NASデバイスでのOracle Automatic Storage Management用のファイルの作成

動作保証されているNASストレージ・デバイスがある場合は、NFSマウント・ディレクトリにゼロ埋込みファイルを作成し、そのファイルをOracle ASMディスク・グループのディスク・デバイスとして使用できます。

Oracle ASMディスクにASM検出パスを指定していることを確認してください。
Oracle Grid Infrastructureのインストール時に、Oracle Universal Installer (OUI)は指定のNFSマウント・ディレクトリにファイルを作成できます。次の手順は、NFSマウント・ディレクトリに手動でファイルを作成してOracle ASMディスク・グループのディスク・デバイスとして使用する方法を説明しています。
  1. 必要に応じて、NASデバイスのディスク・グループ・ファイル用にエクスポート・ディレクトリを作成します。
  2. ユーザーをrootに切り替えます。
  3. マウント・ポイント・ディレクトリをローカル・システムに作成します。

    たとえば:

    # mkdir -p /mnt/oracleasm
  4. システムの再起動時にNFSファイル・システムが確実にマウントされるように、マウント・ファイル/etc/fstabにファイル・システムのエントリを追加します。
  5. 次のようなコマンドを入力し、ローカル・システムでNFSをマウントします。
    # mount /mnt/oracleasm
  6. 作成するディスク・グループの名前を選択し、ディスク・グループ名をディレクトリ名として使用して、NFSファイル・システム上のファイル用のディレクトリを作成します。
    たとえば、salesデータベースのディスク・グループを設定する場合、次のようになります。
    # mkdir /mnt/oracleasm/sales1
  7. 次のようなコマンドを使用して、このディレクトリに必要な数のゼロ埋込みファイルを作成します。
    # dd if=/dev/zero 
    of=/mnt/oracleasm/sales1/disk1 bs=1024k 
    count=1000 

    この例では、NFSファイル・システムに1GBのファイルを作成します。作成するディスク・グループが外部冗長性であれば1つ、通常の冗長性であれば2つ、高い冗長性であれば3つのファイルを作成する必要があります。

    ノート:

    同一のNASデバイスに複数のゼロ埋込みファイルを作成しても、NASの障害に対する保護策にはなりません。かわりに、各NASデバイスに1つのファイルを作成し、Oracle ASMテクノロジを使用してミラーしてください。
  8. 作成したディレクトリとファイルの所有者、グループおよび権限を変更するには、次のようなコマンドを入力します。
    # chown -R grid:asmadmin /mnt/oracleasm
    # chmod -R 660 /mnt/oracleasm
    この例では、インストール所有者はgridでOSASMグループはasmadminです。
  9. Oracle Databaseのインストール中に、Oracle ASMディスク検出文字列を編集して、作成したファイル名に一致する正規表現を指定します。

    たとえば:

    /mnt/oracleasm/sales1/