タスク11 - Oracle GoldenGateプロセスの構成

Oracle GoldenGate Microservices Architectureを使用してExtract、分散パスおよびReplicatプロセスを作成する場合、Oracle RACノード間で共有する必要があるファイルはすべて、共有ファイル・システム(DBFSまたはACFS)に格納されているデプロイメント・ファイルですでに共有されています。

次に示す基本的な構成の詳細は、Extract、分散パスおよびReplicatプロセスのためにOracle RACでOracle GoldenGate Microservicesを実行する際にお薦めします。

このタスクを完了するには、次のステップを実行します。

  • ステップ11.1 - Extractの構成
  • ステップ11.2 - (DBFSのみ)共有ストレージへの一時キャッシュ・ファイルの配置
  • ステップ11.3 - 分散パスの構成
  • ステップ11.4 - Replicatの構成

ステップ11.1 - Extractの構成

Oracle GoldenGate管理サービスのGUIインタフェースを使用してExtractを作成するときには、Trail SubDirectoryパラメータを空白のままにして、証跡ファイルが自動的に共有ファイル・システムに格納されているデプロイメント・ディレクトリに作成されるようにします。証跡ファイルのデフォルトの場所は、/<deployment directory>/var/lib/dataディレクトリです。

ノート:

マルチテナント・データベースから取得するには、c##アカウントを使用してルート・レベルで構成したExtractを使用する必要があります。マルチテナント・データベースにデータを適用するには、PDBごとに個別のReplicatが必要になります。これは、ReplicatはPDBレベルで接続して、そのPDB以外のオブジェクトにアクセスできないためです

データベース資格証明を作成します。

  1. ソースOracle GoldenGateのOracle GoldenGate管理サーバーにログインします。
  2. 「管理サービス」の「概要」をクリックします。
  3. 「Extractの追加」のプラス・ボタンをクリックします。
  4. 「統合Extract」を選択します。
  5. 必要な情報を追加します。
  6. 「次」をクリックします。
  7. PDBからのCDBルート取得を使用する場合は、PDB名を指定したSOURCATALOGパラメータを追加します。
  8. 「作成」をクリックします。

ステップ11.2 - (DBFSのみ)共有ストレージへの一時キャッシュ・ファイルの配置

共有ストレージにDBFSを使用しているときに、デプロイメントのvar/tempディレクトリが「タスク5 - Oracle GoldenGateデプロイメントの作成」の説明に従ってローカル・ストレージに移動された場合は、ExtractのCACHEMGRパラメータを使用して一時キャッシュ・ファイルを共有ストレージに配置することをお薦めします。

  1. oracle OSユーザーとして、DBFSデプロイメントのマウント・ポイントの下位に新しいディレクトリを作成します。
    [opc@exadb-node1 ~]$ sudo su - oracle
    [oracle@exadb-node1 ~]$ mkdir
     /mnt/dbfs/goldengate/deployments/<instance_name>/temp_cache
  2. Extractパラメータを新しいディレクトリに設定します。
    CACHEMGR CACHEDIRECTORY
     /mnt/dbfs/goldengate/deployments/<instance_name>/temp_cache

Extractプロセスの作成の詳細は、Oracle DatabaseでのOracle GoldenGate Classicアーキテクチャの使用を参照してください。

ステップ11.3 - 分散パスの構成

NGINXリバース・プロキシでOracle GoldenGate Distributionパスを使用する場合は、パスのクライアントとサーバーの証明書が構成されるように、追加のステップを実行する必要があります。

分散パスの作成の詳細は、Oracle GoldenGate Microservicesのドキュメントを参照してください。証明書を正しく構成するためのステップバイステップの例は、NGINXを使用したオンプレミスのOracle GoldenGateからOCI GoldenGateへの接続についてのビデオを視聴してください。

次のサブステップを実行して、このステップを完了します。

  • ステップ11.3.1 - ターゲット・サーバーのルート証明書のダウンロードとソースOracle GoldenGateへのアップロード
  • ステップ11.3.2 - ソースOracle GoldenGateが使用するターゲット・デプロイメントのユーザーの作成
  • ステップ11.3.3 - ソースOracle GoldenGateの資格証明の作成
  • ステップ11.3.4 - ソースOracle GoldenGateからターゲット・デプロイメントへの分散パスの作成
  • ステップ11.3.5 - ターゲット・デプロイメント・コンソールのレシーバ・サービスでの接続の確認

ステップ11.3.1 - ターゲット・サーバーのルート証明書のダウンロードとソースOracle GoldenGateへのアップロード

ターゲット・デプロイメント・サーバーのルート証明書をダウンロードし、ソース・デプロイメントのサービス・マネージャにCA証明書を追加します。

  1. ターゲットGoldenGateで、管理サービスにログインします。
  2. NGINXを使用したオンプレミスのOracle GoldenGateからOCI GoldenGateへの接続についてのビデオの"ステップ2 - ターゲット・サーバーのルート証明書のダウンロード"に関する説明に従います。

