手動によるIPアドレスの構成例
GNSを使用しない場合は、インストールの前に、パブリックIPアドレス、仮想IPアドレスおよびプライベートIPアドレスを構成する必要があります。
pingコマンドを実行し、デフォルトのゲートウェイにアクセスできることを確認してください。デフォルトのゲートウェイを検出するには、route
コマンドを使用します(オペレーティング・システムのヘルプを参照)。
たとえば、各ノードに1つのパブリック・インタフェースと1つのプライベート・インタフェースがある2ノードのクラスタの場合に、3つのIPアドレスのいずれかに解決されるSCANドメイン・アドレスがDNSに定義してあるとすると、ネットワーク・インタフェースには、次の表に示す構成が考えられます。
表4-2 手動によるネットワークの構成例
アイデンティティ | ホーム・ノード | ホスト・ノード | 指定された名前 | タイプ | アドレス | アドレスの割当て方法 | 解決方法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ノード1パブリック |
ノード1 |
node1 |
node1 |
パブリック |
192.0.2.101 |
固定 |
DNS |
ノード1 VIP |
ノード1 |
Oracle Clusterwareにより選択 |
node1-vip |
仮想 |
192.0.2.104 |
固定 |
DNSおよびhostsファイル |
ノード1プライベート |
ノード1 |
node1 |
node1-priv |
プライベート |
192.168.0.1 |
固定 |
DNSおよびhostsファイル、またはなし |
ノード2パブリック |
ノード2 |
node2 |
node2 |
パブリック |
192.0.2.102 |
固定 |
DNS |
ノード2 VIP |
ノード2 |
Oracle Clusterwareにより選択 |
node2-vip |
仮想 |
192.0.2.105 |
固定 |
DNSおよびhostsファイル |
ノード2プライベート |
ノード2 |
node2 |
node2-priv |
プライベート |
192.168.0.2 |
固定 |
DNSおよびhostsファイル、またはなし |
SCAN VIP 1 |
なし |
Oracle Clusterwareにより選択 |
mycluster-scan |
仮想 |
192.0.2.201 |
固定 |
DNS |
SCAN VIP 2 |
なし |
Oracle Clusterwareにより選択 |
mycluster-scan |
仮想 |
192.0.2.202 |
固定 |
DNS |
SCAN VIP 3 |
なし |
Oracle Clusterwareにより選択 |
mycluster-scan |
仮想 |
192.0.2.203 |
固定 |
DNS |
インターコネクト用にプライベート名を指定する必要はありません。インターコネクト用に名前解決が必要な場合は、hostsファイルかDNSでプライベートIP名を構成できます。ただしOracle Clusterwareでは、インストール中にプライベート・インタフェースとして定義されたインタフェース(eth1など)と、プライベート・サブネットに使用されるサブネットに、インターコネクト・アドレスが割り当てられます。
SCANが解決されるアドレスはOracle Clusterwareによって割り当てられるため、特定のノードには固定されません。VIPのフェイルオーバーを有効にするために、前述の表で示した構成では、SCANアドレスと両方のノードのパブリック・アドレスおよびVIPアドレスが同じサブネット(192.0.2.0/24)で定義されています。
ノート:
すべてのホスト名はRFC–952標準(英数字可)に準拠している必要がありますが、アンダースコア("_")は使用できません。