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データのトランスポートに関する一般的な制限事項

データのトランスポートに関する一般的な制限事項があります。また、フル・トランスポータブル・エクスポート/インポート、トランスポータブル表領域またはトランスポータブル表に固有の制限事項もあります。

データをトランスポートする場合は、次の一般的な制限事項に注意してください。

  • ソース・データベースとターゲット・データベースで、互換性のあるデータベース・キャラクタ・セットを使用している必要があります。具体的には、次の内容のいずれかを満たしている必要があります。

    • ソース・データベースとターゲット・データベースのデータベース・キャラクタ・セットが同じです。

    • ソース・データベース・キャラクタ・セットがターゲット・データベース・キャラクタ・セットの厳格な(バイナリ)サブセットであり、かつ、次の3つの条件が満たされています。

      • ソース・データベースは、Oracle Database 10g リリース1 (10.1.0.3)以上です。

      • トランスポート対象の表領域に、文字長セマンティクスが使用される表の列が含まれていないか、またはソースとターゲットの両方のデータベースにおいて、データベース・キャラクタ・セットの最大文字幅が同じです。

      • トランスポート対象のデータにはCLOBデータ型の列が含まれていないか、またはソース・データベースとターゲット・データベースにおいて、データベース・キャラクタ・セットが両方ともシングルバイトであるか、両方ともマルチバイトです。

    • ソース・データベース・キャラクタ・セットがターゲット・データベース・キャラクタ・セットの厳格な(バイナリ)サブセットであり、かつ、次の2つの条件が満たされています。

      • ソース・データベースは、Oracle Database 10g リリース1 (10.1.0.3)以前です。

      • ソース・データベースとターゲット・データベース・キャラクタ・セットにおいて、最大文字幅が同じです。

    注意:

    Oracle Databaseによって認識されるキャラクタ・セット間のサブセットとスーパーセットの関係は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

  • ソースとターゲットのデータベースで、互換性のある各国語キャラクタ・セットを使用している必要があります。具体的には、次の内容のいずれかを満たしている必要があります。

    • ソースとターゲットのデータベースの各国語キャラクタ・セットが同じです。

    • ソース・データベースはOracle Database 10g リリース1 (10.1.0.3)以上であり、トランスポート対象の表領域にはNCHARNVARCHAR2NCLOBのデータ型の列が含まれていません。

  • トランスポータブル・エクスポート操作を実行する場合は、次の制限が適用されます。

    • エクスポートを実行するユーザーのデフォルトの表領域を、転送対象となっている表領域のいずれかにすることはできません。

    • エクスポートを実行するユーザーのデフォルトの表領域を、書込み可能にする必要があります。

  • 非CDBで、ターゲット・データベースに同じ名前の表領域が含まれている場合は、表領域をトランスポートできません。

    CDBで、ターゲットのコンテナに同じ名前の表領域が含まれている場合は、表領域をトランスポートできません。ただし、異なるコンテナには同じ名前の表領域を格納できます。

    REMAP_TABLESPACEインポート・パラメータを使用して、データベース・オブジェクトを異なる表領域にインポートできます。または、トランスポート操作を実行する前に、トランスポート対象の表領域またはターゲットの表領域のいずれかの名前を変更できます。

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降では、Recovery Manager (RMAN)のRECOVERコマンドで、表領域を再マッピングしながら表を異なるスキーマに移動できます。詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • CDBでは、デフォルトのデータ・ポンプ・ディレクトリ・オブジェクトDATA_PUMP_DIRはPDBでは機能しません。データ・ポンプ・エクスポートおよびインポートで使用する明示的なディレクトリ・オブジェクトをPDB内に定義する必要があります。

  • XMLTypeを含むデータのトランスポートには、次の制限事項があります。

    • ターゲット・データベースにXML DBがインストールされている必要があります。

    • XMLType表が参照するスキーマをXML DB標準スキーマにすることはできません。

    • トランスポートされたXMLType表のスキーマがターゲット・データベース内に存在しない場合は、スキーマがインポートおよび登録されます。ターゲット・データベース内にすでにスキーマが存在する場合は、インポート中にメッセージが表示されます。

    • XMLTypeを含むデータのメタデータは、データ・ポンプのみを使用してエクスポートおよびインポートする必要があります。

    次の問合せでは、XMLTypeを含む表領域のリストが返されます。

    select distinct p.tablespace_name from dba_tablespaces p, 
      dba_xml_tables x, dba_users u, all_all_tables t where
      t.table_name=x.table_name and t.tablespace_name=p.tablespace_name
      and x.owner=u.username;
    

    XMLTypeの詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

  • 解釈がアプリケーション固有で、データベースに対して不透明なタイプ(RAWBFILEなど)は、トランスポートできますが、クロス・プラットフォームのトランスポート操作では変換されません。このタイプの実際の構造はアプリケーションのみが認識するため、このタイプが新規プラットフォームに移動した後、アプリケーションではendiannessの問題に対処する必要があります。OPAQUE型を使用するタイプとオブジェクトも、直接的または間接的にこの制限の影響を受けます。

  • TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE (TSLTZ)データを含む表がある表領域をタイム・ゾーンが異なるデータベース間でトランスポートする場合、TSLTZデータを含む表はトランスポートされません。エラー・メッセージで、トランスポートされなかった表の説明が示されます。ただし、表領域内のTSLTZデータを含まない表はトランスポートされます。

    データベースのタイム・ゾーンを確認するには、次の問合せを使用します。

    SELECT DBTIMEZONE FROM DUAL;
    

    ALTER DATABASE SQL文を使用すると、データベースのタイム・ゾーンを変更できます。

    データ・ポンプを使用すると、トランスポート操作の完了後に、TSLTZデータを含む表の従来のエクスポート/インポートを実行できます。

  • プラットフォーム間でのトランスポート操作の一部として、アナリティック・ワークスペースは使用できません。ソース・プラットフォームおよびターゲット・プラットフォームが別な場合、Data Pumpエクスポート/インポートを使用し、アナリティック・ワークスペースをエクスポートおよびインポートします。アナリティック・ワークスペースの詳細は、『Oracle OLAP DMLリファレンス』を参照してください。

注意:

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティexpdpまたはインポート・ユーティリティimpdpは、Oracleサポート・サービスから要求された場合以外、SYSDBAとして起動しないでください。SYSDBAは内部的に使用され、一般ユーザーとは異なる特別な機能を持ちます。