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3.2 Oracle Restartのダウングレード

この手順は、Oracle Restartの構成を解除してダウングレードする場合や、Oracle Restartのインストール・エラーをトラブルシューティングする場合に使用してください。

roothas.batにコマンド・フラグ-deconfig -forceを設定して実行すると、インストールしたバイナリを削除することなくOracle Restartの構成を解除できます。この機能は、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストール中にエラーが発生した場合に役立ちます。たとえば、root.shコマンドを実行したときに、オペレーティング・システム・パッケージの欠落があったとします。roothas.bat -deconfig -forceを実行して、Oracle Restartの構成を解除し、エラーの原因を修正してから再度root.shを実行できます。

1. oracleユーザーとして、SPFILEのバックアップを作成してPFILEにします。

   CREATE PFILE='C:\app\oracle\product\19.0.0\dbhome_1\dbs\test_init.ora'
   FROM SPFILE='C:\oracle\dbs\test_spfile.ora';
   

2. サーバー上のすべてのOracleデータベースとそれらのバージョン、データベースの一意の名前およびOracleホームの情報をすべてリストします。

   C:\> srvctl config database -home

3. Oracle Databaseをダウングレードします。ダウングレード前、ダウングレード時およびダウングレード後に必要なタスクの詳細と互換性の情報は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

   注:

   Oracle Databaseのダウングレードは、Oracle RestartをダウングレードしたときのOracle RestartのバージョンよりもOracle Databaseのバージョンが新しい場合にのみ実行してください。
4. oracleユーザーとして、Oracle Restartのリソースをダウングレードします(Oracle Databaseをダウングレードしていた場合)。

   C:\> srvctl downgrade database -d db_unique_name -oraclehome %ORACLE_HOME% -t to_version

5. データベース、サービスおよびリスナーのそれぞれについてOracle Restartの構成を調べます。

   C:\> srvctl config database -db db_unique_name
   C:\> srvctl config service -db db_unique_name
   C:\> srvctl config listener -listener listener_name

   この構成情報をメモしておきます。この情報は、Oracle Restartにコンポーネントを追加しなおすときに使用します。
6. 実行中のすべてのデータベースおよびリスナーを停止してから、Oracle Restartの構成解除またはダウングレードを実行します。

   C:\> srvctl stop database -db db_unique_name
   C:\> srvctl stop listener [-listener listener_name]

7. rootユーザーとして、Oracle Restartの構成を解除する-deconfig -forceフラグを設定してroothas.batを実行します。

   C:\> C:\app\oracle\product\19.0.0\grid\crs\install\roothas.bat -deconfig -force

8. gridユーザーとして、Oracle中央インベントリ(oraInventory)を更新します。

   C:\> C:\app\oracle\product\19.0.0\grid\oui\bin\setup.exe -updateNodeList -silent ORACLE_HOME=upgraded_Grid_home -local CRS=false

9. rootユーザーとして、以前のリリースのOracle Restartホームのロックを解除するための-unlockフラグを設定して、roothas.batを実行します。

   
   C:\> C:\app\oracle\product\18.0.0\grid\crs\install\roothas.bat -unlock -dstcrshome previous_release_Grid_home
   

10. gridユーザーとして、setup.exeコマンドを使用して以前のリリースのOracle Restartホームを再構成します。

    C:\> C:\app\oracle\product\18.0.0\grid\setup.exe

11. oracleユーザーとして、Oracle Restartの構成を解除する前にメモしたものと同じ属性でOracle Restartにコンポーネントを追加しなおします。
    1. Oracle Restart構成にOracle Databaseを追加します。

       C:\> srvctl add database -db db_unique_name -oraclehome Oracle_home

    2. Oracle Restart構成にリスナーを追加します。

       C:\> srvctl add listener -listener listener_name -oraclehome Oracle_home

       -oraclehomeパラメータには、ダウングレード前にリスナーが実行されていたOracleホームのパスを指定します。
    3. srvctl add serviceコマンドを使用して、各サービスをデータベースに追加します。

       C:\> srvctl add service -db db_unique_name -service service_name_list