Database Upgrade Assistant (DBUA)の機能拡張と変更点
Oracle Database 12cリリース2 (12.2)にはDBUAに対するいくつかの拡張機能が含まれており、また、一部の機能は削除または変更されました。
お客様の要望に応え、また、機能向上のために、Database Upgrade Assistant (DBUA)には新しい機能とコード拡張が含まれています。また、以前のリリースの一部の機能は削除されました。
DBUAの新機能
DBUAにはOracle Database 12cリリース2 (12.2)の次の新機能が含まれています。
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選択的PDBのプラグイン・アップグレード: 以前のリリースで作成されたPDBをリリース12.2マルチテナント・アーキテクチャのCDB環境に接続し、リリース12.2のCDBホームから起動したDBUAを使用してPDBをアップグレードできます。
CDBからPDBを切断し、CDBおよびCDBに接続されたPDBをアップグレードしてから、以前のリリースのPDBに接続してDBCAを使用してそれらをアップグレードできます。
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優先度に基づくPDBアップグレード: 優先度の高いPDBを先にアップグレードするように、PDBのアップグレードに優先度を設定できます。
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再試行と無視の機能: エラーを修正してからアップグレードを再試行するか、または、特定のエラーを無視してアップグレードを継続することを選択できます。
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中断と継続機能: アップグレードを中止し、後でアップグレードを続行できます。
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スタンドアロンの前提条件チェック: 新しい
-executePrereqs
オプションを指定してDBUAを実行し、いつでもアップグレードの前提条件を確認できます。 -
データベース移動中のリスナーの構成: データベースの移動操作中に新しいリスナーを持つデータベースを構成できます。
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ロギング機構の向上: DBUAにタイム・スタンプ付きのログが導入されました。
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パフォーマンスの向上: DBUAには、アップグレード・プロセス中のインスタンス再起動の回数を低減するコード拡張が含まれています。
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拡張されたエラー報告: すべてのDBUAエラーはエラー・コード接頭辞
DBT
を使用して報告され、また、すべてのエラーはメッセージ・ウィンドウに表示されるかわりにプログレス・ページにリストで報告されます。
DBUAの削除された機能
以前のリリースで使用可能だったDBUAの次の機能は、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で削除されました。
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データ・ファイルの移動: アップグレード中のデータ・ファイルの移動はできなくなりました。
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アップグレード中のデータベースの名前変更: アップグレード中のOracle Databaseの名前変更はサポートされなくなりました。
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並列度選択はDBUAから削除: ユース・ケースに応じてデフォルトの並列度が計算されます。
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アップグレード: DBUAを使用するデフォルトの並列度は、パラレル・アップグレード・ユーティリティで手動アップグレードに使用される値と同じです。ただし、アップグレード操作時に、使用するコアの数を指定することにより、このデフォルト値をオーバーライドできます。
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再コンパイル: オブジェクトの再コンパイルについてのデフォルトの並列度は、手動アップグレードで使用される
utlrp
スクリプトにより決まります。
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再コンパイルの並列度はデフォルトで、アップグレード並列度と同じ値です。
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診断および監査保存先の変更不可: 診断および監査の保存先の変更は、DBUAコマンドラインのオプション
-initParam
を使用してのみ、可能です。 -
リモートDBUAがサポート対象外に: 以前のリリースでは、DBUAはWindowsプラットフォームでOracle Databaseリモート・アップグレードをサポートするオプションがありました。この機能はサポート対象外になりました。