ステップ11.3.2 - ソースOracle GoldenGateが使用するターゲット・デプロイメントのユーザーの作成

ターゲット・デプロイメントで、次に接続する分散パスのユーザーを作成します。

  1. ターゲットGoldenGateで、管理サービスにログインします。
  2. 「管理サービス」の「管理者」をクリックします。
  3. 「ユーザー」の横のプラス(+)記号をクリックします。
  4. 詳細を入力します。

ステップ11.3.3 - ソースOracle GoldenGateの資格証明の作成

前のステップで作成したユーザーでターゲット・デプロイメントを接続するソース・デプロイメントに資格証明を作成します。たとえば、OP2CのドメインとWSSNETの別名です。

  1. ソースOracle GoldenGateで、管理サービスにログインします。
  2. 「管理サービス」の「構成」をクリックします。
  3. 「データベース」ホーム・ページで「資格証明」の横にあるプラス(+)記号をクリックします。「資格証明の追加」ページが表示されます。
  4. 詳細を入力します。

ステップ11.3.4 - ソースOracle GoldenGateからターゲット・デプロイメントへの分散パスの作成

分散サーバーから受信サーバーに証跡ファイルを送信するパスが作成されます。パスはDistribution Serviceで作成できます。

ソース・デプロイメントのパスを追加するには:

  1. ソースOracle Goldengateで、分散サービスにログインします。
  2. 「分散サービス」ホーム・ページで、「パス」の横のプラス(+)記号をクリックします。「パスの追加」ページが表示されます。
  3. 次に示すように詳細を入力します。

    オプション 説明
    パス名 パスの名前を選択します
    ソース: トレイル名 ドロップダウン・リストからExtractの名前を選択します(証跡名が自動的に入力されます)。表示されない場合は、Extractの追加時に指定した証跡名を入力します。
    生成されたソースURI サーバーの名前にlocalhostを指定します。これにより、任意のOracle RACのノードで分散パスを起動できます。
    ターゲット認証方式 ユーザーID別名を使用します。
    ターゲット 「ターゲット」の転送プロトコルをwss (セキュアWebソケット)に設定します。「ターゲット・ホスト」を、NGINXが構成された「ポート番号」とともにターゲット・システムへの接続に使用されるターゲット・ホスト名/VIPに設定します(デフォルトは443)。
    ドメイン 「ドメイン」は、前のステップ11.3.3で作成した資格証明ドメイン(OP2Cなど)に設定します。
    別名 「別名」は、ステップ11.3.3で作成した資格証明別名wssnetに設定します。
    自動再起動オプション 分散サーバーが自動的に起動されたときに分散パスを再起動するように設定します。これは、分散サーバーのOracle RACノードの再配置後に、手動操作を不要にするために必要です。「再試行」の回数は10に設定することをお薦めします。「遅延」を1に設定します。これは、再起動の試行間に一時停止する分数です。
  4. 「パスの作成」をクリックします。
  5. 「アクション・メニュー」から、「開始」をクリックします。
  6. 分散サービスが稼働していることを確認します。

ステップ11.3.5 - ターゲット・デプロイメント・コンソールのレシーバ・サービスでの接続の確認

  1. ターゲット・デプロイメント・コンソールで、管理サービスにログインします。
  2. 「レシーバ・サービス」をクリックします。

ステップ11.4 - Replicatの構成

Replicatプロセスにより、証跡データを受信し、それをデータベースに適用します。

次のサブステップを実行して、このステップを完了します。

  • ステップ11.4.1 - チェックポイント表の作成
  • ステップ11.4.2 - Replicatの追加

ステップ11.4.1 - チェックポイント表の作成

チェックポイント表は、Oracle GoldenGate Replicatプロセスに必須のコンポーネントです。Administration Serviceの資格証明ページからデータベースに接続した後、チェックポイント表を作成できます。

ターゲット・デプロイメントにチェックポイント表を作成します。

  1. ターゲットGoldenGateで、管理サービスにログインします。
  2. 「管理サービス」の「構成」をクリックします。
  3. 「データベース」をクリックして、ターゲット・データベースまたはPDBに接続します。
  4. 「チェックポイント」の横のプラス(+)記号をクリックします。「チェックポイントの追加」ページが表示されます。
  5. 詳細を入力します。

チェックポイント表の詳細は、チェックポイント表の概要を参照してください。

ステップ11.4.2 - Replicatの追加

データベース接続を設定して検証した後で、次のステップを実行するとデプロイメントのReplicatを追加できます。

  1. ターゲットGoldenGateで、管理サービスにログインします。
  2. 「管理サービス」ホーム・ページで「Replicat」の横のプラス(+)記号をクリックします。Replicatの追加ページが表示されます。
  3. Replicatのタイプを選択して、「次」をクリックします。
  4. 次に示すように詳細を入力します。

    オプション 説明
    プロセス名 Replicatプロセスの名前
    資格証明ドメイン ステップ9.2で作成した資格証明ドメイン。この例では、GoldenGate
    資格証明別名 ステップ9.2で作成した資格証明別名。この例では、Target_PDB
    ソース 証跡を使用するソースを選択します。
    トレイル名 2文字の証跡名。
    チェックポイント表 既存のチェックポイント表の使用について設定します。
  5. 「パスの作成」をクリックします。
  6. 「アクション・メニュー」から、「開始」をクリックします。
  7. Replicatが稼働していることを確認します。