4 レポート

Oracle Real-Time Integration Business Insightアプリケーションは、デフォルトでいくつかのレポートを提供し、カスタム・レポートを構成する機能も提供します。ただし、レポート機能は、特定のロール権限を持つユーザーのみ使用できます。

InsightAdministratorのロール権限を持つユーザーのみが、Oracle Real-Time Integration Business Insightアプリケーションでレポートを構成できます。InsightExecutiveおよびInsightModelCreator権限を持つユーザーは、レポートの表示のみ可能です。

レポートが構成されていない場合は、「レポート」ページに次のエラー・メッセージが表示されます。

図4-1 レポートが構成されていない

図4-1の説明が続きます
「図4-1 レポートが構成されていない」の説明

レポートの構成

アプリケーションで表示するために、レポートを構成する必要があります。InsightAdministratorのロール権限を持つユーザーのみ、レポートを構成できます。

レポートを構成するには、次の手順を実行します。

  1. BI Publisher 11.1.1.7をインストールし、パッチ・セット5を適用します。
  2. Oracle Automated Release Updates (ARU)パッチをBI Publisherに適用します。
    このパッチは、HTMLレポートの表示時にグラフをレンダリングするために必要です。
  3. 管理権限を持つユーザーとしてBI Publisherにログインします。BI PublisherのURLは次のようになります。BI PublisherのURLの形式はhttp://<hostname>:<port>/xmlpserver/で、デフォルト・ポートは9704です。
  4. 「管理」ランタイム構成「プロパティ」に移動します。
  5. 「HTML」セクションで次のフラグを有効にします。
    1. HTMLに埋め込まれたオフライン表示用の画像とチャート: True
    2. チャートでのSVGの使用: True
  6. 「管理」「データソース」「JDBC接続」に移動します。
    1. 「データソースの追加」をクリックし、次の値を入力します。
      • 「データソース名」: Insight

      • 「ドライバ・タイプ」: Oracle 11g

      • 「データベース・ドライバ・クラス」: oracle.jdbc.OracleDriver

      • 「接続文字列」: jdbc:oracle:thin:@<hostname>:<port>:<sid>

      • 「ユーザー名」: <RCU_PREFIX>_soainfra

      • 「パスワード」: ユーザーの作成時にRCUで指定したパスワード。

    2. 次の値を持つクラリファイアを追加します。
      • 値: インストール時にRCUによって作成されたスキーマのユーザー名とパスワード

        RCUはBI PublisherとInsightの統合先となるSOAまたはOSBに対して実行されるため、クラリファイアは必要不可欠です。

    BI PublisherでInsightデータベースへのデータベース接続が作成されます。
  7. BI Publisherユーザーの作成をクリックして、Insightでレポートを作成および構成するための適切な権限を持つユーザーを作成します。詳細は、事前定義済ロールへのユーザー/グループの追加を参照してください。
  8. 「アップロード」をクリックして、BI PublisherにデフォルトのInsightレポートをアップロードします。
    1. WebLogicサーバー上のORACLE_HOMEからsoa/reports/Oracle_Integration_Insight_Reports.xdrzファイルをダウンロードします。
    2. 「カタログ」に移動します。
    3. 「共有フォルダ」をクリックします。
    4. リソースのアップロードをクリックし、Oracle_Integration_Insight_Reports.xdrzファイル(手順aでダウンロードしたファイル)をアップロードします。
      「共有フォルダ」/Oracle Integration Insightレポートの内部に「カタログ」フォルダが作成されます。
  9. BI Publisherユーザーのユーザー資格証明を入力します。
    1. Enterprise Manager Fusion Middleware Controlで、「セキュリティ」「資格証明」に移動します。

      図4-2 Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの「資格証明」画面

      図4-2の説明が続きます
      「図4-2 Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの「資格証明」画面」の説明
    2. oracle.soa.insightを展開してINSIGHT_BIP_CONNECTION_KEYを選択します。oracle.soa.insightが存在しない場合は、「マップの作成」をクリックしてこれを作成し、「キーの作成」を使用してINSIGHT_BIP_CONNECTION_KEYキーを作成します。

    3. 「編集」をクリックして、ユーザー名とパスワードを入力または編集します。これらの資格証明はBI Publisher用です。

      「キーの編集」ダイアログが開きます。次の詳細を入力します。

      図4-3 「キーの編集」ダイアログ

      図4-3の説明が続きます
      「図4-3 「キーの編集」ダイアログ」の説明
      1. 「ユーザー名」: BI Publisherへのログイン時に使用するユーザー名を入力します。これは必須フィールドです。

