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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control 12c Oracle Database Appliance Plug-inユーザーズ・ガイド
リリース12c (12.1.0.4) for Linux x86-64
E99901-01
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2 Oracle Database Applianceプラグインのインストールおよびデプロイメント

この章では、Oracle Database Applianceプラグインのデプロイの手順について説明します。次の内容について説明します。

Oracle Database Applianceプラグインのデプロイメント前提条件

Oracle Database Applianceプラグインをデプロイする前に、次の前提条件が満たされていることを確認してください。

データベース・サーバーのOracle ILOMサービス・プロセッサ・ユーザーの作成

Oracle Enterprise ManagerエージェントがOracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)サービス・プロセッサと通信するためには、ILOMサービス・プロセッサで特定のユーザーIDが設定されている必要があります。


注意:

特定のユーザーIDを追加するには、Oracle ILOMサービス・プロセッサに対する管理者レベルの権限が必要です。

特定のOracle ILOMユーザーIDを追加するには、Oracle ILOMサービス・プロセッサWebインタフェース、Oracle ILOM CLIまたはipmitoolコマンドを使用できます。この例では、Oracle ILOM CLIを使用します。

セキュリティ上の理由で、この例のOracle ILOM CLIコマンドではOracle ILOMサービス・プロセッサのrootユーザー・パスワードは表示されません。

  1. rootとしてOracle ILOMサービス・プロセッサにログインします。

    # ssh root@[Service Processor IP]
    Password:
    
  2. usersディレクトリに移動します。

    -> cd /SP/users
    
  3. oemuserユーザーおよびパスワードを作成します。

    -> create oemuser
    
    Creating user...
    Enter new password: ********
    Enter new password again: ********
    
    Created /SP/users/oemuser
    
  4. 新しいユーザーのディレクトリに移動し、ロールを設定します。

    -> cd oemuser
    /SP/users/oemuser
    
    -> set role='cro'
    -> Set 'role' to 'cro'
    
  5. 最新のシステム・イベントを10件リストして、手順3で作成したOracle ILOMユーザーIDをテストします。

    -> ipmitool -I lan -H sc-odax5-1.es.aus.osc -U oemuser -P welcome1 -L USER sel list last 10
    
  6. Oracle Database Applianceの他のサーバー・ノードOracle ILOMサービス・プロセッサに対して、手順1から5を繰り返します。

Oracle Database ApplianceサーバーでのモニタリングOSユーザーの作成

rootユーザーは、Oracle Database Applianceエージェントに対してモニタリングを実行できます。しかし、セキュリティ上の理由でrootユーザーが利用できない場合、モニタリング・ユーザーとしてモニタリングOSユーザーを作成し、権限委任を適切に設定するという代替方法があります。

次の例では、Oracle Database Applianceを監視するためにoak/welcome2ユーザーを作成しています。

  1. 次のコマンドを実行します

    #useradd oak
    #passwd oak
    
  2. ユーザーoak用のSUDO権限を追加します。

    1. visudoコマンドを使用してホストの/etc/sudoersファイルを変更します。

    2. 次のコマンドを/etc/sudoersファイルに追加します。

      Cmnd_Alias  PLUGIN_AGENT_SCRIPT=$PERL_HOME/bin/perl 
      $AGENT_HOME/plugins/$PLUGIN_OPAR_VERSION /scripts/*.pl* , \ 
      $AGENT_HOME/sbin/nmosudo DEFAULT_PLUGIN DEFAULT_FUNCTIONALITY 
      DEFAULT_SUBACTION DEFAULT_ACTION perl -e exit 0
      MONITOR_USER  ALL=(ALL)  PLUGIN_AGENT_SCRIPT
      

      次の点に注意してください。

      $AGENT_HOMEは、インストールされているエージェント・ホームへの絶対パスです。エージェント・ホーム・ディレクトリは、ホストへのエージェント・デプロイメント時に作成されます。たとえば、/u01/app/agent_home/などです

      $PLUGIN_OPAR_VERSIONは、OMSおよびエージェントにデプロイされるOracle Database Applianceプラグインの完全なOPARファイルです。oracle.dba.odba.agent.plugin_12.1.0.4.0という形式で、12.1.0.4.0はプラグイン・バージョンですが、今後上位のバージョンになることもあります。

      $PERL_HOMEは、インストールされている実行可能Perlへの絶対パスです。たとえば、/u01/app/agent_home/core/12.1.0.4.0/perl/などです

