Oracle Memory Speedについて
Oracle DatabaseをOracle Memory Speed (OMS)ファイル・システムとともに使用して、データ・センターで永続メモリー(PMEM)デバイスの可能性を安全に最大限に利用することをお薦めします。
永続メモリーは、コンピュータ・システム・メモリー階層の新しい層です。PMEMのパフォーマンスおよびアクセスの特性は、揮発性メモリーと似ています。ただし、揮発性メモリーとは異なりますが既存のストレージ・システムと同様に、システムの再起動や停電時にデータは失われません。
PMEMデバイスは通常、DAX対応ファイル・システムにデプロイされます。PMEMデバイスによってバックアップされたDAX対応ファイル・システムに直接配置されたファイルは、特定のシナリオで破損する可能性があります。ファイルシステムのカーネル・インタフェースを介してこのようなファイルにアクセスするアプリケーションでは、オーバーヘッドが増加し、パフォーマンスが低下することもあります。このような危険を回避するために、Oracle DatabaseをOMSとともにデプロイして、RAW PMEMデバイスのDAX対応ファイル・システム上のファイルに書き込む際に発生する可能性のあるデータ破損を排除することをお薦めします。OMSにデプロイされたOracle Databaseでは、基礎となるハードウェアに近いI/Oパフォーマンスを示します。また、OMSでは高度な手法を使用してTLBミスと、CPUキャッシュの使用量およびミスを削減します。
PMEMをバッキング・デバイスとして使用すると、OMSでは、XFSベースのDAX対応ファイル・システムでホストされているメモリーマップド・ファイルを利用して、I/O操作を実行できます。XFSなどのDAX対応ファイル・システムを使用して、PMEMデバイスをファイルとしてエクスポートする必要があります。
Oracle Memory Speedファイル・システムの利点
- 制御ファイル、REDOログ・ファイル、データ・ファイルおよび一時ファイルをサポートします
- アプリケーションでPMEMデバイスの速度および永続性を活用できるようになります
- より低いアトミック書込みサイズから発生する固有の破損ハザードを排除します
- OMSは、カーネル・コンテキストの切替えのオーバーヘッドに対するユーザー空間を除いたユーザー空間ファイル・システムです。
- 複数のデータ・コピーを回避します
- OMSでは、HugePagesを利用してTLBミスを削減し、パフォーマンスを向上させます
- 非一時ストアを介してI/OのCPUキャッシュをバイパスします。これにより、アプリケーションでローカル・キャッシュを利用できます
- データベース・インスタンスが実行されていない場合でもファイルを調べることができます
- 豊富な診断データが提供されます