4.5.9 手動によるIPアドレスの構成例
GNSを使用しない場合は、インストールの前に、パブリックIPアドレス、仮想IPアドレスおよびプライベートIPアドレスを構成する必要があります。また、ping
コマンドを実行し、デフォルトのゲートウェイにアクセスできることも確認してください。
デフォルトのゲートウェイを検出するには、ipconfig
コマンドを使用します(オペレーティング・システムのヘルプを参照)。
たとえば、クラスタ名がmycluster
で、各ノードに1つのパブリック・インタフェースと1つのプライベート・インタフェースがある2ノードのクラスタの場合に、3つのIPアドレスのいずれかに解決されるSCANドメイン・アドレスがDNSに定義してあるとすると、ネットワーク・インタフェースには、次の表に示す構成が考えられます。
表4-2 手動によるネットワークの構成例
アイデンティティ | ホーム・ノード | ホスト・ノード | 指定された名前 | タイプ | アドレス | アドレスの割当て方法 | 解決方法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ノード1パブリック |
ノード1 |
|
パブリック |
192.0.2.101 |
固定 |
DNS |
|
ノード1 VIP |
ノード1 |
Oracle Clusterwareにより選択 |
|
仮想 |
192.0.2.104 |
固定 |
DNS、hostsファイル |
ノード1プライベート |
ノード1 |
|
|
プライベート |
192.168.0.1 |
固定 |
DNS、hostsファイル、またはなし |
ノード2パブリック |
ノード2 |
|
|
パブリック |
192.0.2.102 |
固定 |
DNS |
ノード2 VIP |
ノード2 |
Oracle Clusterwareにより選択 |
|
仮想 |
192.0.2.105 |
固定 |
DNS、hostsファイル |
ノード2プライベート |
ノード2 |
|
|
プライベート |
192.168.0.2 |
固定 |
DNS、hostsファイル、またはなし |
SCAN VIP 1 |
なし |
Oracle Clusterwareにより選択 |
|
仮想 |
192.0.2.201 |
固定 |
DNS |
SCAN VIP 2 |
なし |
Oracle Clusterwareにより選択 |
|
仮想 |
192.0.2.202 |
固定 |
DNS |
SCAN VIP 3 |
なし |
Oracle Clusterwareにより選択 |
|
仮想 |
192.0.2.203 |
固定 |
DNS |
脚注 1 ノード・ホスト名が、複数のアドレスに解決される場合があります。
インターコネクト用にプライベート名を指定する必要はありません。インターコネクト用に名前解決が必要な場合は、システムのhosts
ファイルかDNSでプライベートIP名を構成できます。ただしOracle Clusterwareでは、インストール中にプライベート・インタフェースとして定義されたインタフェース(Local Area Connection 2
など)と、プライベート・サブネットに使用されるサブネットに、インターコネクト・アドレスが割り当てられます。
SCANが解決されるアドレスはOracle Clusterwareによって割り当てられるため、特定のノードには固定されません。VIPのフェイルオーバーが有効になるように、前述の表で示した構成では、SCANアドレスと、両方のノードのパブリック・アドレスおよびVIPアドレスが同一のサブネット(192.0.2)上に定義されています。
ノート:
すべてのホスト名はInternet Engineering Task Force RFC 952標準(英数字を許可)に準拠している必要があります。ホスト名にアンダースコア(_)は使用できません。