  3. 権限委任をホスト・ターゲットに設定します。

    1. Oracle Enterprise Managerにログインします。

    2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「権限委任」の順に選択します。

    3. SUDOタイプを選択します。

    4. /usr/bin/sudo -u %RUNAS% %COMMAND%Sudoのコマンド設定に適用します。

Oracle Database Appliance上のソフトウェア・バージョンの検証

Oracle Database Applianceソフトウェア

Oracle Database ApplianceのOracle Enterprise Manager 12cプラグインでは、Oracle Appliance Manager 12.1.2.2.0以上がサポートされています。Oracle Database Applianceでソフトウェア・バージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。

# oakcli show version

関連項目:

oakcli show versionコマンドの詳細は、『Oracle Database Appliance管理およびリファレンス・ガイド』を参照してください。

Oracle Grid Infrastructure Cluster

検出の前に、Oracle Grid Infrastructure Clusterが稼働している必要があります。プラグインのデプロイ前に、Oracle Database Applianceのデプロイメントが完了し、Oracle Grid Infrastructure Clusterが稼働している必要があります。

Oracle ILOM Serverのホスト名解決の検証

各サーバー・ノードがOracle ILOM Serverのホスト名を解決できることを検証します。これらのコンポーネントの名前がDNSに登録されていない場合、エントリは各サーバー・ノードの/etc/hostsファイルに追加できます。

Oracle Database Applianceのファイアウォール構成の検証

ファイアウォールの構成を確認するには、次の手順を実行します。

  1. pingの許可。

    多くのセキュア・ネットワーク環境では、通常、pingサービスを無効にします。Oracle Enterprise Managerでは、pingを使用して、Oracle Database Applianceの基本的な可用性とステータスを確立します。

    • サーバー・ノードでは、Oracle Management System (OMS)からのpingサービスとポートを有効にしておく必要があります。

    • 他のすべてのOracle Database Applianceコンポーネント(Oracle ILOMサーバーなど)では、pingサービスおよびポートが(エージェントが稼働中の)サーバー・ノードから使用可能になっている必要があります。


    注意:

    pingトラフィックのオーバーヘッドは最小限です。エージェントは5分ごとにターゲットのpingを行います。

  2. データベース・ポートのオープン。

    データベースのリスナー・ポートは、Oracle Enterprise ManagerのOMSサーバーに対してオープンする必要があります。Oracle Database ApplianceのデータベースはSCANリスナーを使用するため、ポートは基本のサーバー・ノード、ノードの仮想IPおよびスキャン・リスナーのアドレスに対してオープンする必要があります。

  3. Oracle Enterprise Managerアップロード・ポートのオープン。

    Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cエージェントには、Oracle Enterprise Managerサーバーのアップロード・サービスへのアクセス権が必要です。これは通常、HTTPアップロード用にはポート4889上、HTTPS用には4900上に構成されます。割当て済のポートを確認するには、OMSサーバーのコマンドラインで、次のコマンドを実行します。

    $ emctl status oms -details
    

    これらのポートは各サーバー・ノードに対してオープンする必要があります。

  4. エージェント・ポートのオープン。

    OMSサーバーは、各サーバー・ノードで、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cエージェントのHTTPまたはHTTPSポートに接続できる必要があります。デフォルトのエージェント・ポートは3872です。ポート3872を使用できない場合、ポート1830から開始して、次に使用可能になるポートを使用します。

    使用されているポートを識別するには、次の手順を実行します。

    • サーバー・ノードのコマンドラインで、次のコマンドを実行します。

      $ emctl status agent
      
    • あるいは、次のディレクトリのemd.propertiesファイルでEMD_URLプロパティの値を確認することもできます。

      <AGENT_HOME>/agent_inst/sysman/config
      
  5. SSHポートのオープン。

    Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cエージェントには、監視するOracle Database Applianceコンポーネントへのsshアクセス権が必要です。エージェントはサーバー・ノードで稼働するため、各Oracle ILOMのssh (ポート22)はそれぞれのサーバー・ノードに対してオープンする必要があります。


    注意:

    emkitではsshアクセス権が構成されていますが、最初にポートをオープンする必要があります。

  6. UDPトラフィック(SNMPポート)の許可。

    すべてのOracle Database Applianceコンポーネントは、SNMPトラップをサーバー・ノードで稼働中のエージェントに送信できる必要があります。SNMPではUDPプロトコルが使用されるので、エージェント・ポートおよびポート162はOracle ILOMとエージェント間のUDPトラフィックに対してオープンする必要があります。

