2.6.1 Oracleベース・ディレクトリの概要
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェアと構成ファイルが格納されている場所です。
デフォルトでは、Oracle Databaseソフトウェア・バイナリ・ファイルはOracle Universal Installer (OUI)により、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリ内に、バージョンとOracleホーム名でインストールされます。Oracleベース・ディレクトリは、指定されたインストール所有者によって、ソフトウェアの複数のインストールに対して使用できます。別のOracleベース・ディレクトリが、Oracle Databaseソフトウェアのインストール時に指定した各Oracleホーム・ユーザー用に作成されます。
Oracleホーム・ユーザーはOracleベース・ディレクトリを完全に制御できます。セキュリティ上の理由で、異なるOracleホーム・ディレクトリのOracleホーム・ユーザーとして使用する異なるWindowsユーザー・アカウントは、同じOracleホーム・ディレクトリを共有することは許可されていません。ただし、Oracle Databaseのアップグレードをサポートするために、組込みアカウントとWindowsユーザー・アカウント間でのOracleベース・ディレクトリの共有はサポートされています。Oracle Database 19cリリースで、これより前のリリースのOracle DatabaseからOracleベース・ディレクトリを再使用することを選択した場合、Oracle Database 19cリリースのOracleホーム・ユーザーは、これより前のリリースのOracleベース・ディレクトリに対して完全な制御を持ちます。
Oracle Databaseソフトウェアのインストール時にOracleホーム・ユーザーを指定した場合は、Oracleホーム・ユーザー名がOracleベースのデフォルトのパスに含まれています。デフォルトのWindowsインストールでは、Oracleベース・ディレクトリは次のようになります(ここでusernameは、Oracleホーム・ユーザーとしてWindows組込みアカウントを選択した場合はOracleインストール・ユーザーになり、Oracleホーム・ユーザーを指定した場合はOracleホーム・ユーザーになります)。
DRIVE_LETTER:\app\username
Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle RACインストールのOracleホーム・ユーザーが別の場合は、Optimal Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに従って2つのOracleベースのパスが存在します。たとえば、ユーザーgrid
がOracle Grid InfrastructureインストールのOracleホーム・ユーザーで、ユーザーoracle
がOracle DatabaseインストールのOracleホーム・ユーザーの場合、2つのOracleベース・ディレクトリが存在します。次の例では、X:
はマウントされているディスクです。
-
X:\app\grid
は、Gridユーザー(この例ではgrid
)のOracleベースで、Oracle Grid Infrastructureインストールの場合のOracleホーム・ユーザーです。 -
X:\app\oracle
は、Oracleユーザー(この例ではoracle
)のOracleベースで、Oracle Databaseインストールの場合のOracleホーム・ユーザーです
注意:
Oracleホーム・ユーザーとしてWindowsユーザー・アカウントを使用してOracle Database 12cリリース1 (12.1)以上のリリースのインストール後は、同じOracleベース・ディレクトリを共有するOracle Databaseのこれより古いバージョンをインストールしないでください。旧リリースのソフトウェアのインストール中にACLがリセットされ、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)(またはそれ以上)のサービスがOracleベース・ディレクトリおよびファイルにアクセスできなくなる可能性があります。親トピック: Oracle RACのインストール・ディレクトリの概要