フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでのユーザー・グループ管理
移動操作またはアップグレード操作の一部としてゴールド・イメージの作業用コピーを作成すると、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングにより、新しい作業用コピーのオペレーティング・システムのグループがソースのソフトウェア・ホームのものと一致するように構成されます(移動元またはアップグレード元のホームは管理対象かどうかを問いません)。
SOFTWAREイメージ・タイプのゴールド・イメージを作成した場合、ソースのユーザー・グループが継承されることはなく、このタイプのイメージにユーザー・グループ情報が含まれることはありません。rhpctl add workingcopy
コマンドを使用してSOFTWAREゴールド・イメージから作業用コピーをプロビジョニングする場合、必要に応じて-groups
パラメータを使用して作業用コピーのユーザー・グループを構成できます。
rhpctl move database
、rhpctl move gihome
、rhpctl upgrade database
およびrhpctl upgrade gihome
のすべてのコマンドで、ソース・ホーム(フリート・パッチ適用およびプロビジョニングを使用してプロビジョニングした管理対象外ホームまたは管理対象ホーム(作業用コピー))および宛先ホーム(作業用コピーである必要があります)を指定する必要があります。
rhpctl add workingcopy
コマンドを使用して宛先ホームをプロビジョニングした場合、移動操作またはアップグレード操作を実行する前に、ソース・ホームで構成されたグループを宛先ホームのグループと一致させる必要があります。フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでは、追加操作の一部としてグループが構成されます。
ソースのソフトウェア・ホーム(rhpctl import image
コマンドを使用)または作業用コピー(rhpctl add image
コマンドを使用)からORACLEGISOFTWAREまたはORACLEDBSOFTWAREイメージ・タイプのゴールド・イメージを作成すると、ゴールド・イメージが、ソースで構成されたOracleユーザー・グループを継承します。この機能は無効にできません。
次の各項で説明するように、イメージ・タイプとユーザー・グループに応じて、rhpctl add workingcopy
コマンドを使用してORACLEGISOFTWAREおよびORACLEDBSOFTWAREの作業用コピーに対してユーザー・グループを定義できます。
この項では、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでユーザー・グループ構成を管理する方法と、rhpctl add workingcopy
の-groups
コマンドライン・オプションがどのように機能するかについて説明します。
ORACLEGISOFTWARE (Oracle Grid Infrastructure)
Oracle Grid Infrastructureのゴールド・イメージの作業用コピーをプロビジョニングすると、プロビジョニングのタイプ(通常のプロビジョニングか、ソフトウェアのみか、および-local
パラメータを指定したかどうか)、およびrhpctl add workingcopy
で-groups
パラメータを指定したかどうかに応じて、作業用コピーでグループが設定されます。-softwareonly
コマンド・パラメータを指定するか、rhpctl add workingcopy
コマンドでレスポンス・ファイルを使用して、Oracle Grid InfrastructureソフトウェアにOSDBAおよびOSASMユーザー・グループを定義できます。
-softwareonly
コマンド・パラメータを使用してOracle Grid Infrastructureソフトウェアのみをプロビジョニングしている場合は、-groups
パラメータを使用することはできず、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングでアクティブなGridホームからOSDBAおよびOSASMユーザー・グループ情報が取得されます。
rhpctl add workingcopy
で-local
コマンド・パラメータ(これは、-softwareonly
コマンド・パラメータを使用する場合にのみ有効)を使用すると、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングで、コマンドラインからグループの値が取得される(-groups
パラメータを使用)か、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングがゴールド・イメージのosdbagrp
バイナリから取得するデフォルト値が使用されます。
前述のものがいずれも該当しない場合、インストーラのデフォルトのユーザー・グループが使用されます。
-
コマンドラインからユーザー・グループの値を使用します(OSDBAまたはOSASM、あるいはその両方に対して指定されている場合)。
-
コマンドラインで値を指定しない場合、レスポンス・ファイルに定義されたユーザー・グループ情報が取得されます。
OSOPER Oracleグループを定義している場合は、その後、再度-softwareonly
コマンド・パラメータを使用するか、rhpctl add workingcopy
コマンドでレスポンス・ファイルを使用できます。
-softwareonly
コマンド・パラメータを使用する場合は、コマンドラインで値を指定する(-groups
パラメータを使用)ことも、ユーザー・グループを未定義のままにすることもできます。
レスポンス・ファイルからの情報を使用してゴールド・イメージの作業用コピーをプロビジョニングおよび構成している場合、コマンドラインで値を指定することも、レスポンス・ファイルに含まれる情報を使用することも、OSOPER Oracleグループを未定義のままにすることもできます。
ORACLEDBSOFTWARE (Oracle Database)
Oracle Databaseソフトウェアの作業用コピーをプロビジョニングしており、Oracleグループを定義する場合は、rhpctl add workingcopy
コマンドで-groups
コマンド・パラメータを使用します。Oracle Databaseの各種リリースで使用できるOracleグループは、次のとおりです。
-
Oracle Database 11gリリース2(11.2)
- OSDBA
- OSOPER
-
Oracle Database 12c リリース1 (12.1)
- OSDBA
- OSOPER
- OSBACKUP
- OSDG
- OSKM
-
Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降
- OSDBA
- OSOPER
- OSBACKUP
- OSDG
- OSKM
- OSRAC
定義しているグループが前述のいずれでも(OSOPERを除く)、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングで、コマンドラインからグループの値が取得される(-groups
パラメータを使用)か、フリート・パッチ適用およびプロビジョニングがゴールド・イメージのosdbagrp
バイナリから取得するデフォルト値が使用されます。
データベース・ユーザーが属しているグループのリストに、osdbagrp
バイナリから選択したグループが含まれていない場合(id
コマンドで確認)、インストーラのデフォルトのユーザー・グループが使用されます。それ以外の場合、データベース・ユーザーはrhpctl add workingcopy
コマンドを実行しているユーザーです。
親トピック: ゴールド・イメージのコピーのプロビジョニング