Oracle Database Appliance用のOracle Enterprise Managerエージェントのインストール

Enterprise Managerエージェントは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデプロイメントの場合はODA_BASEに、Oracle Database Applianceベアメタルのデプロイメントの場合はLinuxホストにデプロイします。


注意:

Oracle Enterprise Managerターゲット検出では、サーバー・ノードに対して管理ネットワーク・ホスト名またはクライアント・ネットワーク・ホスト名のいずれかが使用できます。サーバー・ノードにOracle Enterprise Managerエージェントをインストールする場合は、Oracle Clusterwareで使用しているのと同じホスト名を使用してください。

クラスタ内のノードのホスト名を識別するには、いずれかのサーバー・ノードでolsnodesコマンドを実行します。Oracle Enterprise Managerエージェントのホスト名を指定する際には、ドメイン名が含まれている完全修飾ホスト名を使用することをお薦めします。



注意:

  • Oracle Enterprise Managerエージェントは、Oracle Database Applianceのすべてのサーバー・ノードにデプロイする必要があります。サーバー・ノードのホスト・ターゲット名は、完全修飾ホスト名(dbm1db01.mydomain.comなど)にする必要があります。

  • サーバー・ノードのホスト・ターゲット名に、完全修飾ホスト名でない名前(dbm1db01など)やIPアドレスは使用しないでください。

  • 同じバージョンのOracle Enterprise Managerエージェントおよび同じバージョンのプラグインを、同じOracle Database Appliance内のすべてのサーバー・ノードにデプロイする必要があります。



関連項目:

管理エージェントのインストールの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください

pushメソッドを使用したOracle Enterprise Managerエージェントのインストール

プッシュ・メソッドを使用してOracle Enterprise Managerエージェントをインストールする手順:

  1. Oracle Database Applianceのサーバー・ノードをホスト・ターゲットとしてOracle Enterprise Manager Cloud Control 12cに追加します。Oracle Enterprise Managerホームページで、「設定」メニュー(右上隅)から「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」をクリックします。

  2. 「ホスト・ターゲットの追加: ホストとプラットフォーム」画面で、セッション名を指定し、完全修飾ホスト名を特定して、プラットフォームを選択します。


    注意:

    使用しているプラットフォームでエージェント・ソフトウェアを使用できない場合、「拡張性」ページに移動して最初にダウンロードします。

  3. 「次へ」をクリックして、ホストの詳細を追加します。

  4. 「インストールの詳細」画面で、次の情報を入力します。

    • 「インストールのベース・ディレクトリ」

    • 「インスタンス・ディレクトリ」

    • 「名前付き資格証明」

    • 「ポート」フィールドは空白のままにしておきます。使用可能なポートは、インストール・プロセスの一部として自動的に選択されます。

  5. 「次へ」をクリックして、ホストの詳細を確認します。

  6. 「エージェントのデプロイ」をクリックして、エージェント・デプロイメント・プロセスを開始します。

  7. デプロイメント・プロセスの進行中に、リモート前提条件チェックが自動的に行われます。問題がなければ、「エージェント・デプロイメント・サマリー」にエージェント・デプロイメントが成功したことが示されます。


重要:

デプロイメント中にroot.shが実行されなかった場合は、必ずすべてのサーバー・ノードでroot.shを実行してください。

サイレント・モードでのOracle Management Agentのインストール

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用してインストールする場合の代替方法として、サイレント・モードのOracle Management Agentをインストールできます。サイレント・モードでは、インストールの詳細情報およびデプロイメント・スクリプトを提供するために、レスポンス・ファイルを使用する必要があります。このレスポンス・ファイルで提供されている情報を使用して、管理エージェントのサイレント・インストールを実行します。

詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』「サイレント・モードでのOracle Management Agentのインストール」の章を参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/install.121/e24089/install_agent_usng_rsp.htm#CEGGACJE

Oracle Database Applianceプラグインのデプロイ

Oracle Enterprise Manager Plug-in for Oracle Database Applianceは、12.1.0.VERSION.0_oracle.dba.odba_2000_0.oparというプラグイン・アーカイブ・ファイル(*.opar)として配布されます。

使用しようとしているOracle Enterprise Managerがすでにインストールされていて、Oracle Enterprise Manager Agentのインストールも終了していると仮定した場合、次のようにしてOracle Database Applianceプラグインをすぐにデプロイできます。

