SCANについて
Oracle Grid Infrastructureのインストール時に、いくつかのOracle ClusterwareリソースがSCAN用に作成されます。
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SCAN仮想IP (VIP)は、Oracle Single Client Access Name (SCAN)が解決するIPアドレスごとに作成されます
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SCANリスナーは、SCAN VIPごとに作成されます
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SCAN VIPへの依存性は、SCANリスナー用に構成されます
SCANは、次の2つのオプションのうち1つを使用して定義されます。
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SCANをDNSで定義
SCANを手動で構成し、名前解決にDNSを使用する場合、ネットワーク管理者は、クラスタのパブリック・ネットワークと同じネットワーク上の3つのIPアドレスに解決される単一の名前をSCANに作成する必要があります。SCAN名は、ドメインの接尾辞を使用せずに解決できる必要があります(たとえば、アドレス
sales1-scan.example.com
は、sales1-scan
を使用して解決できる必要があります)。Oracle ClusterwareはSCANを解決するため、SCANをネットワーク・インタフェースに割り当てることはできません。デフォルトのSCANは、
cluster_name
-scan.
domain_name
です。たとえば、GNSを使用しないクラスタでは、クラスタ名がsales1
で、ドメインがexample.com
である場合、デフォルトのSCANアドレスはsales1-scan.example.com:1521
です。 -
SCANをGNSで定義
GNSおよびDHCPを使用している場合、Oracle Clusterwareでは、クラスタの構成時に指定されるSCAN名のVIPアドレスが構成されます。ノードVIPおよび3つのSCAN VIPは、GNSを使用時している場合、DHCPサーバーから取得されます。新しいサーバーがクラスタに追加されると、Oracle Clusterwareでは、必要なVIPアドレスはDHCPサーバーから動的に取得されてクラスタ・リソースが更新され、GNSを介してサーバーにアクセスできるようになります。
クラスタに接続するクライアントが、Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)より前のリリースで使用されていたノードVIPではなく、SCAN名を使用するように構成することをお薦めします。SCANを使用してOracle RACデータベースに接続するクライアントは、特定のデータベースまたはデータベース・インスタンスをホストする各ノードのアドレスで構成する必要がありません。たとえば、クラスタにポリシー管理型のサーバー・プールを構成した場合、サーバー・プールにどのノードが割り当てられているかにかかわらず、SCANを使用してデータベースへ接続することによって、そのデータベースのサーバー・プールに接続できます。データベースに接続しているクライアントを再構成することなく、データベースに対してノードの追加または削除を行うことができます。