55 WebCenter Sitesへのカスタマイズの追加

WebCenter Sites 12cでは、Weblogic Serverの共有ライブラリ・メカニズムを使用してカスタマイズを追加するためのモジュラとアップグレード・セーフの方法が用意されています。WebCenter Sitesのランタイム・アプリケーションはこの共有ライブラリを参照するため、この共有ライブラリに追加するカスタマイズを実行時にWebCenter Sitesのクラス・パスで使用できるようになります。

共有ライブラリを使用する利点は複数あります。WebCenter Sitesをアップグレードしても、カスタマイズは別の共有ライブラリで管理されるため、そのまま残ります。さらに、デプロイ中にカスタマイズによって発生するエラーのデバッグも簡単になります。

共有ライブラリの使用

WebCenter Sitesランタイム(sites.war)は、extend.sites.webapp-lib.warという名前の共有ライブラリを参照します。デフォルトでは、この共有ライブラリがプレースホルダになります。すべてのWebCenter Sitesカスタマイズをextend.sites.webapp-lib.warに追加する必要があります。共有ライブラリで共有するアーティファクトの例の一部を次に示します。

  • <customapp>.js、イメージ(例: <custom>.png)、CSSファイル(例: <custom>.css)などのファイルを必要とするアプリケーションをビルドしている場合。これらのファイルを<custom>.warに追加できます。

  • テンプレートの作成に使用されるカスタム・タグ・ライブラリをビルドしている場合。このライブラリにはcustom.tldおよびcustom.jarが含まれます。

カスタマイズで共有ライブラリを作成する方法を次に示します。

  1. カスタム・リソース(.jarファイル)をアセンブルし、共有ライブラリ(.warファイル)をパッケージします

  2. WebCenter Sitesが実行されている管理対象サーバーに共有ライブラリをデプロイします

カスタム・リソースのアセンブルと共有ライブラリのパッケージ

  1. リソース(イメージ、cssなど)を関連するサブディレクトリとともにベース・ディレクトリにアセンブルします。共有ライブラリの作成とWebLogic Serverへのデプロイの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』共有Java EEライブラリ・ファイルのアセンブルに関する項を参照してください。

  2. ライブラリを記述するMETA-INF/MANIFEST.MFファイルを作成します。

    Manifest-Version: 1.0
    Specification-Title: Customizations
    Specification-Version: 1.0
    Implementation-Title: Custom Implementation
    Implementation-Version: 1.0
    Implementation-Vendor: Example.com
    Extension-Name: images
  3. ベース・ディレクトリをWARファイルとしてパッケージします。ライブラリをWARファイルに圧縮した後のライブラリのパッケージ内容は次のようになります。

    $ jar -tf customizations.war
    META-INF/
    META-INF/MANIFEST.MF
    WEB-INF/weblogic.xml 
    mylogo.gif
    WEB-INF/lib/custom.jar
    WEB-INF/futuretense_cs/custom.tld
    customapp.js
    custom.png
アプリケーションにローカルな場合は、Webアプリケーションのライブラリから静的リソースを参照してください。Webアプリケーションが参照する単一の共有ライブラリから2つのJARをデプロイする場合は、2つ目の.jarファイルも/WEB-INF/libフォルダに配置されます。

ノート:

リソース参照の優先順位は、最初にsites.war、次に共有ファイルです。WebLogic Serverは、最初に検出したリソースを提供します。つまり、次のようになります。
  • sites.warファイルでリソースを探します。

  • リソースがsites.warファイルに見つからない場合は、共有ライブラリを探します。

WebCenter Sitesが実行されている管理対象サーバーへの共有ライブラリのデプロイ

  1. WebCenter Sitesが実行されている管理対象サーバーにWARをライブラリとしてデプロイします。

  2. Webアプリケーションが参照する単一の共有ライブラリから2つのJARを一緒にデプロイすることもできます。