Oracle Grid Infrastructureベース・パスの変更

クラスタ用Oracle Grid Infrastructure (クラスタ用に構成されたOracle ClusterwareおよびOracle ASM)をインストールした後に、必要に応じてGridベース・パスを変更できます。

この手順は、Oracle Grid Infrastructure 19cリリース更新(19.21)以降のリリースに適用されます。

ノート:

Gridベースを変更する前に、再リンクしているGridベース・ディレクトリで実行されているすべての実行可能ファイルを停止する必要があります。また、Oracle共有ライブラリにリンクされているアプリケーションも停止してください。
  1. rootユーザーとして、新しいOracleベース・ディレクトリを作成し、新しいGridベース内のディレクトリおよびファイルの所有者とグループを変更します。
    # mkdir -p /u02/app/grid
    # chown -R grid:oinstall /u02/app/grid
  2. すべてのクラスタ・ノードでOracle ClusterwareスタックおよびTFAを停止します。
    # $ORACLE_HOME/bin/crsctl stop crs
    # tfactl stop
  3. Oracle Grid Infrastructureファイルを古いGridベースの場所から新しいGridベースの場所にコピーします。たとえば、古いGridベースが/u01/app/gridで、新しいGridベースが/u02/app/gridの場合は次のようにします。
    # cp -pR /u01/app/grid /u02/app/grid
  4. 新しいファイルが作成されないように、古いOracleベースのバックアップを作成します。
    # cp /u01/app/grid /u01/app/grid.old
  5. すべてのクラスタ・ノードでcrsconfig_paramsファイルのORACLE_BASEパラメータを新しいOracleベースに更新します。
    # grep ORACLE_BASE /u01/app/19.0.0/grid/crs/install/crsconfig_params ORACLE_BASE=/u02/app/grid
  6. すべてのクラスタ・ノードでorabasetabのORACLE_BASEパラメータを新しいOracleベースに更新します。
    # cat /u01/app/19.0.0/grid/install/orabasetab |grep -v "#" /u01/app/19.0.0/grid:/u02/app/grid:OraGI19Home1:N:
  7. すべてのクラスタ・ノードでOracle Grid Infrastructureホーム・ファイル権限をリストアします。
    # /u01/app/19.0.0/grid/crs/install/rootcrs.sh -init
  8. AHFデータ・ディレクトリを新しいOracleベースに移動します。
    # ahfctl movedatadir /u02/app/grid
  9. すべてのクラスタ・ノードでOracle Clusterwareスタックを起動します。
    # $ORACLE_HOME/bin/crsctl start crs
  10. 古いOracleベース・ディレクトリを削除します。
    # mv /u01/app/grid /u01/app/grid.old
  11. この変更後に、古いOracleベースにログまたはトレースが作成されているかどうかを確認します。
    # diff /u02/app/grid/diag/crs/node_name/crs/trace/ /u01/app/grid.old/diag/crs/node_name/crs/trace/