1 統合プロジェクトの概要

この章では、Oracle Data Integrator (ODI)を使用して統合プロジェクトを作成するための基本的なステップを説明します。ここでは、基本的な機能と最低限必要なステップを示すことで、ODIの使用を開始するユーザーを支援します。

この項は、拡張された構成、使用方法またはトラブルシューティング目的で使用することは意図していません。

Oracle Data Integratorプロジェクト・クイック・スタート・リスト

単純なOracle Data Integrator統合プロジェクトに対する最低限必要なステップを実行するには、ODIプロジェクト・クイックスタート・リストに従って、このガイドの特定の項に直接移動してください。

前提条件

クイックスタートの手順を実行する前に、『Oracle Data Integratorのインストールと構成』の手順に従って、Oracle Data IntegratorがODIエージェントの設定および構成を含めてインストールされていることを確認します。『Oracle Data Integratorの管理』の説明に従って、本ドキュメントの読者(または管理者)はインストール後の構成およびユーザー管理を実行する必要があります。

また、『Oracle Data Integratorの理解』の内容についてもよく理解しておく必要もあります。

ODIプロジェクト・クイック・スタート・リスト

ODIプロジェクト・クイック・スタート・リストには、単純な統合プロジェクトの作成および実行に必要なステップが示されています。これらの必要なステップについて理解した後、より高度なトピック、複雑な統合およびオプションのステップに関する追加の内容をこのガイドで確認してください。

  1. Oracle Data Integratorでは、論理トポロジの最上部で開発を実行します。トポロジに関する知識が浅い場合は、Oracle Data Integratorトポロジの概要を参照してください。論理スキーマを作成し、グローバル・コンテキストでこれらを物理スキーマと関連付けます。詳細は、『Oracle Data Integratorの管理』論理スキーマの作成に関する項を参照してください。

  2. マッピングでは、物理スキーマに含まれているデータ構造(表、ファイル、JMSメッセージ、XMLファイルの要素)に対応する、ソースおよびターゲット・データストアを含むデータ・モデルが使用されます。データ・モデルは、通常、データ・サーバーのメタデータからOracle Data Integratorリポジトリにリバースエンジニアリングされます。

    「データ・モデルおよびデータストアの作成および使用」に従って、1つ以上のモデルおよびデータストアを作成します。

  3. 開発した統合コンポーネントはプロジェクトに格納されます。新規プロジェクトの作成の詳細は、「統合プロジェクトの作成」を参照してください。

  4. 統合プロジェクトを編成する方法を考慮します。「統合プロジェクトの編成およびドキュメント化」では、編成に役立ついくつかの組込みツールについて説明しています。プロジェクトおよびモデルは階層フォルダ別に編成でき、マーカーおよびメモを使用してオブジェクトを相互参照し、メタデータで注釈付けしたり、ODI以外のユーザーが確認できるようにPDF形式のレポートを生成することができます。

  5. バージョン・コントロールは、関連する開発者が複数存在する場合や、プロジェクトを以前の状態に戻せるようファイルのバージョンを保持する場合に、統合プロジェクトに関する作業を行うための強力なツールです。ODIの組込みバージョン制御が開発要件に合っているかどうかを確認するには、バージョン制御(レガシー・モード)の使用を参照してください。

  6. マッピングでは、ナレッジ・モジュールを使用してそれぞれのコードを生成します。詳細は、『Oracle Data Integratorの理解』E-LTの概要に関する項を参照してください。マッピングを作成するには、事前にデータのテクノロジに対応するナレッジ・モジュールをインポートしておく必要があります。ナレッジ・モジュールをインポートする方法については、「オブジェクトのインポート」を参照してください。インポートする必要があるナレッジ・モジュールについては、『Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』を参照してください。

  7. ターゲット・データストアをソース・データストアのデータとともにロードするには、マッピングを作成する必要があります。マッピングは、1つ以上のソース・データストアから1つ以上のターゲット・データストアへのロードを定義するルールのセットで構成されます。統合プロジェクト用の新規マッピングを作成する方法については、「マッピングの作成」を参照してください。

  8. マッピングの作成を終了すると、「マッピングの実行」の説明に従ってマッピングを実行できます。「ローカル(エージェントなし)」を選択して、Oracle Data Integratorで直接マッピングを実行します。

  9. 統合ワークフローでは、複数のターゲット・データストアを特定の順序でロードする必要がある場合があります。マッピングの順序付けが必要な場合は、パッケージを作成します。このオプションのステップについては、「新規パッケージの作成」を参照してください。

  10. ワークフローが複雑であり、多数のソースまたはターゲット・データベースが関連する場合や、特定の論理順序内で複数のマッピング、パッケージ、プロシージャおよび変数の実行を管理する必要がある場合は、ロード計画を使用することを考慮してください。ロード計画を使用すると、順次条件付きステップおよびパラレル条件付きステップの階層内にシナリオを編成して実行できます。ロード計画の詳細は、ロード計画の使用を参照してください。

  11. 実行結果は、オペレータ・ナビゲータで表示およびモニターできます。オペレータ・ナビゲータを使用したマッピングの実行方法は、『Oracle Data Integratorの管理』統合プロセスの監視に関する項を参照してください。

  12. 統合の開発中、デバッガ機能を使用して、プロジェクト内のバグを特定して取り除くことができます。デバッグ・ツールの詳細は、『Oracle Data Integratorの管理』統合プロセスのデバッグに関する項を参照してください。