      2. 「パスワード」: BI Publisherにログインするためのパスワードを入力します。これは必須フィールドです。

      3. 「パスワードの確認」: 前述の手順で入力したパスワードを再入力します。これは必須フィールドです。

      4. 「説明」: キーの適切な説明を入力します。これはオプションのフィールドです。

      5. 「OK」をクリックします。

  10. 「システムMBeanブラウザ」で、InsightConfigBeanに移動します。

    図4-4 ConfigMBean:InsightConfigBean

    図4-4の説明が続きます
    「図4-4 ConfigMBean:InsightConfigBean」の説明

    「BiUserServerName」フィールドは使用されておらず、「BiServerPassword」にはINSIGHT_BIP_CONNECTION_KEY (デフォルト値)が含まれています。

  11. InsightでMBeanを更新して、BI Publisherサーバーへの接続を作成します。
    1. Insightドメイン内のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールにログインします。
    2. 「WebLogicドメイン」「システムMBeanブラウザ」に移動します
    3. 「MBeanブラウザ」が開きます。
    4. 「InsightConfigBean」を展開します。属性は次のとおりです。
      • BiServerPassword: BI PublisherサーバーのCSFパスワード資格証明鍵。このキーは、資格証明ストアで作成したINSIGHT_BIP_CONNECTION_KEYである必要があります。

      • BiServerUrl: BI PublisherサーバーのURL。http://<host:port>/のような値を入力します。URLには必ずポート番号を含めてください。統合によって、このURLの末尾にxmlpserver/が自動的に追加されます。したがって、プロトコル、ホストおよびポートのみを含めます。

      • BiServerUsername: この属性は使用しません。

レポートが構成されます。

この構成は、Insightアプリケーションにログインして検証する必要があります。レポートは、「レポート」に移動したときに表示されます。アプリケーション内でモデルを作成してアクティブにすると、レポート・データの生成が開始されます。

レポートの理解

デフォルトの各レポートは、特定の目的向けであり、特定のデータを表示します。

管理者がレポートを構成すると、次のレポートがデフォルトで使用可能になります。

  1. 最新のマイルストンレポート: 直前に通過したマイルストンに基づいてインスタンスの情報が表示されます。

  2. マイルストン・パフォーマンスレポート: 特定のモデルに関連付けられたインスタンスの存続期間全体に含まれるすべてのマイルストンに焦点を当てます。インスタンスが進行してホットスポットを識別するまでにかかっている時間を識別するために、マイルストンと次のマイルストンの間の経過時間は平均に一緒に集計されます。

  3. 「インスタンス」レポート: 特定のInsightモデルのインスタンスに焦点を当てます。このレポートは、「サマリー」ビューまたは「詳細」ビューを表示できます。

  4. 例外 - エラー・ステータスのインスタンスレポート: 指定されたエラー・マイルストンに関する追跡情報が表示されます。最後にエラー・マイルストンに達したインスタンスがレポートされます。

  5. 例外 - スタック・インスタンスレポート: 現在の実行継続時間がしきい値(秒)を超えているマイルストンに関する追跡情報が表示されます。オープン・インスタンスのみがレポートに含まれます。

レポートの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightユーザーズ・ガイドレポートの操作を参照してください。

カスタム・レポートの追加

Oracle Real-Time Integration Business Insightには、カスタム・レポートを追加するためのオプションが用意されています。カスタム・レポートで表示されるデータを構成できます。

カスタム・レポートを追加するには、次の手順を実行します。

  1. BI Publisherに管理者としてログインします。

  2. 「カタログ」に移動します。

  3. 「共有フォルダ」/Oracle Integration Insightレポートに移動します。

  4. Insight配布によって提供される「カスタム・レポート」と言う名前のフォルダを見つけます。

  5. レポートを作成してこのフォルダにコピーします。

    1. Insightという名前のJDBCデータ・ソースに問い合せることにより、BI Publisherを使用してレポートを作成します。

    2. パラメータのタイプはMenuDateおよびTextに限定されます。

    3. レポートは、Oracle Real-Time Integration Business Insightコンソール内ですぐに使用可能になります。したがって、別のフォルダにレポートを作成し、レポートが想定どおりに動作したら、検証済のレポートのみを「カスタム・レポート」フォルダにコピーすることをお薦めします。

  6. Oracle Real-Time Integration Business Insightコンソールの「レポート」ページをリフレッシュします。

これで、デフォルト・レポートの下に新しいカスタム・レポートが表示されます。