エラーになります。FORCEは、デバッグ中および異常な環境下で有効となります。通常は使用しないでください。

RESTRICT

データベースに接続できるのは、RESTRICTED SESSIONのシステム権限があるOracle Databaseユーザーのみです。制限されたセッション機能を使用禁止にするには、ALTER SYSTEMコマンドを使用します。

PFILE=filename

インスタンスの起動中に使用されるクライアント・パラメータ・ファイルを指定します。PFILEの指定を省略すると、サーバーはデフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(spfile)にアクセスしようとします。デフォルトのspfileが見つからないと、サーバーはデフォルトのpfileにアクセスしようとします。デフォルトのファイルはプラットフォーム固有です。たとえば、デフォルトのファイルは、UNIXでは$ORACLE_HOME/dbs/init$ORACLE_SID.oraで、WindowsではORACLE_HOME\database\initORCL.oraです。

QUIET

インスタンスを起動する際、システム・グローバル領域の情報を非表示にします。

MOUNT dbname

データベースをオープンしないで、マウントします。

dbnameには、マウントまたはオープンするデータベースの名前を指定します。データベース名を指定しない場合、初期化パラメータDB_NAMEのデータベース名が使用されます。

OPEN

指定されたデータベースを、マウントおよびオープンします。

NOMOUNT

インスタンスの起動によって、データベースがマウントされなくなります。

MOUNTまたはOPENと同時には指定できません。

RECOVER

インスタンスを起動する前に、必要に応じてメディア・リカバリを実行するように指定します。STARTUP RECOVERは、RECOVER DATABASEコマンドの実行、およびインスタンスの起動と同じ結果になります。完全リカバリが可能なのは、RECOVERオプションのみです。

必要に応じて、AUTORECOVERYが使用可能かどうかにかかわらず、AUTORECOVERYにONが設定されているものとしてリカバリを続行します。REDOログ・ファイルが予想した位置に見つからない場合、AUTORECOVERYが使用禁止であるとみなして、リカバリが続行されます。このとき、適用が必要な次のログ・ファイルの位置と名前がプロンプトに提示されます。

UPGRADE

OPEN UPGRADEモードでデータベースを起動し、システム初期化パラメータに、データベースのアップグレード・スクリプトを実行可能にするために必要な特定の値を設定します。UPGRADEはOracle Databaseサーバーの新しいバージョンを使用して、初めてデータベースを起動するときにのみ使用されます。

アップグレード・スクリプトを実行すると、インストール済のOracle Databaseが新しいバージョンに変換されます。たとえば、Oracle9iデータベースがOracle Database 10gにアップグレードされます。アップグレードが完了したら、データベースを停止し、通常どおり再起動する必要があります。

DOWNGRADE

OPEN DOWNGRADEモードでデータベースを起動し、システム初期化パラメータに、データベースのダウングレード・スクリプトを実行可能にするために必要な特定の値を設定します。

ダウングレード・スクリプトを実行すると、インストール済のOracle Databaseが以前のバージョンに変換されます。たとえば、Oracle Database 10gがOracle9iデータベースにダウングレードされます。ダウングレードが完了したら、データベースを停止し、通常どおり再起動する必要があります。

PLUGGABLE DATABASE

プラガブル・データベースのpdbnameオプションを使用して、STARTUPコマンドで起動させるプラガブル・データベースを指定します。

使用方法

SYSDBA、SYSOPER、SYSBACKUPまたはSYSDGでデータベースに接続している必要があります。ディスパッチャを経由して共有サーバーには接続できません。

引数なしのSTARTUPは、STARTUP OPENと同じ動作をします。

STARTUP OPEN RECOVERは、リカバリが失敗したときもデータベースをマウントおよびオープンします。

標準パラメータ・ファイルを使用してCDBまたは非CDBインスタンスを起動し、デフォルトのデータベースをマウントして、オープンするには、次のように入力します。

STARTUP 

または、次のように入力します。

STARTUP OPEN database 

標準パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを起動し、デフォルトのデータベースをマウントして、オープンするには、次のように入力します。

STARTUP FORCE RESTRICT MOUNT 

データベースをマウントしないで、パラメータ・ファイルTESTPARMを使用してインスタンスを起動するには、次のように入力します。

STARTUP PFILE=testparm NOMOUNT 

現在稼働中のインスタンスを強制終了し、パラメータ・ファイルmyinit.oraを使用して再起動後にデータベースをオープンします。データベースへの接続は、RESTRICTED SESSION権限を持つユーザーのみが可能です。次のように入力します。

STARTUP FORCE RESTRICT PFILE=myinit.ora OPEN database 

インスタンスを起動して、データベースをオープンしないでマウントするには、次のように入力します。

CONNECT / as SYSDBA 
Connected to an idle instance.
STARTUP MOUNT 
ORACLE instance started. 
 
Total System Global Area                              7629732 bytes
Fixed Size                                              60324 bytes
Variable Size                                         6627328 bytes
Database Buffers                                       409600 bytes
Redo Buffers                                           532480 bytes

PDBコンテナからPDBを起動するには、次のシーケンスを入力します。

CONNECT SYS/<password>@CDB1_PDB1 AS SYSDBA
Connected.
SHOW CON_NAME
CON_NAME
------------------------------
CDB1_PDB1
SHOW PDBS
    CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
         3 CDB1_PDB1                      MOUNTED
STARTUP
Pluggable Database opened.
SHOW PDBS
    CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
         3 CDB1_PDB1                      READ WRITE NO

ルートからPDBを起動するには、次のシーケンスを入力します。

CONNECT / AS SYSDBA
Connected.
SHOW CON_NAME
CON_NAME
------------------------------
CDB$ROOT
SHOW PDBS
     CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
          2 PDB$SEED                       READ ONLY  NO
          3 CDB1_PDB1                      MOUNTED
STARTUP PLUGGABLE DATABASE CDB1_PDB1
Pluggable Database opened.
SHOW PDBS
     CON_ID CON_NAME     OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------- ---------- ----------
          2 PDB$SEED     READ ONLY  NO
          3 CDB1_PDB1    READ WRITE NO