クラスタ時刻同期のためのネットワーク・タイム・プロトコルの設定
Oracle Clusterwareでは、すべてのクラスタ・ノードのタイムゾーンの環境変数を同一に設定する必要があります。
インストール中、インストール・プロセスによって、OUIが実行されるノードのGridインストール所有者のタイムゾーンの環境変数設定が取得され、Oracle Clusterwareによって管理されるすべてのプロセスのデフォルトのTZ環境変数設定としてすべてのノードで、そのタイムゾーン値が使用されます。タイムゾーンのデフォルトは、データベース、Oracle ASMおよびその他の管理プロセスで使用されます。クラスタ時刻同期には2つの方法があります。
-
オペレーティング・システムで構成されたネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)
-
Oracleクラスタ時刻同期化サービス
Oracleクラスタ時刻同期化サービスは、クラスタ・サーバーからNTPサービスにアクセスできない組織のために設計されています。NTPを使用する場合は、Oracle Cluster時刻同期化デーモン(ctssd)は、オブザーバ・モードで起動します。NTPデーモンがない場合は、ctssdがアクティブ・モードで起動し、外部の時刻サーバーに接続しなくても、クラスタ・メンバー間の時刻が同期されます。
Oracle Solaris Clusterシステムでは、Oracle Solaris Clusterソフトウェアによって、すべてのクラスタ・ホスト間でピア関係を確立するntp.conf.cluster
(インストール済クラスタ・ホストの/etc/inet/ntp.conf.cluster
を参照)というテンプレート・ファイルが提供されます。1つのホストを優先ホストとして指定します。ホストは、プライベート・ホスト名によって識別されます。クラスタ・インターコネクト全体で時刻の同期が行われます。/etc/inet/ntp.conf
ファイルまたは/etc/inet/ntp.conf.cluster
ファイルで、Oracle Solaris Cluster NTPまたは外部のNTPサーバーがシステムのデフォルトのNTPサーバーに設定されていることがOracle Clusterwareで検出された場合、CTSSはオブザーバ・モードに設定されます。Oracle Solaris用のNTPの構成については、Oracle Solaris 11 Information Libraryを参照してください。
ノート:
Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのノードの時計が同じ時刻になっていることを確認することをお薦めします。
サーバー上にNTPデーモンがあっても時間サーバーの時刻と同期されるように構成できない場合に、クラスタ時刻同期化サービスを使用してクラスタ内で同期化サービスを提供する場合は、NTPを非アクティブにし、削除します。
NTPサービスを無効化するには、次のコマンドをrootユーザーとして実行します。:
# /usr/sbin/svcadm disable ntp
NTPプロトコルがアクティブでないとインストーラによって判断されると、クラスタ時刻同期化サービスがアクティブ・モードでインストールされ、ノード間で時刻が同期されます。NTPが構成されていると判断された場合は、クラスタ時刻同期化サービスはオブザーバ・モードで起動され、クラスタ内でOracle Clusterwareによるアクティブな時刻同期化は行われません。
インストール後にctssd
がアクティブになっていることを確認するには、グリッド・インストール所有者として次のコマンドを入力します。
$ crsctl check ctss
NTPを使用していて、クラスタ時刻同期化サービスのかわりに引き続き使用する場合は、NTP構成を変更する必要があります。この作業が終わった後で、ネットワーク・タイム・プロトコル・デーモンを再起動します。
Oracle Solaris 11以上のバージョンでは、次の例のようにNTP構成を変更できます。
root
ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/svccfg -s svc:/network/ntp:default setprop config/slew_always = true
そして、NTPサービスを再起動します。
# /usr/sbin/svcadm refresh svc:/network/ntp:default
無効化されたNTPを有効化するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/svcadm enable ntp