  1. Oracle Database Applianceプラグイン・アーカイブ・ファイルのローカル・インポート(手順)またはOracle Database Applianceプラグイン・アーカイブ・ファイルのリモート・インポート(手順)

  2. Enterprise Manager Cloud Control (OMSサーバー)でのOracle Database Applianceプラグインのデプロイ(手順)

  3. Oracle Database Applianceの両サーバー・ノード(ホスト)での管理エージェントへのOracle Database Applianceプラグインのデプロイ(手順)

Oracle Database Applianceプラグイン・アーカイブ・ファイルのローカル・インポート

Oracle Database Applianceプラグイン・アーカイブ・ファイルをローカルにインポートする手順:

  1. Oracle Database ApplianceプラグインのOPARファイルをOMSホスト・システムにコピーします。

  2. OMSホスト・マシンでターミナル(PuTTYなど)を開き、oracleユーザーとして接続します。

  3. OPARファイルをホストにコピーします。

  4. emcliを使用してOMSにログオンします。

    $ /u01/OracleHomes/Middleware/oms/bin/emcli login -username=user_name -password=password
    
  5. emcliを使用してOPARファイルをOMSにインポートします。

    インポートすると、作成してプラグインにパッケージ化したコンテンツがEnterprise Manager Cloud Controlで使用できるようになります。

    $ /u01/OracleHomes/Middleware/oms/bin/emcli import_update -file=OPAR_FILE_LOCATION -omslocal
    

    次に例を示します。

    /u01/OracleHomes/Middleware/oms/bin/emcli import_update -file=/tmp/12.1.0.VERISON.0_oracle.dba.odba_2000_0.opar -omslocal
    

    注意:

    プラグイン・アーカイブはこのコマンドを実行しているのと同じシステム上にある(前述の手順3でコピー)ため、-omslocalフラグを追加します。システム上に存在する絶対パス名を指定します。

Oracle Database Applianceプラグイン・アーカイブ・ファイルのリモート・インポート

プラグイン・アーカイブ(*.oparファイル)を作成したシステムとは異なるシステムでEMCLIを実行している場合は、次のコマンドを実行します。

emcli import_update
    -file="path to the .opar file"
    -host="host name of plug-in host"
    -credential_name="credential for plug-in host"
    -credential_owner="credential owner on the plug-in host"

説明:

-fileは、アーカイブを作成したシステムにある*.oparファイルへの絶対パスです。

-hostは、ファイルが使用可能なホスト・ターゲットのホスト名です。

-credential_nameは、接続先のリモート・システムにある資格証明の名前です。

-credential_ownerは、接続先のホスト・システムにある資格証明の所有者です。

次に例を示します。

emcli import_update
    -file=/tmp/sample_plugin.opar
    -host="host1.acme.com" 
    -credential_name="myOracleCred"
    -credential_owner="myPassword"

Enterprise Manager Cloud Control (OMSサーバー)でのOracle Database Applianceプラグインのデプロイ

Oracle Database Applianceプラグインをデプロイする手順:

  1. Webブラウザを開き、Enterprise Manager Cloud Controlにログインします。

  2. 「設定」メニューを開き、「拡張性」「プラグイン」の順に選択します。

  3. 「エンジニアド・システム」ORACLE DATABASE APPLIANCEを選択します。

  4. 「デプロイ先」をクリックして指示に従います。

    この手順には、OMSの停止および再起動を含め、約3-5分かかります。デプロイメント中、/u01/OracleHomes/Middleware/oms/bin/emctl status oms -detailsを使用してOMSステータスを確認します。

  5. OMSが再稼働するまで待ちます。

Oracle Database Applianceの両サーバー・ノード(ホスト)での管理エージェントへのOracle Database Applianceプラグインのデプロイ

両方のOracle Database Appliance ノード上の管理エージェントにOracle Database Applianceプラグインをデプロイする手順:

  1. Webブラウザを開いて、Enterprise Manager Cloud Controlにログインします。

  2. 「設定」メニューを開き、「拡張性」「プラグイン」の順に選択します。

  3. 「Engineered System」ORACLE DATABASE APPLIANCEを選択します。

  4. 「デプロイ先」をクリックして「管理エージェント」を選択します。

    この手順には、同時にデプロイするエージェントの数によって約2分かかります。この手順ではOMSを再起動しません。デプロイメント・プロセスが終了するまで待ちます。