Oracle Shardingのこのリリースの変更点
「はじめに」の内容は次のとおりです。
Oracle Database 19cでの変更点
次に、Oracle Database 19cのOracle Shardingの変更点を示します。
新機能
このリリースの新機能は次のとおりです。
システム管理のシャーディングのための複数の表ファミリのサポート
Oracle Database 18cのOracle Sharding機能では、シャード・データベースごとに1つの表ファミリ(同じシャーディング・キーを共有する関連表のセット)のみがサポートされていました。Oracle Database 19cのOracle Shardingでは、異なる表ファミリのすべてのデータが同じチャンクに存在する、複数の表ファミリをサポートしています。この機能は、システム管理のシャード・データベースにのみ適用されます。異なる表ファミリにアクセスする異なるアプリケーションが、1つのシャード・データベースでホストできるようになりました。
1つの新しいGDSCTLコマンドCONFIG TABLE FAMILY
があり、この機能をサポートするために、ADD SERVICE
、MODIFY SERVICE
、CONFIG SERVICE
、CONFIG CHUNKS
、STATUS ROUTING
、VALIDATE CATALOG
といったその他のコマンドが拡張されています。
この機能で導入された新しいSQLキーワードまたは文はありませんが、CREATE SHARDED TABLE
およびTABLESPACE SET
の使用について、一部の制限事項が変更されています。
関連項目
同一のCDBでの複数のPDBシャードのサポート
Oracle Database 18cのOracle Shardingでは、CDBで1つのPDBをシャードまたはシャード・カタログ・データベースとして使用する機能が導入されました。Oracle Database 19cのOracle Shardingでは、CDBで複数のPDBをシャードまたはシャード・カタログ・データベースとして使用できますが、特定の制限事項があります。たとえば、この機能によって、CDBには異なるシャード・データベース(SDB)からのシャードPDBを含めることができ、それぞれに個別のカタログ・データベースがあります。
シャードPDBを19cに移行する方法の詳細は、Oracle Database 18cからの互換性と移行を参照してください。
シャード間の一意の順序番号の生成
Oracle Database 19cより前では、シャード間で一意の番号が必要な場合、それを自分で管理する必要がありました。Oracle Database 19cでは、Oracle Shardingを使用して、シャードごとに順序番号を個別に生成できます。順序番号はすべてのシャード間で一意です。
この機能をサポートするために、新しいSEQUENCE
オブジェクト句、SHARD
およびNOSHARD
がSEQUENCE
オブジェクトのDDL構文に含まれます。
関連項目
シャード・カタログ・スタンバイでのマルチシャード問合せコーディネータのサポート
Oracle Database 19cより前は、マルチシャード問合せコーディネータとして使用できるのはプライマリ・シャード・カタログ・データベースのみでした。Oracle Database 19cでは、シャード・カタログ・データベースのOracle Active Data Guardスタンバイでマルチシャード問合せコーディネータを有効にすることもできます。これにより、マルチシャード問合せワークロードのスケーラビリティおよび可用性が向上します。
関連項目
シャード間のパラメータ設定の伝播
Oracle Database 19cより前は、データベース管理者はシャード・データベースの各シャードでALTER SYSTEM
パラメータ設定を構成する必要がありました。この機能により、管理者はパラメータ設定を集中的に管理し、シャード・カタログからすべてのデータベース・シャードに伝播できるため、管理性が向上します。シャード・カタログで設定を構成すると、シャード・データベースのすべてのシャードに自動的に伝播されます。
シャード間のパラメータ設定の伝播を参照してください。
非推奨およびサポート終了
このリリースで非推奨となった機能またはサポートされなくなった機能は次のとおりです。
GDSCTLコマンドラインでのパスワードの設定のサポート終了
セキュリティを強化するために、Oracle Database 19c以降、オペレーティング・システム・プロンプトからコールされたときにGlobal Data Services制御ユーティリティ(GDSCTL)のコマンドラインからパスワードを指定する機能はサポートされなくなりました。
このサポート終了は、ユーザー・コマンドライン・プロンプトからGDSCTLがコールされた場合のパスワード変更にのみ適用されます。たとえば、次のコマンドはサポートされなくなりました。
$ gdsctl add database -connect inst1 -pwd gsm_password
GDSCTLユーティリティ自体からのパスワードの指定は、引き続き有効です。たとえば、次のコマンドは有効です。
GDSCTL> add database -connect inst1 -pwd gsm_password
この非推奨では、オペレーティング・システム・プロンプトからコールされるGDSCTLコマンドでパスワードを指定する際のセキュリティの脆弱性に対処します。